-煌野一人「千年隷嬢」キルタイムコミュニケーション ISBN:9784799213438
話◎-○ 抜○ 消小 総合○
ボウヤな人間従士が最強女騎士を人並み外れたちんこパワーで従属させさらに高貴な亜人美女を次々と毒牙にかけて……長編5話(最終話一部描きおろし)+デビュー作収録短編継続シリーズ連作2本+独立短編1本。奇抜なアイディアを横溢させ奇妙奇天烈なストロングファックをときに明るくときに陰惨にくり広げる作者最新刊は通算4冊めにして本レーベルからの第3弾コミックスだ。ちなみにこの本は発売から1週間も経たずして早くも某密林からその存在を抹消されているので、書誌データはまんが王のサイトへ。
この作家の描くものをあえてカテゴライズすれば凌辱ファンタシーになるのだけど、そんな枠組みにはとうていおさまらない奔放な構想力と巧みなストーリーテリングとでデビュー当初から強烈な個性を発揮してきた人。けっしてハイペースとは言えないものの長期休養などなくコンスタントに執筆を続けており、ティーアイネットより2018年初めに上梓された前単行本「ドールズ」からはおよそ2年、当社物件としては2016年秋刊行の通算2冊め「パラサイトクイーン」(当ブログでは未評価)以来3年半ぶりのコミックスとなる。
いささかクセは強いものの端整な一般青年誌系のタッチは後述する作劇のエキセントリックさからすると相対的に無難な印象だけど、なんにせよ取っつきやすいのはいいこと。収録作すべて当社刊の非現実エロ専門誌「コミックアンリアル」で2017-20年にかけ掲載の原稿と直近のものばかりゆえ作画品質も安定。そんなわけで表紙絵と中身のモノクロ漫画とは完全互換と言っていいと思うが、KTC恒例の異様なまでに浩瀚なコミックス情報ページおよび著者pixivアカウントの発売告知エントリで大量のサンプル画像をおがめるので、煌野一人初体験の方は先だってそれらを確認ののち購入に踏み切るのをオススメ。
TIの前作ではノーマル人類ばかりだったけど、むろんアンリアル物件なので登場ヒロインは大半がエルフだったり竜娘だったり狐娘だったりのヒトならぬ存在。少数派の属性ヒューマンでさえも最終的にはバケモノへ変貌させられる人外パラダイスだ。とはいえルックス的には最近流行りのモンスター娘に比べずっと人間寄りなのでこの界隈に不案内なビギナーでも安心。おおむねキュートフェイス/ビッグバストの親しみやすい造形に多少ツノだの牙だのが附加される程度なので問題なく股間を屹立させることができるだろう。
物語傾向は作品ごとにザックリと二分されるのでそれぞれについて解説をば。まずは中盤以降に収録された読み切り「シードベッド・スクワット」および初単行本「ドロップアウト」収録の短編「マンイーター」の設定をそのまま持ち越した継続シリーズ「マンイーター・ペトリファイ」/「マンイーター・アブソーブ」。これらは既刊の作品群とテイストを等しくするド直球ハードコア凌辱SF風味で、強く誇り高いヒロインが悪辣な罠に墜ち人間の尊厳を極限まで奪われてゆくまいどおなじみ煌野一人印。
そしてもう一方が実質的なタイトル・チューンに相当する冒頭長編「マイ・レディ、マイ・マスター」連作(各話ごとに別途表題が付属)。人間・エルフ連合国最強の女騎士・シャーロットに拾われ従士としておそばに仕える少年・コリンが苛烈な剣の稽古に逆ギレし奸計を講じてシャーロットの身体の自由を奪い肉奴隷として彼女を調教する下克上シチュが物語のスタート。その後は王の死後も国土を平和に治める女王・エレンディスや辺境に害なす古竜・メリサンド、さらには女王のライヴァルにして東国に君臨する妖狐・華琳(ファリン)皇后までをもたやすく屈服させ服従を誓わせるに至る一大下克上ストーリーだ。この長編が特異なのは調教ネタとはいえ対象たるヒロインたちは最初こそ抵抗するもののいちど墜ちたのちはむしろ積極的にコリンのちんこをおねだりし熱烈にイチャついてくるという、煌野一人作品にはめずらしいハーレムものの構図を採る点。まるで恋する乙女のように情熱的な彼女らの瞳はこれまでの彼の作品のように屈辱と憎悪とを宿しているのではなく歓喜と愉悦のそれが取って代わるのだ。そのためかお話運びもむしろコミカルとすらいえ、この人の過去作品に親しんできた諸兄はいくらか居心地の悪さを覚えるかも知れない。かくも明朗快活な物語の締めくくりもなにやら感動的にフィナーレを迎えたと見せつつラストでさらにひとひねり加えてくるのだが……その顛末は実際にみなさま自身でご確認を。
お話のトーンが明暗いずれにせよ、徹底的に女体を邪険に扱い強引に快楽を引き出してはド派手なイキ顔さらし女たちがのたうち回るとびきりハードコアな濡れ場はこれまでどおり。1本/1話あたり14-30ページと分量はさまざまながら、女子の穴という穴をゴリゴリ貫き完膚なきまでに犯し尽くしては永遠の忠誠を誓わせるご主人様プレイの絨毯爆撃でヒロインを圧倒的支配下に置く。加えてアンリアルならではの触手だの石化だの異物孕ませだの特殊なシチュもふんだんに盛りこみ豪華絢爛肉欲曼荼羅はエンドレス進行だ。
これまでの屈辱を倍返しすべく自由を奪った彼女の豊満な体躯を横たえ着衣を剥いでたわわな双丘を思うがままにむさぼり尽くす。屈辱的な姿勢でパイズリを明治期等を彼女の口へ押しつけて先走り汁を発射だ。休息など許さず屹立したままの怒張をこんどは匂い立つ蜜壷のその奥へねじこんでハードな摩擦運動をスタート。粘膜も破れんほどに激しく内奥を貫くたび彼女の嫌悪の表情は歓びのそれへと変貌しはしたない嬌声を周囲にばらまきはじめるのだ。ついには恥も外聞もなく淫語マシンガン連射ししきりに膣内射精をねだりはじめる彼女のリクエストにお応えし、最後は特濃ザーメンの奔流をド淫乱まんこの最深部へ怒濤のごとく叩きつけてフィニッシュ。
中盤以降の短編たちはともかくずいぶん毛色の違う巻頭連作にはたいそうビックリしたものの、読み通してみれば軽妙な主従逆転ものとしておもしろく読みガッツリ愚息を使わせてもらった。シリアス志向の作家に限ってコメディを描かせたらぎこちなく平板になりがちなところ、むしろこっちが本領と錯覚するほど手慣れたお話運びと巧みな構成にひたすら感心。もとより緻密なストーリーテリングに定評のある人だけになにをやらせても上手いのだなあと改めて納得した次第。こうした引き出しの多彩さを見せつけてもらったからには次作以降も大いに期待です喃。そんなわけで収録作のなかではやはり「マイ・レディ、マイ・マスター」シリーズが飛び抜けて秀逸で、誇り高きエルフ騎士さまがすっかりデレまくるに至る(でも表面上はツンを貫く)シャーロット様のラヴリィな変貌ぶりに胸キュンですよ。
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