2020-07-19

本日のスーパー極上キムチ。

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-Pennel「放課後は冒険の時間」ワニマガジン社 ISBN:9784862697202
話○ 抜○ 消小 総合○

他人の逢瀬を偶然目撃した生徒会長&副会長はどちらともなく身体を重ね本編&後日談+幼いころ遊んだ秘密基地で幼なじみ同士はゆっくり関係を深め本編&後日談+気になるあの娘がウリをやっていると聞いて主人公は真意を確かめるべく現場に乗りこんで……本編&後日談+クラスで浮きがちのサブカル女子と放課後の公園で意気投合しやがて2人は……本編&後日談+独立短編6本。端整なヴィジュアルでもって思春期男女の抑えきれない情欲の発露をしかしながら清冽に誠実につむぎ出す作者最新刊は通算2冊めのコミックスだ。
この界隈のジャーゴンに「量産型ワニマガ作家」というフレーズがあるのだけど、おそろしく画力が高く派手めの画面処理で彩られた作画に万人受けのティピカルなイチャラヴが組み合わされた作品が大量に並ぶ……といった状況を揶揄してそんな語られ方をしている。しかしながらこの人はデビュー時からそうした一般的なラインからどこか逸脱した繊細なタッチとそれにふさわしく叙情あふれるラヴストーリーとが持ち味。その独特のアトモスフィアはひと目見たときから自分の脳裡へ鮮烈な印象を残し、2016年なかばに上梓されたデビュー単行本「潜熱」も当然のごとく即レヴュウ。以後もペースこそゆるやかなもののコンスタントに雑誌掲載を重ね、前作から4年経過して待望の2nd Edition刊行へこぎ着けまずは善哉。
先に述べたとおり、快楽天系列の執筆陣にしてはいささか地味めな落ちついたトーンの絵柄がPennelの特徴。むろんそれが悪いなどということはまったくなく、むしろこのプレーンな雰囲気が現本拠地の「COMIC快楽天BEAST」では異彩を放ち独特の存在感を発揮できているのだ。エロ漫画というよりは若干マイナーな一般青年誌にでもいそうなタイプで、それこそ往年のアフタヌーンなんかだと違和感なくまぎれこめそう。収録作すべて初単行本刊行後の快楽天BEAST掲載分で執筆時期のスパンはやや長いけど絵柄のブレはほとんど感じられず抜群の安定感。ワニ物件の例にもれず出版社公式サイト内の単行本情報ページからサンプル画像及び一部ショップ購入特典を参照できるので、この作家のプロダクトにはじめて触れる方はまずそちらのチェックをば。
このたびぼくらの股間の愉悦に貢献してくれる女性陣は単行本タイトルからして制服女子専科……と言いたいところだが、実際にはJK占有率が半分に残りがJDだの人妻だの上方向数名といういささか看板に偽りありの構成。とはいえ10代女子はむろんのこと成人女性でもたいそうキュートな顔立ちでアダルト感は希薄ゆえ熟女スキーは回避で。おっぱい大好き快楽天系列なので編集サイドは執筆陣に当然のごとく巨乳を要請しており本作でもおおむねビッグバスト女子主体なのだけど、Pennelはいわゆる爆乳を描かない人でおおむね現実的なサイズにおさまっているし若干名の貧乳さんまで存在するので、ワニ特有の常軌を逸した胸部に辟易している貴方には格好の解毒剤かも。
前作刊行後に掲載誌の快楽天BEASTはコンビニ販売から閉め出されガチ成年向けとなったものの、今回収録分はいずれも慎太郎シール誌時代でもなんら問題のない和姦ものオンリー。とはいえ合意エロの体裁を保ちつつそのありようはじつに多彩で、あえて半径数メートル以内に限定された狭い世界観のなか恋する男子女子の微妙に揺れ動く心情と秘められた強烈な性への欲望とが細やかに描き出されるのだ。とりわけ幼なじみだの同級生だの親しい仲でありながらその先へ踏み出せなかった2人がようやく恋人同士として結ばれるまでの一連のシークエンスを訥々と語らせるとまことに秀逸で、ウジウジ逡巡しときとして我を忘れた暴走に自己嫌悪しながらも最終的にはどうにか本当の想いを伝えそれが受け入れられた喜びまでをもリアリティを持って浮かび上がらせる卓越した語り口にを目の当たりにして、我々読み手の方もきっとあり得たはずの甘い恋愛模様を追体験してしまうのですね(現実にはそんなものはない)。
2人して愛し合う気持ちを確かめたのちの激しい交合もまたPennel作品の大いなるセールスポイント。1本あたり16-20ページの非常にタイトな容量のなかでも効率よく日常パートを消化しすみやかにガチファックへと移行だ。比較的シンプルな絵柄だけにねっとり特濃エロスという感じではないけれど、抱き合う2人の息づかいや体温までもが伝わってきそうな細やかな各種エロ演出が欲望の昂りをダイレクトに伝えてくれる。ねっとり舌を絡め合い結合部から下品な音を発しながらの熱っぽい情交はやがて熱い白濁をヒロインの子宮の奥底まで叩きつけたその刹那みごとに成就するのだ。
紆余曲折ありつつもようやく真摯な気持ちを確認し合った彼氏彼女はせわしなく身体を重ねる。制服の下に息づいている弾むような体躯を白日のもと解き放ち彼女は愛しい男子のそれを自分からお口へ含みご奉仕だ。ただちに先走り汁をゴックンしたのちは休憩なしに秘密の花園を押し広げゆっくりと腰を沈めて性器どうしの真剣勝負をスタート。激しくストロークを刻むたび甘い吐息が漏れ四方八方へ体液が飛び散ってまことに淫猥。いよいよ感極まりタイトに抱きつきながら未曾有の快感に全身を打ち震わせる彼女の膣内深く特濃ザーメンの奔流をプレゼント。
どこにでもいる男子女子の性春グラフィティを描かせたら天下一品のこの人、この新刊もその持ち味を十全に発揮しており読んでるこっちもご満悦。欲を言えばコミックス表題ほどにはティーン率が高くないのとそこそこゴムつきファックのお話があってトータルでの実用度評価をマイナスしたものの、そのへんが気にならなければさわやかな恋愛模様と狂騒のエロスとを両立させた希有な物件としてオススメ。これで掲載ペースが上がれば文句ないのだけど、いろいろ事情もあるだろうから継続的に商業誌で活動してもらえるだけでも充分にありがたいことです。このたび収録のお話たちいずれもおもしろく読みガッツリ使ったけれど、なかでも放課後の生徒会室で制服のまま密着えっち「ふつうの関係」と、湿度の高い空間でそれまで接点の薄かった同級生同士が熱烈に睦みあう「日陰を歩く」の巨乳JKちゃんもの2本が最愛。

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