-大見武士「月刊 哀川編集長(3)」少年画報社 ISBN:9784785935818
話○-△ 抜△ 消大 総合△
才色兼備なエロ漫画雑誌編集長とのアツアツラヴも順調なヒラ編集男子主人公だが、仕事でも彼女に見合う実績を作りたくて悪戦苦闘し……表題作長編7話(第15-21話、以下続刊)。マークなし。凛としたキャリアウーマン・哀川さんがステディな彼の前ではすっかりメロメロにとろけまくるギャップが素敵なこのシリーズもいよいよ3冊めに突入だ。
スッキリ系でいやみのないアニメ絵はあいかわらず好感度が高く、適度なディフォルメと豊かな喜怒哀楽とで年長女子もかわいらしく描いてしまう手腕はひたすらワンダフル。個人的にはもう少し年齢層を下げてティーン主体のエロを読んでみたいのだが、活躍の場がコンビニ誌ばかりなのでそちらを期待できないのは少々残念なところ。
去年7月刊行の前巻ではすわNTRモード発動かってな趣のライヴァルキャラがやけにフィーチャーされていてこの作品においては赤面必至イチャラヴだけ読みたい俺は心おだやかでなかったのだが、3巻ではそれが背景に引っこんで存分に甘エロを堪能でき満足。またトビラでの作者コメントにもあるが今回は哀川さんにJKだの巫女さんだの女教師だののコスプレをさせちゃう話がやたらと多く、単調になりがちな長編作の1on1に上手くヴァリエーションを持たせているのもさすがヴェテランならでは。
そんなわけでストーリー的な新味はもう希薄なのだが、舞台設定や脇キャラの造形などがカッチリ固められて読者にも作品世界が完全に諒解されているぶん展開はじつにスムーズ。今巻収録分ではわれらが主人公たる今井くんの職業人としてのチャレンジがじっくりページを割いて語られているが、これなどは最低限のシチュ提示+エロの組み合わせとならざるを得ない読み切りや1巻完結作品ではたどり着けない、長尺ものならではの醍醐味といえよう。
例によって濡れ場占有率は高いとはいえないものの、覚えたてのセックスに没頭し愛する男に抱かれる幸せを満喫する哀川さんのとびきりの痴態がぼくらの股間を効果的にドライヴ。すらりとした手足に魅惑の美乳を装備した完璧ボディを思う存分まさぐりながら激しく蜜壷を貫くたび甘い吐息をもらしこみ上げる快感に全身を打ち震わせる彼女の乱れっぷりに辛抱たまらず内へ外へと白濁液をマーキングだ。
てなわけで作画/作劇ともライトエロの模範ともいえる今シリーズだが、唯一心配なのは終盤に新キャラ投入でさらなる長編化への布石が打たれたかに見える部分。キャラメイクとしては間違いなく大成功の部類だけに哀川さんものでとことんまで押しきろうとする意図はわかるのだが、いろんな要素を投入していくうちシンプルなイチャラヴの構図が崩れて最後グダグダになったいくつかの先行作品たちを思い浮かべるとむやみな引き延ばしには賛成できかねる。できれば適度なところでオハナシを収拾させて傑作のままフィナーレを迎えてもらいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿