-あまゆみ「ラブ・とい」竹書房 ISBN:9784812479988
話○ 抜△ 消大 総合△
才色兼備の女性社長×部下男子カップルが社業のアダルトグッズ開発を名目におつきあいを深めまくり表題作長編9話+独立短編1本。マークなし。艶やかな黒髪ロングの和風淑女がセックスの快感におぼれしどけなく乱れるさまがじつに扇情的な作者最新刊はトータル11作めにして当社3冊めのコミックスだ。
黄色い楕円つきで出た前作「M的」から1年半とやや間隔が空いたものの、いっときのまったく発売がなかったころを思えばこれくらいはなんら苦痛でない。ちなみにマークなし物件としては同じ竹書房刊の「らぶ・れす」以来およそ2年ぶりとなる。最近はすっかりガチ成年向けでは描かなくなりコンビニ誌専任の人になってしまったが、執筆活動そのものは順調なようでまずは善哉。
繊細かつ優美なペンタッチで描かれるヒロインたちは流れるような長髪と涼やかな表情のヤマトナデシコが勢ぞろい。ショートヘア女子大好きっ漢の自分としては正直忸怩たるものがあるのだが、いかにも女性らしい奥ゆかしさと気品を備えた彼女らがえっちでは大胆に欲求を解放しイキまくるそのギャップがなんともたまらんですたいなのである。いまや絶滅危惧種なアナログ塗りのカヴァー絵でにっこり微笑む本作ヒロイン・源弥生さんのあでやかな笑顔に惹かれジャケ買いもやむなしというところ。
彼女のほか主人公の同僚女子の計2名が抜き担当となるタイトル・チューンのほか読み切り(主役は違うが長編のプロトタイプと言えるお話)ではJDがヒロインを張るという具合に年齢的には明確に大人志向。もとよりしっとりお色気系の女子を得意とする作家なのでこのラインナップには納得だ。ただ少数精鋭のうえ濡れ場の大半は弥生さんが担い彼女以外はスポット参戦なので、表紙を見てグッとこなかった人は購入回避がベター。
グッズ企画から製造開発、営業から販売に至るまでの行程を適宜ピックアップする一種の業界ものとしての展開を縦軸に、女社長弥生さん&開発担当南くんの少々ぎこちない恋愛模様を横軸に据えて物語はドライヴされてゆく。主役カップル2人がいい年こいて処女&素人童貞だったという初期設定により、「中学生日記かお前らは(作中ツッコミ)」ってな趣の甘酸っぱいラヴ・アフェアを限度いっぱい摂取だ。お手々つなぐのでさえドキドキな初々しい光景やら些細なことから心すれ違いながらも雨降って地固まるがごとく最後ふたたび熱く結ばれたりなどの昭和ティックな恋愛模様に終始ニヤニヤしっぱなし。
そんな2人もいざ身体を重ねればたちまち激しく燃えあがり、覚えたての快楽にすっかり耽溺しハートマークを乱舞させてよがり狂うヒロインの痴態にぼくらの息子もいきり立ちっぱなしだ。レイティングの都合で作者得意のラヴラヴ緊縛やらヒロインのマゾ心全開プレイなどは封印を余儀なくされるものの、そのぶんイチャつき純度が高まり万人に受容しやすい方向へ。また各回新しいプレイに挑戦だのコスプレしたりだの趣向を変えて長丁場をダレずに引っぱる工夫がなされているあたりはさすがヴェテラン。
カッチリしたレディーススーツの下に息づくたわわなボディを乱暴にこじ開けられたヒロインは豊満なバストをあらわにされながら執拗な愛撫を受け身もだえする。すぐさま下腹部の茂みに侵入を許し熱い肉棒をねじこまれるとたちまち随喜の涙を流しアヘりまくりだ。言葉で責められ怒張で蜜壷を貫かれて全身を痙攣させ、言語にならない嬌声をばらまきながらファイナルアクメを迎えんとする彼女の内へ外へと白くねばつく飛沫をたっぷりプレゼント。
私的嗜好からはやや年齢が高すぎ、また終盤まで膣内射精おあずけでいくらか評価はマイナスしてしまったが、流麗な作画による凛とした表情のヒロインが羞恥にほおを染め涙で顔をグシャグシャにしながら絶頂するというこの作家最大の武器はあいかわらずすばらしい。オトナなオンナのキュートな部分をたっぷり味わいたい君への最適解といえよう。
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