-琴の若子「同級生は俺の嫁!(1)」双葉社 ISBN:9784575837636
話○ 抜△-○ 消大 総合△
大学のクラスコンパで不意にキスしてしまった娘がいきなり結婚を迫ってきて一気に同居まで進展表題作長編8話(以下続刊)。マークなし。同社でのハーレムもの前作から1on1のイチャラヴへと180度方向転換の新シリーズ開始だ。
高橋留美子系のときにおちゃらけ/ときにシリアスな作劇とその特徴的な作画の双方に色濃い影響を受けていたデビュー当初から若干の痕跡を残しつつすっかりコンビニ売りエロ漫画誌用に絵も話も最適化した作風へと変貌をとげたこの人2010年初単行本。
表紙登場のぱっつん黒髪美乳女子の佐和子さんが単独ヒロインとして君臨し、対抗しそうだった同級生キャラも早々に目立たなくなったのでカヴァーがお気に召さなければ回避すること。ただ俺もじつはルックス的にさほど好みではなかったのだが、いささか性急で思いこみ過多とはいえ好きになったらとことん献身するという一般的ヲタ男子の経絡秘孔を的確に突きまくる周到なキャラ造形と初体験から徐々に身体を開発されえっちにもだえてくれる夜の痴態とに脳髄まで犯られますた。
「夫婦だから遠慮は要らない」とのたまう彼女が羞恥でほおを真っ赤にしながらもたぎる怒張を受け入れ、若鮎のようにみずみずしいボディをよじらせながら未知なる快楽に身をよじらせ小さく細やかにあえぐさまに辛抱たまらず白濁液をリリース。しっかり者の佐和子さんが学生らしく避妊をお望みゆえ途中からゴムつきファックになるものの、面積大きめ白抜き消しのケガの功名で毎回膣内射精フィニッシュっぽく見えるのはうれしい誤算。
ことさら物語性を追求せず甘ったるラヴに終始しながらも読者の欲望を上手にすくい取ることで充実した読後感をもたらすウェルメイドなストーリーテリングが冴えわたり、雑誌連載をリアルタイムで読んでいなかった俺が予期していた以上のできばえで満足です。願わくば2巻以降もお話面で変な色気を起こさずバカップルのデレデレを貫徹してもらいたいもの。
-琴の若子「らぶ・わ~く(1)」竹書房ISBN:9784812472682
話△ 抜△ 消中-大 総合△
性にオクテな新人OLが先輩社員に開発されて&デキる女上司さんが部下の本気にほだされてと2組の恋模様をパラレルで展開表題作長編9話(以下続刊)。マークなし。
前述の単行本とは会社をまたいだ同時刊行で、帯でもそれぞれの宣伝をコラボ。竹では意外にもこれが初のコミックスとなり、あとは少年画報社から出したらコンビニ売りエロ漫画誌の主要版元を制覇することになる。
すっかりこの世界での重鎮と化して通算刊行数も20冊近くになるのではと思うが、現在は前掲作も併せなんと3本同時進行と週刊誌作家並みのハイペースで作品を量産。誰にでも受容できるバランスのよいアニメ絵でもってほどよく興奮を励起するエロシーンを適宜投入という慎太郎シール誌のロール・モデルともいえる人が今回送り出すのは初挑戦というオフィスラヴもの(読み切りでは以前にもあったが)。
明朗快活ちょっとドジ&冷静沈着ちょっと不器用のWヒロインは琴の若子的黄金パターンのいちヴァリエーションで新鮮味はないものの、相方たる2人の男子にも多めにスポットを当てて悩んだり嫉妬したりの揺れる心情をていねいに描き出しているのが相違点。
そのぶん現状での濡れ場占有率はひかえめで、ことに物語のスタート時点では女子がどちらも処女のうえその開通を急かさない代償として抜きは二の次に。同じ白抜き修整でも双葉社のそれよりは配慮がありアンダーヘアや性器結合部をチラチラ見せてくれているだけに根本的なエロ度の薄さは残念。中盤以降はいい感じのアヘ顔連発&扇情的アングルの多用というこの作家の武器を徐々に披露しはじめているので、精液分泌支援装置としての活躍は次巻以降に期待しよう。
ただラストで登場のいわくありげな男女のからみ方次第ではコンビニ誌らしからぬドロドロな愛欲の応酬となりそうな気配でもあり、個人的嗜好ともあいまって同発2冊のうちでは前者に軍配。
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