-緑のルーペ「ガーデン(1)」茜新社 ISBN:9784863492981
話○ 抜◎ 消小 総合○
ネトゲのオフ会で出会った不思議な少女との初体験から主人公のまわりで人間関係が急激に変化しはじめて表題作長編9話&プロローグ&描きおろし別視点エピソード(以下続刊)。愛憎入り組んだ重厚な物語展開ときわめて扇情的なエロ演出のどちらも高いレヴェルで調和させる斯界屈指の実力派がお届けの成年向けコミック第2弾だ。
衝撃の初単行本「イマコシステム」の刊行から2年近く、その間に一般誌デビュー&コミックス発刊も果たし漫画家として順調にステップアップしている。そんななか今回は前作以上のスケールで始まった長編連載の中盤にあたる部分までを収録。したがってこのレヴュウではあえてストーリーの根幹部分にはあまり触れず総括は次巻発売時へ持ち越すつもりだ。というかここで下手にまとめ的なものを述べてもこの作家のことだから簡単にくつがえされそうで。
表紙にも登場の今作メインヒロイン・ひつじちゃんをはじめ主人公・幸太郎の通う高校が縁でつながる主要人物たちはおおむね同世代。その他主人公の年幼い従妹が今後クローズアップされてきそうな気配であるのだがいまのところは抜きの対象外だ。年相応のやや貧~やや巨の常識的なバストサイズの彼女らは強烈に性的魅力をアピールするタイプではなくむしろ高校生としては地味っぽいルックスなのだけれど、そんなヒロインたちがスウィッチの切り替わりとともにド淫乱に変貌するその落差がじつにエロティック。
ひつじちゃんに誘われるかのように関係を持った主人公は後腐れないセックスフレンドを得てガツガツとHに没頭するのだけれど、そのさなかいい雰囲気になりかけていた同級生や快い会話の応酬をくり広げていた先輩女子が彼のあずかり知らぬところで別の男の手にかかりすっかり性の快楽におぼれていた……という衝撃の展開が各話視点を交替しながら語られてゆく。もしかしたらステディな関係になれていたかも知れない女の子がまったくの別人によって肉体を蹂躙され、あまつさえ心までその連中に収奪されていくさまを克明に描き出す悪魔のごとき筆致はまさしく緑のルーペの真骨頂だ。
行為の発端こそ凌辱ぎみにスタートするものの、いったん快感を受け入れてしまえばすっかりちんこパワーに屈しだらしないイキ顔さらして女子どもよがりまくり。複数の雄どもに全部の穴を貫かれ、あるいはアブノーマルなプレイに耽溺しながら、いやがっていたはずの相手に無防備に身をゆだねしきりに種つけを懇願するほど変わり果ててしまうのだ。今巻収録分ではまだ主人公がその屈辱をはっきり見せつけられるシーンこそないものの、来たるべきその瞬間に彼の心はどす黒い絶望に覆われることだろう。とはいえそれはより深い関係へと踏みきれなかった主人公の臆病さ、本当に彼女らの心情を理解しようとしなかった浅慮さに対する報いではあるのだけれど。
すべすべまんこを強引に押し広げながら粘膜の奥へ怒張を滑りこませれば、すっかりなじんだ彼女の膣内も敏感に反応しきつい締めつけを返す。ほおを染め呼吸を荒くしながら性器どうしのバトルに没頭する彼女の瞳には主人公の面影の欠片さえももう映らない。みずから淫語をマシンガンのようにばらまき大量の擬音をBGMにしながら恥も外聞もなく膣内射精を懇願する彼女の最深部へたっぷりと白くねばつく液体を叩きつけてNTRミッション完了だ。
お話のキーポイントとなる人物は随所で顔を見せているものの、今回収録分までは彼の思惑より結果としてもたらされるセックスそれ自体を前景に押し出している感じ。よって抜きツールとしての使い勝手はいまのところ前作以上に良好であるけども、一見なんでもない描写でも終わってみるとみごとに伏線として配置されていた……というのが「イマコシステム」でも多くあったので油断もスキもない。現に今回の描きおろし漫画を読むまで主人公が毎回傷だらけだったのが不思議だったのだけど、まさかそんなバックグラウンドが仕込まれてたなんて反則だよ! てなわけで完結までにどのような仕掛けがぶちこまれるのやら楽しみでもあり恐ろしくもあり。ちなみに自分的には太眉ショート同級生・あざみさんのマーヴェラスなドエロ化ぶりにもっとも股間を活用させてもらいました。しかし彼女のよい方向への変化が主人公のおかげじゃなく別のファクターでもたらされるなんてじつに意地クソ悪い展開だよね(ホメ言葉)。
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