2020-01-18

今晩のエレクトリック・キーヤー。

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-雨山電信「彼女が裸を見せるとき」エンジェル出版 ISBN:9784873068886
話◎ 抜○-△ 消小 総合○

古よりの風習として女たちが奔放に春を売る風光明媚な離島性活オムニバス4話+独立短編5本。男と女の濃密で淫靡な関係を卓越したお話運びでつむぎつつド迫力ボディが画面せましと行き交いフェティシズムを炸裂させる超高密度ファックをモリモリと展開の作者最新刊は通算4冊めにして本レーベルからの第3弾コミックスだ。
その昔なんの予備知識もなくこの人の処女作「雨山式雌穴マンゲ鏡」を衝動買いしたところ度肝を抜くようなコッテリ特濃エロスが横溢するさまにたちまち圧倒され以後はその存在を脳裡に深く刻まれた次第。そう言いながらもきわめてクセの強い作風はときに受容の障害にもなって、リイド社より2018年末に上梓された前単行本「あぐりちゃんとひみつのなつやすみ」はヒロイン造形のあまりのピーキーさに申しわけなくも購入を見送ったので(作者さますいません)、当ブログで評価の俎上に載せるのは同じエンジェル出版から2018年3月にリリースの前々作「今宵、好きな穴から」以来2年近くのインターヴァルをはさんでのこと。
勢い重視かつ濃口の絵柄を武器とする執筆陣の多い当社の看板雑誌「エンジェル倶楽部」にあっても、雨山電信の骨太でダイナミックな筆致はひときわ目を惹く。ことに油絵の具で仕上げたかのごとく大胆な筆遣いのカラー彩色は白眉で、その個性を前面に押し出した本作の表紙絵は読者の視線をグッととらえて放さない。収録作すべて2018-19年にかけてのエンクラ掲載分と最新原稿ばかりゆえ作画品質の高さも折り紙つきだ。なお版元の提供する単行本情報ページおよび著者pixivアカウントの発売告知エントリから内容サンプルをたっぷりとおがめるので、この作家初挑戦の方はぜひそれらを先にチェックしておくべし。
この躍動感あふれるタッチから生み出される女性陣は掲載誌の誌風もあって大半が成人済みから下手すりゃ子持ちママンまでだいぶ上方向に寄っているのだけど、この新刊はそれでもJKなど青い果実も数名配置して本来熟女苦手な自分も美味しくいただける。もっともお歳を問わずボディラインは爆裂おっぱい&ド迫力ヒップの超絶グラマラス専科ゆえスレンダー嗜好の方には少々つらいかも知れない。さらに強烈なのがアンダーヘアのみならず腋にもモサモサと大量に生い茂るその剛毛具合で、両腕を上げたとたんモワッとわき出る蒸れた空気と濃厚な匂いとが二次元の世界からこちらまで直接伝わってくるかのよう。このへんははっきりと好き嫌いが分かれる要素でもあるので、そうしたジャングルに恐れをなす諸兄はこの時点できびすを返すべし。
かくのごとくカロリー過多なヴィジュアルにも増して雨山電信が独自色を発揮するのがそのストーリーテリング。読み切り主体だった既刊に対し今回は温暖な瀬戸内の離島を舞台に四季を駆け抜ける連作「人魚の島」が全体の半分を占め、残りのスペースをこれまでどおりの短編群で埋めるという構成になるのだけど、物語の基本的なテイストはおおむね不変。いずれも特殊なシチュや奇抜な性癖を盛りこみつつも全体としては人間存在の愛おしさを打ち出した一種のビルドゥングス・ロマンを思わせる作劇となっている。ダークな味わいを見せる作品も一部存在するものの、総体としては前にも増してポジティヴな印象のお話が増え読後感もきわめて良好だ。これらヴァラエティ豊かな題材をロジカルかつ緻密に制御するお話運びの冴えは漫画のみならず彼のSNSの発言や文章のきわ立ったキレからも非常に納得できるもので、いずれ小説や評論などへ足場を広げていってもおかしくないと自分はにらんでいる。
むろん抜き物件であるからにはエロシーン構築もおこたりなく、1本あたりほぼ20ページ固定の比較的タイトな容量のなかでも目を惹くエキセントリックな構図の多用と淫語マシンガン連射の雨あられでたちまち超高密度ファック満漢全席のできあがり。清楚な少女や貞淑な母親がたちまち1匹のメスへと変貌しだらしなくアヘ顔さらしながらムチツヤボディをハードに使役し精液搾取に夢中だ。腋や下腹部の茂みをいろんな分泌物でグショグショに濡らしながら粘度のひときわ高いザーメンを子宮の奥深くへ打ちこまれてド派手に絶頂のスペクタクルな光景で読み手の自慰表明もはかどりまくり。
運命の男と女は巧まずとも自然に惹かれあいやがて狂おしく身体を重ねる。豊満な肢体をあたかも誇示するかのように最愛の人に見せつけては陶酔したような表情で挿入を懇願する彼女のご要望どおり、ムワッと牝臭を発する蜜壷をいきり立つ怒張でこじ開け粘膜どうしを激しく摩擦しあうのだ。執拗に内奥を貫くたび獣じみた咆吼を発し法悦の態でよがり狂う浅ましき行状にいっそう興奮。下品な音を立てながら性器をこすり続けついには感極まり雄叫び声をあげるヒロインのドスケベまんこめがけ2度3度4度と大量の白濁をぶちまけ性の饗宴はなおも続いてゆく。
いっそう密度を増したストロングファックの応酬とこちらはより前向きに進化した力強いお話運びの両輪をじっくりと堪能しお腹いっぱい。マニアックに振りすぎた他社刊前作に比べればいくぶんマイルドに――意地悪な言い方をすると世間に迎合した――キャラメイクであり、これまで以上に幅広い層にアピールできそうだ。個人的嗜好のいかんによりアダルトすぎたり脇毛すぎたりする一部の方々では私的実用度が低下したものの、総じて優秀な精液分泌支援装置といえよう。登場ヒロインたちのなかでは今回メイン扱いの連作「人魚の島」でも表紙に抜擢されたりといちばんいい目を見ている短髪巨乳日焼けJK・茜ちゃんと、巻末短編「淫魔にラブ・ソングを」ヒロインの目隠れオドオド修道女・佐久羽(さくば)さんが自分はことのほかお気に入り。

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