2011-09-15

今夜のブロンスキ・ビート。

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-大見武士「ハルコさんの新妻レシピ」リイド社 ISBN:9784845839278
話○ 抜○-△ 消大 総合○

見合いの席で互いにひと目ぼれしゴールインした最愛の奥さんにはひとつだけ困った性癖がおありで表題作長編9話+あとがき漫画。マークなし。キュートすぎる大人女性を描かせると右に出るもののない作者最新刊は今年に入ってからの第2弾だ。
他社刊行の前単行本「月刊 哀川編集長(3)」は1巻めからずっと購入しているのだが、リイド社からのコミックスはみなヒロインの年齢層が私的嗜好からははるか上方すぎてずっと敬遠していた。今回の作品もじつは初見で表紙やらキャッチコピーやらを目にした段階では「趣味じゃねえなあ」といったんスルーしたのだけれど、今日店頭サンプルを立ち読みしたら意外にも引きこまれてしまいそのままレジへゴーした次第。
この人が描くところの、適度なディフォルメをきかせた健康的なアニメ絵による頭身高めナイスバディ女子の華やかないでたちとその容姿に似合わぬ乙女ティックな言動には定評のあるところだが、今作においてもその美点は十二分に発揮されている。活躍の舞台がコンビニ誌ばかりなこともあり20代なかばからなかには40代と、現代エロ漫画としては女子の年齢がかなりの年長方向偏在であるにもかかわらず彼女らの少女らしい部分をこそむしろピックアップする特異な性格描写が熟女苦手の俺にもこの作家が受容できる大きな要因だ。
表題作のタイトル・ロールたる長髪ぱっつん美乳新妻・ハルコさんもまたこの作家得意のエロカワイイ大人ヒロインとして魅力的な味つけが施されている。いつでも主人公へラヴ全開の彼女はスキあらば彼に抱きついてセックスをおねだりし、ベッドの上だろうと玄関先だろうとお風呂だろうとおかまいなしに犯りまくりのイキまくりという超淫乱ぶり。それでいて旦那以外の男性のことは一顧だにせずひたすら彼に尽くすというエロ男子の妄想具現化みたいな性格設定がすばらしい。さじ加減を間違えれば単なる人間ダッチワイフになりかねないところを、「何十回でもしてもらいたいの」などと一途な思いを臆面もなく口にしちゃうピュアっぷりやら浮気を心配してかわいくスネたりやら読み手の経絡秘孔をあたたたたた突きまくりのキャラメイクでとびきりいとおしくしてしまうのが大見武士マジック。
物語展開の都合でとなりの人妻だの義母だのとなりゆきHは存在するものの、基本的にはハルコさんとのメイプルシロップ漬け激甘イチャラヴが全編を支配。起承転結を構成する関係でラス前にちょっとだけ波乱はあれど最後にはめでたく雨降って地固まるほのぼのエロスの殿堂だ。ゲイ風味のショップ店長や現役でラヴラヴなハルコさん父母など脇キャラの描写もイキイキしておりいち漫画作品として秀逸。
not黄色い楕円物件ゆえ濡れ場含有率はさほどでないものの各種アダルトグッズの活用により毎話多彩なエロを提供してくれる。ヴァイブや張型といった定番どころからセックス補助いすなどという奇抜なものまで取りそろえ、それらを通常のお布団から風呂場に電車内とシチュを変えて組み合わせることでさらにヴァリエーションを増加。さまざまな道具で責められ蕩けたお顔をさらしながら幾度となく絶頂に達するハルコさんの艶やかでいてかわいらしい痴態にぼくらの精巣もすっかり枯渇だ。
この人の描くカワイイ大人は好物だけどさすがに人妻はトシいきすぎ……と思っていた俺なのに、全編読みきったのちはすっかりハルコさんの魅力のとりこ。ワン・アイディアを短すぎず長すぎずきっちり1冊ぶんで収束させた構成力も評価でき、いささか間延び感のしてきた哀川編集長シリーズより完成度は上かもしれない。依然この作家には中高生エロもバンバン描いてほしいとかなわぬ願いを抱き続ける自分もこのたびは素直にシャッポを脱がせていただきます。

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