2012-04-17

今週の日本浪曼派。

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-さいだ一明「好女凌辱あはン」エンジェル出版 ISBN:9784873064192
話○ 抜○ 消極小 総合○

ドスケベ女子'sが雌の本性まる出しにしてガツガツと情交に耽溺短編全11本(うちフルカラーショート2本)。少女から熟女までもっちりボディを大いに酷使しながら肉欲におぼれだらしなくアヘりまくる光景がたまらなく淫猥な作者6thコミックスは当社からの5冊め。
前単行本「にくよくかのじょ」から1年弱と快調なペースでの刊行となるこちらはフェロモンダダ漏れ系お姉さまが射るような視線をこちらに向け挑発してくるインパクト抜群の表紙が目印だ。しかし昨日レヴュった同時発売のまひるの影郎もそうだったが、最近のエンジェル出版はまるでAVのパッケージみたくド直球なカヴァーデザインでいささか引く。まあこれくらい情欲むき出しな造りの方がアダルトショップなどの販路では強いというのは理解しているのだけれど、ファンシィな萌えに慣れた諸君には購入のハードル高そう。
ネオ劇画的リアリティと一般青年誌風のポピュラリティを兼ね備えた密度の高い絵柄はデビュー当初からすでに完成形で、同様に早くから達者な演出/構成とともにのっけから商品としてハイレヴェルだった。すでにキャリアも中堅となったいまも印象はまったく変わらず、どのページを手繰ってもていねいな仕事が光る。
熟女/人妻系を大いにフィーチャーする「エンジェル倶楽部」の誌風を反映してヒロインの年齢層は比較的高め。子供同士もの1本およびJKネタ1本を除けばみな酒も煙草もOKのお年ごろばかりだ。もとよりょぅι゙ょから経産婦までみなその年齢らしく描きこなせる作家だけにおっぱいボイーンお尻ドドーンの大人メインとなると単行本全体から濃厚な牝臭がただようかのよう。10代主体だった前作が好みだった人は涙を飲むことになるだろうが、さいだ一明の描くアダルトさんを愛好する方にはまさにこの世の天国だ。
この版元からの前作にして2つ前の「Virgin Hunt」が1冊まるまるの長尺ものだったのに対し、こちらはコアからの「にくよくかのじょ」同様のオール読み切り体制。表題が示唆するようにどちらかというと和姦よりは凌辱ものの割合が高いのだが、いかにもエンジェル出版らしい官能小説ライクにベタな堕ちものだけでなく幾重にもひねりをきかせた複雑な味わいの作品も用意され充実した読後感をもたらしてくれるのだ。いちどオチがついたと思ったらさらなる逆転を予期させてエンドとか、あるいは陥落したかに見えたヒロインが逆に主導権を握ったり、多彩な仕掛けが随所にほどこされ読み手を飽きさせない。
以前から定評のある濃厚きわまりない濡れ場はお話のライト/ダーク問わず今回も健在で、きめ細やかな質感のトーンワークに彩られた肢体をハードに活用する女体乱舞が読者の勃起中枢をダイレクトドライヴ。端整な表情をトロトロに崩し舌先でベロンと唇を舐めながら陶酔しきったメスのツラをはしたなくさらしマシンガンのごとく淫語をばらまく光景がどこまでも猥褻だ。たしかなデッサンでつむがれる3次元ティックな女体描写もおっき力アップに貢献。
たわわな乳房を大胆にさらし乱暴にそれをまさぐられるとヒロインの生い茂るジャングルもあっという間に蜜を帯び準備は万端だ。淫穴に勢いよく男根をねじこまれてたちどころに呼吸を荒げ小刻みな嬌声を発する彼女らの、その熟れたボディが暗めに塗られた画面のなかで派手にのたうつ。その間にも口やらアナルやらにも怒張をぶちこまれ、その都度悶絶し下品なヨガリフェイスをあらわにするさまはまるで獣同然だ。いよいよ甲高く咆吼しのぼりつめてゆく彼女のあらゆる開口部にたっぷりと熱い精液をぶちまけてミッションコンプリート。
この作家の描くティーンズが大好物の俺にとって今作はインハイ高めのボール球ではあるものの、緻密な作画と計算された作劇との洗練をきわめたコンビネイションの妙には脱帽せざるを得ないところ。酸いも甘いもかみ分けたオトナエロスを効率よく摂取したいときには最適の逸品だ。未体験の方もどぎつい表紙にひるまず挑戦してみればきっと新たな世界が開けるはず。もっともそんな自分は唯一の低年齢カップルもの短編(最後育っちゃいますが)「otonaごっこ」でマイサンを酷使したのだけれど。

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