2011-08-19

今夜の次郎長三国志。

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-鶴田文学「花ひら蕩ろり」コアマガジン ISBN:9784864361316
話○ 抜○ 消極小 総合○

修学旅行の夜は男子女子入り乱れて欲望を開放前後編+いとこ同士でなりゆきH連作2本+独立短編5本+描きおろしおまけ。端整な筆致で描かれる清楚な幼女少女淑女熟女がめくるめく性の快楽にすっかり陶酔しひとしきりあえいで絶頂するさまがなんとも淫靡な作者2ndコミックスだ。
執筆スピードはけっして速い方ではないものの、大きなブランクもなくコツコツと作品を発表し地道にキャリアを積み重ねてきた人。処女単行本「好きにしていいよ?」のリリースから2年経たずに新刊発売とまずは順調なペース。
新しすぎず古すぎずのオーソドックスな一般青年誌調のタッチはデビュー当初からほぼ完成形で、今作においてもその緻密な作画は健在。ぺたっ娘からボインちゃんまでなにを描いても違和感なく受容できるのもこのプレーンな絵柄ゆえ。漫画的誇張が少ないぶんパッと見のインパクトには欠けるもののよいお仕事だ。
第2次性徴入りたての華奢な肢体からオトナの魅力いっぱいな妖艶ボディまで幅広く取りそろえの女性陣はキャラメイクも純情一直線ガールに不思議ちゃん、ツンデレっ娘にあらあらうふふ系と上手に属性を違えて多彩なニーズにお応え。俺はこれしか描けないんだ!とばかりに得意のタイプばかりをゴリ押しする漫画家も多いなか立派なことだ。ただその繊細な描線には直情型より少々ミステリアスというか一筋縄ではいかない性格のヒロインの方が似合っている感じ。
お話の方もまた地に足のついた日常志向のもの。マニアックすぎるネタ振りだとか派手なギミックだとかの助けを借りずに淡々と現代日本のありふれた愛の情景を描き出す。前作では若干見られたダーク系のネタは今回排除され穏健和姦一本やりへと昨今のコミメガらしく路線修正がなされているものの、恋愛の甘酸っぱいトキメキだとか息をのむような欲望の発露など感情の起伏は充分に仕込んでマンネリズムを予防。まあもう少しギャグ方向にはじけさせたり抑制された語り口のタガを外したりしてもと感じることはあるがとにかくウェルメイドではある。
基本的にはストーリー駆動型ゆえ濡れ場へ極端に分量を割くタイプの作家ではないものの、コアマガジンで連載枠を持つからにはエロスの追求もおこたりない。えらくイキのいい怒張を桜色に艶めく秘密の花園へガンガン叩きつけるファックは迫力充分。またスク水だのブルマだのネグリジェだの身につけたそれをあえて着たまま行為に及ぶ着衣Hが充実しているのが特色で、半脱ぎの上衣からこぼれて揺れるバストや下着ずらしてちんこを下腹部にねじこむ至福タイムを心よゆくまで堪能。
いずれの話でもセックスは女子側からの積極的な攻勢が目立ち、いきり立つ欲棒へがっついてはすばやく亀頭を舐めあげぐぽぐぽお口を上下させては先走り汁を搾取する早業にのっけから無条件降伏だ。お返しとばかりに性器どうしのランデヴーを開始すれば彼女らも間欠泉のごとくあえぎ声を発し随喜の涙を流して快感に身もだえ。ふだんの清楚な表情とは裏腹のトロトロなイキ顔を晒しながら全身をのけぞらしキツく膣内を締め上げてまたしてもザーメン大量放出だ。
飛び抜けた華やかさや説明不要のキャッチーさといった要素は希薄だけれど、適切に配置されたキャラクターと綿密に織りなされる作劇とできっちりストーリーを盛り上げる匠の技が光る。今後は巻末おまけで見られるようなフェティッシュな要素をもっと前面に押し出してもいいのではと思いつつもこの絶妙なバランス感覚は貴重なので上手に折り合いをつけてもらえれば。収録作のなかではちんまい従妹さんを2日間ですっかりエロエロに開発しちゃう「だって怖いんだもん」/「だって恋なんだもん?」連作がもっともグッときたです。

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