-名仁川るい「スキノウラガワ」文苑堂 ISBN:9784861173349
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
聖職者の顔の裏に煩悶を抱えた教師たちはふとしたきっかけで理性の枷から解き放たれケダモノじみた欲望をあらわにして……連作3本+心に空白を抱えた2人は幾度も身体を重ねるうち思いを通じ合わせ本編&離ればなれになり後日談+独立短編4本。迂回しねじれた愛情をただ肉欲にまかせその豊満な肢体を体液まみれにしながらなん度も絶頂する少女たちの狂おしき行状をじっくりねっとり活写する作者最新刊は通算2冊めのコミックスだ。
いまは亡き萌えエロ専門誌「コミックポプリクラブ」(マックス刊)はそれなりに歴史の長い雑誌だっただけに多数の作家を輩出しているのだが、その休刊間近の時期にまるで最期を看取るかのように華々しく登場したのがこの人。数回描いただけでポプリの方は終焉を迎えてしまったのだけどこの才能が放っておかれるはずはなくすぐに文苑堂からお声がかかりそちらでの掲載作品も合わせて無事にデビュー作「求愛少女」が一昨年上梓された。その後はすっかり当社の看板誌「コミックバベル」に定着しストックも着実にたまってめでたくこのたび2nd editionの刊行である。
表紙/裏表紙で明らかなとおり、明確にルーツを少女漫画系に持つ繊細かつキュートなヴィジュアルがキャリア当初からの武器。中身のモノクロ原稿もその印象を踏襲するリリカルなタッチでまことに眼福だ。デビュー当初はとりわけ男性キャラに隠せないBL臭がただよっていたものだが昨今はほどよくこなれていい感じ。収録作すべて2018-19年にかけてのバベル掲載分と直近原稿ばかりゆえ前作以上に安定感のある仕上がりだ。このレーベルはいつもそうだが出版社公式サイト内の単行本情報ページでサンプル画像のほか1話試し読みまで可能なので、名仁川るいに関する予備知識ゼロの方でもそちらをチェックしておけば万全。
このフェミニンな絵柄に乗っかりお披露目される女性陣はほぼティーン固定だった前作から女教師など大人女性がプラスされたことで平均年齢がやや上昇。とはいえ10代女子はむろんのこと年長さんでも少女同然の愛らしさゆえ間違っても熟女好き向け物件ではない。かくもラヴリィなお顔なのに首から下はおっぱいボイーンお尻ドドーンのむしろダイナミックとすら言えるやたらと誇張された肢体描写が読み手の勃起中枢をダイレクトドライヴだ。BL/TLの登場人物でもおかしくない彼女らが異様にグラマラスな体躯を標準装備するアンバランスネスがなんとも辛抱たまらんですね!
作画の印象どおりに少女漫画系のリリカルなラヴ模様を男性向けエロへいささか強引に落としこんだようなアモルフな作風は当初から変わらないのだけど、この2冊めになってから物語の趣向にいっそうトウィストがかかってきた感じ。具体的にはとくに女性キャラの愛のありようがかなりこじらせてきていて、世間的にはヤンデレと呼ばれるそれにそうとう近づいていると思う。帯訴求コピーでわざわざ「純愛」とカッコ書きしているのもまさにそれで、ヒロインがステディな彼に向ける一途な愛情がどうも過剰だったり極端だったりで男子諸君もいささか引きぎみ。ベースにあるのはあくまで恋心なので紆余曲折ありつつも最終的にはおおむね恋愛成就の形で収束するのだけど、それははた目にはけっしてハッピーとは限らず重たかったりヤバかったりもするので甘々ラヴのみを摂取したい向きは要注意だ。
そんな彼女らの歪んだ愛を反映していざ濡れ場となるとまるで本能に駆り立てられたかのようにむき出しの肉欲をぶつけてくる。1本あたり16-24ページと分量はさまざまながらエロシーン密度はいずれもむやみやたらと高く、このへんは1冊めと比べて明らかにパワーアップした部分。ド迫力ボディを惜しみなく披露しながらゴリゴリ体躯をぶつけ合う肉食獣じみたセックス絨毯爆撃はふだんのはかなげな表情を淫蕩そのもののメスの顔へと変貌させはしたなくイキ狂うアヘ顔百面相とともに読者の興奮を大いに励起せしめるのだ。とりわけ大ぶりのニップルをピンと屹立させながら体液にまみれ性器どうしハードに摩擦し合う執拗なまでのエロパーツ強調はまことに強力無比でティッシュの消費量もうなぎ上り。
生真面目だったり無口だったりの日常の姿からは想像もつかない淫乱ぶりを彼女らは初手から見せつけてくる。着衣の下に隠されたはち切れんばかりの双丘を想い人だけに開陳しつつ自分から耳元でどぎついエロワードをささやき早くも濡れそぼった秘部をお披露目するのだからたまらない。ビッグバストにむしゃぶりつき乱暴に蜜壷をまさぐりながら痛いほど屹立したシャフトをせわしなく差し入れ執拗に内奥を突き上げるたび少女はトロトロのイキ顔さらし淫語マシンガン連射しながら交合に夢中だ。ぶるんぶるんと爆乳を揺らし汗と涙と愛液まみれでもはや日本語にならない咆吼を発しながら昇りつめてゆくヒロインのドスケベまんこめがけ狂ったように特濃ザーメンの奔流を叩きつけフィニッシュ。
愛ゆえに正気を失い本能のまま欲望の隘路へと堕ちてゆく純情少女のハードコアエロス満漢全席にぼくらのハンドシェイクも止まらぬ逸品。個人的には前作みたくティーン一辺倒だとさらに実用性がアップしたところだがとにかく1冊めと比較しておそろしく使い勝手が高まったのは間違いないところ。巻末著者あとがきを見るに昨今は編集の介入も減りいっそう好き勝手にやらせてもらっているとのことなので、ますますヒロインは愛をこじらせてほしいしファックは際限なく濃度を高めていただけると重畳きわまりない。収録作いずれもマイサンをフル活用させてもらったが、なかでもなりゆきでお借りした少女のえっちなご奉仕に辛抱たまらず欲望大爆発「被写体レンタル」と、教師たちとそこにからむ教え子の肉欲模様オムニバス「トクベツアツカイ。」のうち表紙にも登場のドスケベ教え子ちゃんが狂ったようにちんこを求めイキまくりの2話めが自分的に最高最狂でございますよ。
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