2020-03-16

本日のパンク天国。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-えーすけ「DOLLS」ワニマガジン社 ISBN:9784862697011
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

夫の頼みで彼の部下と寝た人妻はやがて自分から背徳の肉欲におぼれてゆき表題作中編3話&描きおろし後日談+独立短編3本。ほの暗い雰囲気のなか年端もゆかぬ少女からフェロモンダダ漏れ奥さままで多種多様なヒロインが極太ディックをゴリゴリ突きつけられ派手派手しくイキ狂う光景を読者の脳裡へ絨毯爆撃の作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。なお公式発売日にはすでに某密林へのリンクが死滅していたので、書誌情報はまんが王のサイトへ。
おそろしくキャッチーなタッチと超絶画力とでグイグイ迫り来るというのがいわゆる「COMIC快楽天」執筆陣のパブリック・イメージ。しかしながらそんな同誌でデビューしたこの作家は当初からそうしたノリとは微妙に距離を置き独特の存在感を放っていた。そしてエロ漫画家にはめずらしく筆の速いタイプでときには毎月掲載もいとわぬハイペースで作品を送り出すうち技倆の方もぐんとアップしいまや快楽天中でもひときわ目立つ存在に。まさに脂の乗りきったこの人がこのたび上梓するニューエスト・モデルは前単行本「初恋より気持ちいい」刊行から1年経たずの早業である。
若干ラフな印象はあるもののシャープな描線が目を引く絵柄は他作家との差別化に結果として成功しているのは間違いない。最初期はさすがに稚拙さを感じたけれど充分に描き慣れた現在ではワン・アンド・オンリーの魅力として昇華されていてグッド。さっそく初出を確認すると今回は主戦場たる快楽天のほか電子配信専門の「快楽天WEEKLY」掲載分もプラス。いずれも直近2年以内の最新原稿ばかりゆえクオリティの高さは折り紙つき。従来どおり版元提供のコミックス情報ページおよび著者pixivアカウントの発売告知エントリからサンプル画像をたっぷりとおがめるので、どうしても不安を覚えるという方は購入前にそれらをチェックしておけば万全。
既刊2冊と明確に異なるのが今作ヒロイン陣の年齢設定。というのも従来はハイティーン中心の普遍的な陣容だったのが、この新刊だと下はつるぺたロウティーンあり上は完熟マダムありと異様にワイドレンジなのだ。そこまで両極端だと読者に不安を感じさせかねないとの配慮かいままでどおりの制服JKも1名投入されているとはいえなんともチャレンジャブル。そんなわけでバストサイズも甘食クラスからロケットおっぱいまでこれまた多彩でいろいろビックリですよ。
そうした挑戦的な姿勢は作劇の方でも存分に発揮されている。掲載誌がコンビニ売りの制約から解放されたということもあるだろうが、以前から萌芽こそ感じられたとはいえそれほど前面に押し出されてはいなかったアンモラルな空気がそこかしこに充満しているのだ。とりわけタイトル・チューンたる冒頭中編「DOLLS」はいわゆる寝取り/寝取られの構図を明確に持ちこんだもの。刺戟を求める上司が自分の妻とセックスしてほしいと主人公へ依頼する発端から当初乗り気でない彼女も初手から嗜虐心をあらわにする彼も等しく行為におぼれてゆきついには夫の介在なくお互いストレートに肉欲を全開するに至るまでの一部始終を巧みな心象描写とともにじっくりつむいでゆくさまはまさにストーリーテラーとしての才覚を開花させたかのごとし。加えて作者初のロリもの「春の蝉」では大学生の家庭教師が教え子の少女に性のなんたるかをイチから教えこみついには底なしの快感を引き出させるまでのシークエンスを疾走感あふれる筆致で描き出してみせる。さすがに元慎太郎シール誌物件ゆえ最終的にはそう深刻でないオチをつけるとはいえ、この徹底的に背徳感を追求した物語構築はえーすけという作家を一段上のステージへグレードアップさせたと言ってもいい。
そしてこちらは昔から彼の最大の武器であるところのハイカロリーな濡れ場はむろん健在だ。情欲が加速し男女とも浅ましいまでに行為へおぼれては四方八方へ咆吼をまき散らしケダモノへと先祖返りする。バキバキにいきり立つ怒張を容赦なく蜜壷へねじこんで男たちは際限なくその奥へ白濁を注ぎこみ続け、女たちはそれが子宮へ放たれるたび脳髄に勢いよく快楽の電流を浴びて恥も外聞もなくアクメ顔さらして絶頂し……のエンドレス肉欲曼荼羅は止むことなくくり返されるのだ。
理性と倫理をわきまえた人間存在の枷を自分から外し肉食動物へと回帰する2人は委細かまわず原初の肉欲に耽溺する。白磁の肌を朱に染め秘部からはいやらしく露をたらす彼女の表情はもはや発情期のそれ。動物の交尾さながらにガツガツと性器どうし干戈を交えくり返しストロークを刻むたび彼女の呼吸は荒くなり嬌声のヴォリュームは増す一方。淫語マシンガン連射しながら肩に強く手を回しギュッと抱きつきながら全身を打ち震わせる彼女の淫乱まんこめがけ2度3度4度と粘度の高い孕み汁をぶちまけたその刹那彼女は甲高く絶叫しファイナルアクメ。
従来どおりのストロングファック満漢全席にプラスして背徳感マシマシの隠微なストーリーテリングが雨あられと読み手の勃起中枢を刺戟する超弩級の精液分泌支援ツールだ。ただ物語上の要請とはいえ序盤から中盤にかけゴムつきセックス中心となるので膣内射精大好きっ漢たる自分はそのぶん実用度が減退。このへんは当初あえて中田氏しないことがドラマティックな展開にもつながっているのでやむを得ないところか。ともあれ従来以上に読み応え抜群のこの新刊でえーすけのさらなる成長を実感。マイちんこ的には表題作のような人妻ものよりティーン主演のお話の方がよりグッときて、カテキョ先の華奢な美少女をすっかりセックス大好きっ娘へと変貌させてゆくプロセスにたまらなく興奮の「春の蝉」と、こちらは比較的従前のテイストに近い日焼けスポーツ先輩女子×純朴後輩男子の急転直下熱烈ラヴ「番犬くん」が今作中のフェイヴァリット。

0 件のコメント:

コメントを投稿