2019-06-04

本年度の交流戦成績。

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-桃月すず「なめたがり」ワニマガジン社 ISBN:9784862696427
話○ 抜○ 消小 総合○

サーヴィス精神旺盛すぎる巨乳カテキョさんに純情男子は振り回されっぱなし本編&フルカラーショート+出会って即H掌編&後日彼女の友だちも参戦し両手に花続編+進学し寮住まいの主人公はひさびさの実家で最愛の妹の寝しなにちょっかい連作2本+フラレナオンな同僚女子の無聊をなぐさめ本編&バカップル化した2人はただれた性愛に没頭続編+独立短編4本。恋愛まっただなか男子女子のベタ甘ラヴとそんな2人の特濃ファックとを読者の脳裡へ問答無用で大量投下の作者最新刊は抜き物件としての第4弾コミックスだ。
ワニマガ各誌のなかでは比較的オトナ志向&ダークネタもいとわぬアダルティな雰囲気の「COMIC失楽天」にあってむしろ快楽天本誌のような美男美女のスウィートなラヴ・アフェアをくり広げるのがこの人。おそろしくキャッチーな作画と巧みな物語構築でもって昨今は一般誌でも執筆するいまが旬の作家だ。長期休養などなくコンスタントな作品産出ペースを維持できているのも美点で、一昨年刊行の前単行本「あまあま」から2年ちょっととさほど読者を待たせることなくニューエスト・モデルの登場である。
いわゆるエロ漫画の表紙としては特異な、男性キャラの体躯がかなり映りこんだチャレンジャブルなカヴァーイラストがぼくらをお出迎え。むろん前面にフィーチャーされるのは蠱惑的な表情で彼氏の肌に舌を這わせるえっちな女性であるとはいえ、おそらく好き嫌いの分かれるであろうこうした構図を逡巡なく用いるあたり作家としての自信と矜恃を感じさせる。現本拠地たる失楽天および当社の電子配信誌「COMICはぴにんぐ」にて2017-18年にかけ掲載の原稿をまとめた収録作たちは直近作ばかりゆえ品質も高値安定。いつものように出版社公式サイト内の単行本情報ページで存分にサンプル画像をおがめるので、桃月すず初チャレンジの方も先にそちらをチェックしておけば万全。
最近はわりかし有名無実になっているとはいえ掲載誌はいちおうコンビニ売りなので、登場ヒロインは社会人や人妻など大人女性が主体となる。一部もっと若い娘や人外さんなども交えた彼女らはしかしながらルックス的にはみなティーン同然の愛らしさであり、基本的には熟女スキー向けの物件ではない。そうは言っても首から下はお歳相応のたっぷり肉置きのよいグラマラスボディで、腰回りも太もももほどよくゆるんだ感じの肢体描写がむしろ淫猥さを増していてグッド。加えてこの作家ならではのヴァラエティ豊かなキャラ造形もまた魅力的で、完全無欠というよりはどこか抜けてたりムダにテンパったたりの少々ポンコツな部分が彼女らにほのかなリアリティとたしかな存在感を附与する。
くり広げられるお話たちは唯一の3Pもの「どっちがいい?」を除きオーソドックスなタイマンエロスの構成を採り、フォーリンラヴ直前もしくは恋愛成就済みの男子女子が存分にラヴでコメるって寸法ですよ。慎太郎シール誌初出だけあり不快指数0%の甘々和姦尽くしかつ全作ハッピーエンドの安心仕様だ。とはいえけっしてワンパターンにおちいることなく恋愛の微妙な機敏だの細やかな感情のやりとりだのを適宜織りこみ読み手を飽きさせないのはさすがイチャラヴ専門作家のスゴ腕。これまで以上に絆を深め熱っぽく愛の言葉を交わし合う2人を目の当たりにして読んでるこっちもゴチソウサマですよ。
むろん精液分泌支援ツールであるからには濡れ場もおこたりなく、ほぼ20ページ内外の比較的コンパクトな分量ながら肌と肌のふれあいをたっぷりと展開。とりたてて奇抜なシチュとか特殊なアイテムとかを使うわけではないシンプルな肉体言語の応酬なのだけど、愛し合い睦み合う男女の濃厚なピロウ・トークやら前戯→本番へと段階を踏むに従いいっそう乱れあけすけに情欲を全開させるヒロインの表情変化などをじっくりていねいにつむいでゆくことで読者の勃起中枢を効果的に励起せしめる。そこへプラスして本作ではコミックス表題で謳うとおり唾液だの汗だの体液に強く執着する描写がしばしば挿入され、2人してお互いの濃密なカラダの匂いにまみれクローズドな世界へと没入する性の営みの生々しさをいっそう強調するのだ。
もとより相思相愛の彼ら彼女らはちょっとしたできごとをトリガーにより強く想いあう気持ちを確認しその実践として情熱的な交合に没頭する。ねっとり舌先を絡めあい素肌に浮かぶ汗を舐めとって愛するベターハーフの味をじかに感じるのだ。敏感な部分を刺戟し合ううちすっかり準備万端の彼女の秘密の花園へ屹立したシャフトをねじこんで性器どうしの真剣勝負をスタート。ピタッと体躯を密着させながら細かくストロークを刻むたび法悦の態で甘い吐息をもらす彼女の痴態にいっそうエレクチオン。いよいよ恥も外聞もなくハートマークをまき散らし昇りつめてゆくヒロインの内へ外へとザーメンの奔流をぶちまけフィニッシュ。
ベタ甘ラヴ&濃厚ファックの絶品コンビネイションもますます冴えわたるなか体液まみれのフェティッシュな趣向も加わってまことにユースフルな1冊だ。そうした要素を織りこみつつこれ以上変態性を強めると一転読者がドン引きするその寸前で踏みとどまるウェルメイドな抑制もまたプロの職人芸。欲を言えばストーリー上の要請とはいえ外出しエンドがそこそこ存在していて、膣内射精原理主義者たる自分はそうした場面に遭遇するたび仰角がガクンと下がるのが残念無念。とはいえ一般的にはそこまでマイナス要素ではないと思うので特段気にすることなく活用できるはず。このたび収録の物件中では、私的ストライクゾーンド真ん中な短髪巨乳日焼け水泳女子と熱烈フォーリンラヴの「イルカに溺れる」と、作中最年少であろうブラコン妹ちゃん×シスコン兄くんの両片思いポンコツラヴ模様「星のもとで」/「よだれの星」連作が最愛。

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