-あまゆみ「M的」茜新社 ISBN:9784863492110
話○ 抜○ 消小 総合○
愛する彼の手で身体を拘束され嬲られることで女たちの欲情はいっそう燃え上がり表題作オムニバス9本。流麗な筆致で描かれるたおやかなヒロインたちがほおを紅潮させ随喜の涙を浮かべてよがりまくる光景が勃起中枢にクリティカルヒットするこの作家最新刊は通算10冊めにして黄色い楕円扱いの8th。
前世紀から活躍の大ヴェテランであり商業活動も一貫して途切れることなかった人なのだが、いっとき単行本がまったく出なかった時期があったためトータルでの刊行数はキャリアのわりに多くない。とはいえここ最近は空白期を取り戻すかのように短い間隔でのリリースが続いており、マークなしでの発刊だった前作「らぶ・れす」から今コミックスまではわずか4か月とまるで週刊連載作家のようなハイペースぶりだ。
クラシカルな少女漫画/アニメ絵のハイブリッドな絵柄はまるで女性作家と見まがうほどに繊細なタッチであり、ことに頭身高めロングヘアの和風美人を描かせると天下一品。短髪スキーの俺ですらこの人の手になる麗らかなおぐしの別嬪さんには全面降伏せざるを得ない。ごくたまに髪の色を抜いたりセミロング程度まで切りそろえたキャラも登場するのだが、あまゆみマジックがもっとも映えるのはやはり腰まで届く漆黒ツヤベタヘアっ娘。
著者あとがきで記されているように今回はおもにコミック天魔で断続的に発表されている連作のうち比較的執筆時期が新しいものを収録している。といいつつ俺は雑誌掲載作のほとんどはチェックできていないので、このシリーズについての予備知識はとても貧弱。博覧強記の住人が集い公式サイトよりはるかに詳細な情報がそろう2chのあまゆみスレを参照させてもらい知識を補完するという情けなさである。しかしながらヒロイン1人ごとに1話or数話完結の形でまとまっていて物語のぶつ切り感はほとんどなく、ところどころキャラの科白を借りて語られる世界設定を脳内で再構築すればさほど理解に苦しむこともないだろう。
ストーリーを彩る女性陣は学生バイトまたはフルタイムの従業員として主舞台であるラヴホテル兼SMクラブに勤務。必然的に18歳以上となるヒロインズ(+男の娘1名)はそろって端整なフェイスとマゾヒスティックな性癖をお持ちの典型的あまゆみキャラであり、彼女らが緊縛され言葉責めされてはハートマークを乱舞させ涙ながらにイキまくる光景をゲップが出るまで堪能できる。とりたてて嗜虐嗜好のない貴方も取り澄ました仮面を脱ぎ捨てて激しく乱れるその痴態についつい内なるS心を喚起させられるはずだ。
マークなし単行本では完全に抑圧されていたSMプレイはうっぷんを晴らすかのように全面解禁され、亀甲縛りでつるされながら三角木馬にまたがるヒロインの滑らかな肢体を乱暴にまさぐりながら言葉による辱めをオートリピート。屹立した乳首やクリトリスをコリコリ甘噛みされて全身をのけぞらせる彼女たちをこんどは肉棒高速ピストンで休む間もなく責めたてる。いくたびも絶頂に達し言葉にならない嬌声をあげながらあふれる涙で美しい顔をクシャクシャにしてアヘりまくる牝たちの胎内めがけたっぷりと愛の証を種つけだ。
個人的には慎太郎シール誌でやっているようなマイルド和姦でも充分お世話になっているのだが、愛ある緊縛がなくてなんのあまゆみよ! と力説するラヴラヴSM原理主義者にとっては前々作「悦縛のカタチ」以来となる待望のリアル・マッコイだ。この単行本が順調に売れてくれて本シリーズのみならず大量に存在する未収録作品がどんどんコミックス化されるのを熱望する次第。
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