今月のあきれたぼういず。

• 昭嶋しゅん「Throwing Heart(1)」ヒット出版社 ISBN:9784894653825

話○ 抜○ 消小 総合◎

剛速球ヒロインが亡き姉の跡を追って女子野球部に入り……な表題作長編8話

(以下続刊)。なおこの作品は野球要素を欠かせないものと見るか単なる夾雑物と

とらえるかでまったく評価が変わると思うので、俺は前者寄りの見解であることを

先にお断りしておく。まずは女子野球エロ漫画という限りなくキワモノなネタを

しかも連載もので許してくれたヒット出版社に乾杯。そして各ポジションのキャラに

きっちり属性を割り振り毎回上手くエロにからめた作者に感謝状。非エロでもここが

女子野球もののキモなので9人ぶん個性が出せればそれだけで成功したも同然だ。

前作と比べれば試合や練習にページを割く関係上エロシーンはどうしても脇役に

なるのではと心配したがなかなかどうしてガッツリファックをこなしており、女の子が

M字開脚でちんこを受け入れ断面図つきで大量に白濁液を放出されるさまを大ゴマ

ぶち抜きで描くいつもの昭嶋しゅん。野球描写の濃淡で毎回変動はあろうがこの

レヴェルを維持できていれば抜きツールとしても合格点だろう。またカヴァー下の

パワプロ風キャラ紹介も厨房くささ満点で逆にいい味(俺はパワプロシリーズに縁が

なく「ベストプレープロ野球」ひと筋だったが)。生粋のレフティにして投手兼一塁手で

ある自分的にはヒロインがサウスポーだったらもっと萌えたのだが、まあ斉藤光も

右腕だったしガマン。とにかくこの作品についてはアンケが悪くて打ち切られや

しないかという心配と作者がまた途中で出版社とケンカしないかという懸念との両方が

あり不安で仕方がないのだが、まずは単行本という形で世に出たことに二重マル。

• 魔訶不思議「えろいも」ヒット出版社 ISBN:9784894653849

話◎ 抜○ 消小 総合○

オール短編全7本。収録本数は控えめだがエロは容赦なく。ここ数年は創作

ペースが極端に落ちて心配していたがひさしぶりの単行本はやはり強力だった。

昔からロリ指向で今回も主流は貧乳キャラだが、たまに描く乳ありヒロインでも

まったく抜き度が下がらないのはさすが。もう大ヴェテランの域の作家であり、

いにしえの少年漫画系の丸っこいタッチでガチンコ濃厚エロというギャップが

まいど魅力的だ。柔らかそうなまんこやアナルをねっとりこねくり回しながら

気持ちよさそうに膣内射精しまくるさまがたいそうエロっちい。個人的にはほぼ

同期の猫玄がときどきショタやふたなりに走るのとは違いあくまでヘテロなエロを

貫いてくれるので安心感が高いのも高評価の理由。また練りに練られた作劇も

貫禄たっぷりで、読み返すたびに新たな仕掛けに気づいて思わずニヤリ。能天気な

お気楽ギャグから背徳感バリバリのビターな掌編までさじ加減も自由自在だ。

ひとつ前の長編はまとめに失敗してしまりのないラストになっていたが今回は

短編集なのでその心配もなし。女の子がティーン未満の数本は俺的ストライク

ゾーンから若干外れるので満点ではないものの健在ぶりが頼もしい。

• 大波耀子「うそつきなきみ。」モエールパブリッシング ISBN:9784903705255

話○ 抜△ 消極小 総合△

バカップル成立とそれぞれの後日談連作3話+くせっ毛ソバカスっ娘連作2話+

短編6本。女性作家らしい直球の少女漫画絵とちょい萌えちょいセンチなストーリー

テリングが心地よい。カヴァーのCGより中身のモノクロの方が女流テイストがよく

出ており、ことにヒロインたちが快楽に身もだえし頬を染めながら口を半開きに

してよがるさまがたまらなく脳裡を刺戟する。ミドルティーン～大人までなんでも

こなすがオタ男子的には下寄りの方が訴求力が高く、ことに地味めソバカスっ娘

ティーンを描かせると威力倍増。現実世界ではあり得ないピュアな彼氏彼女らの

初心っちくこそばしい恋愛模様を脳内で心ゆくまで追体験するための即効性ドラッグ。

エロシーン占有率は高くなくプレイもおとなしめなので実用性は低いと言わざるを

得ないが、本格的運用に至るまでのスターターとして使うのならなんとか。

• あいけん「はみパイ」クロエ出版 ISBN:9784903714141

話△ 抜○ 消小 総合△

オール短編全10本。劇画絵メインのTI系のなかでも近ごろはいま風のタッチの

作家が増えてきたが、この人くらいになるともう世間一般の萌え絵と遜色ない

レヴェル。画力そのものは高くなくメリハリのない絵面だが、泥くささのない万人

向けの描線。しかしながら首から下はリアル寄りで、ことにちんこまんこはくどい

くらいに描きこんであるのがいかにもこの出版社。初期作と思われる後ろの数本は

比較的プレーンな性器描写なのを見ると編集がどのように介在しているのかが

想像できたり。おおむね表紙の印象どおりのエロゲ調ヒロインにもれなく巨～爆乳が

付属。お話は適当に切り上げてサクサクおっぱいをいじり倒し、フェラやパイズリで

丁重にもてなされた男根をパックリご開帳の観音様に激しく出し入れしガッツリ

中田氏のインスタントファック。行為はハードだが基本的に和姦なので読後感も

すっきりと使い勝手のいい抜き物件であり、あまりにテンプレなキャラと展開に

ぜんぜん抵抗がなければぜひ。