2020-12-06

今月の燃えるんジャー。

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-かるま龍狼「裸空間の世界とか」ワニマガジン社 ISBN:9784862697462
話○ 抜○-△ 消小 総合○

服の一部が突然消失する謎の現象に直面しつつも人々はテキトーに順応し連作2本+夜這いしたりされたり連作2本+独立短編7本。奇妙奇天烈な設定がなんの疑問もなく受け入れられる世界で明るく楽しくちょっとアホなエロスをくり広げる作者最新刊は通算29冊めのコミックスだ。なお作家活動が長すぎてカウント不可能だったために毎回データとして記している単行本の刊行数をこの人の場合はスルーしていたのだけど、今回は本文と帯にそれを堂々と書いてくれたので他の作者同様に本稿へ記載します。
雑誌デビューこそ他社だけど前世紀末にはすでにワニマガジン社で仕事をしており、いまや現本拠地たる「COMIC快楽天」の執筆陣ではおそらく最古参。前述したとおりいっとき計測不能になるほど多数のコミックスを出している人で旺盛な創作ペースは現在も変わらない。ここ数年はもっぱらワニマガでのみ執筆し最盛期ほどのリリース頻度ではないけれど、それでも一昨年秋に上梓された前単行本「ないみつ」からこの新刊発売まで約2年とさほど長くないインターヴァルを経てのお目見え。
かなりの期間続いたフェロモンダダ漏れ熟女をドドーンとフィーチャーの表紙からこの新刊は打って変わって発育良好ティーンズを前面に押し出した。もとより少年漫画直系のポップな絵柄でありこちらの方が自然な印象。中身のモノクロ漫画もカラーに準ずるキャッチーな作画で、さほど情報量は多くなくとも適切なトーンワークと絵柄自体の魅力とでいい雰囲気をかもし出すことに成功しているのだ。今作は2018-20年にかけての快楽天掲載分およびワニのディジタル媒体初出のものを収録と最新原稿ばかりゆえクオリティも高値安定。例によって版元公式サイト内のコミックス情報ページからサンプル画像および一部ショップ購入特典を参照できるので、かるま龍狼初チャレンジの方はまず一瞥を。
本来は幼女からBBAまでなんでもござれのオールラウンダーであった作家なのだけど、しばらく熟女/人妻ヒロインばかり描いていた時期が10年以上続きその間はまったくこの人のプロダクトに触れることがなかった。しかしながら2010年代なかばあたりからキャリア初期のように10代女子も再び出てくるようになり、この2、3年ほどは若い娘中心になって青い果実スキーの自分は万々歳。とはいえ熟女好みの読者にも配慮してこの新刊でもそこそこ母親だの人妻だのは混入されていて年齢レンジはだいぶワイド。最年少クラスのJCたちを除けばおおむねお歳を問わず胸もお尻もたいそうご立派で、総体としてはグラマラス嗜好の諸兄向け物件といえよう。
もうひとつ変化があったのがストーリー面で、もともと突飛なアイディアを容赦なくぶちこみある種不条理ギャグのような世界観を創り出す人が一時期その特性を抑制し普通の抜き漫画みたいなことをしていたのがゼロ年代後半~2010年代前半くらいまで。しかしながら前作あたりでその兆候はあったけれど、今回はそれらのリミッターを一気に解除し往年のような問答無用バカエロをこれでもかと過剰投下しているのだ。さすがにちんこを握りしめページを開いた読者にはトリッキーすぎるネタばかりということで編集の配慮により、巻末に「かるま龍狼奇天烈ワールド紹介コーナー」と題するページを設け「裸空間」だの「ふでおろし券」だの「冷やしちんぽ」だの物語を彩るアイテムやシチュの解説を行っている(それらがどのようにお話をつむいでゆくのかは本編をごらんください)。アホアイテムがなんの変哲もない日常に突如としてねじこまれ特段の不思議もなく共存しながらほのぼのとも狂気ともつかないエロスがくり広げられるさまを目の当たりにしてしごいていいんだかヤバいんだか読み手の脳みそも混乱させられること必至。
1本あたりほとんどが16ページ、なかには12ページの掌編までありエロシーン占有率は低くなりがちなところ、ストーリー進行の工夫できちんと実用に足る濡れ場を用意しているのはさすがヴェテラン。なにせ特殊な状況ばかりなので本番突入までの流れは「なんでやねん!」的シチュになってしまうのだけど、いざ交合にいどめば肉感的ボディをガツガツぶつけ合いながらのダイナミックファックを惜しみなく展開だ。ほおを染め瞳をうるませながら未曾有の快感に身もだえし全身を打ち震わせながらたっぷりと膣内深く白濁注がれヒロイン絶頂の光景にぼくらの自慰表明もはかどりまくりですよ!
日常から派手に逸脱したものたちに囲まれつつも平穏に流れる生活のなかノーマルな世界と同様に男と女は自然に惹かれ睦みあう。弾む肢体を相手にゆだね敏感な部分を刺戟されて周囲に響くのは甘い嬌声。執拗にいじり倒されすっかり準備万端の蜜壷をゆっくりと押し開き屹立した怒張の侵入を許して性器どうしの真剣勝負がスタート。全身汗みずくになりながら激しくストロークを刻まれたちまち表情をトロけさせながら快楽享受に没頭だ。いよいよ感極まりイクイク連呼しながらのぼりつめてゆく彼女の子袋めがけ最後にたっぷりと白くねばつく液体をお見舞い。
奇抜なガジェットが入り乱れ不条理なシチュに直面しながらほのぼの平穏なラヴ模様がくり広げられる倒錯した物語空間にどっぷり浸かったのちは2度とかるま龍狼ワールドから離れられなくなる。あと前作以上にティーン含有率が高まったのも個人的にプラス要素。今回はさすがにネタがぶっ飛びすぎて若干実用に難儀する話もあったけど、とにかく変わったエロ漫画が読みたい! というニーズにお応えするならまず第1にこの人の作品を推しまくりたい。そんな覚悟の足りない俺なのでこのたび収録の物件中ではわりかし奇想度の低い&若い娘ヒロイン出演の2作品、成長した旧知の少女にドキドキしていると向こうからセックスをおねだりしてきて……の「平成最後の思い出」と、巨大な雪だるまのなかへお邪魔して初対面の女子としっぽりガチハメ「雪の中からこんばんは」が私的フェイヴァリット。

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