-東雲龍「なでしこ・すいむ」少年画報社 ISBN:9784785939182
話△ 抜○-△ 消大 総合△
就職先のスイミングスクールで高校時代の想い人と再会した主人公だけど他にも誘惑はいっぱいで……表題作長編7話(第1-7話、完結)+独立短編1本。マークなし。少女漫画系の華やかな絵柄でものされるグラマラスガールがキュートに乱れる光景がまいどすばらしすぎる作者最新単行本は新作抜き物件としての16冊めでありnot黄色い楕円エロの第3弾かつ当社からの初コミックスだ。
もとよりたいそう筆の速い人でキャリアは中堅どころながらすでに刊行件数はヴェテランクラス。そのうえ最近ではついに非エロでも単行本(原作つきではあるけれど)が出てと執筆活動は快調そのもの。今年6月下旬に発売となった前作「彼女とフェチのエロい関係」からわずか2か月少々と記憶も鮮明なうちに早くも次なる新戦力を逐次投入。
巻末収録の読み切り作品「朝までいっしょ」のみ2011年作品でタイトル・チューンはすべて今年に入ってからのクレジットと作画は最新型の東雲龍で、少女漫画/TL系の顔立ちにもっちりボディの組みあわせの基本構成はデビュー以来不変ながらも描線はすっかり流麗になり洗練の度が増した。ムダな書きこみが整理され迷いなく線が引かれたそれはあたかも上質の絹織物のごとし。
収録作の初出はいずれも慎太郎シール誌の「ヤングコミック」ということで、くり広げられる物語は必然的に甘口和姦仕様となる。昨今はコンビニ物件が続いてこの作家の本格凌辱輪姦ものをお望みの方は欲求不満を覚えるところだろうが、勢いより完成度を重視した近年の絵柄に対しては口当たりのやさしいラヴストーリーの方が相性はよろしいかも。
冒頭長編はその表題が示唆するとおり、スイミングスクールを舞台としたインストラクターやスクール会員たちのシルキーなラヴ・アフェア。水泳ネタというのはガチ成年向けでも以前にコアから出た「ニンギョヒメ」のなかでやっていて、作者的になにかこだわりがあるのかも知れない。また今回はコンビニ規制により登場人物が一律18歳以上となったことで内容もただ明るいだけのエロコメではなく大人の味わいが加わり、とりわけ中盤以降ではヒリヒリする恋のさや当てだとか修羅場めいた展開など真剣度がアップ。前半部のお気楽ハーレムっぽい雰囲気から最終的には波瀾万丈の純愛ものへと変化するという、タナボタエロスもタイマンラヴも両取りの欲ばり仕様だ。ただそのぶんどっちつかずの印象を受けるのも否定できないところで、もう数話だけ分量があればスムーズに物語の空気を移行できたと思う。
登場する女の子は主人公のあこがれの人たる主演女優・すず音さんをはじめとしてみなさん競泳水着の似合うビューティフルガールぞろい。並乳さん1名を除けばこれまた東雲龍恒例のロケットおっぱいをみなさん標準装備でヴィジュアルの破壊力は抜群だ。性格づけも王道ヒロインにフェロモンダダ漏れ系、ツンデレ風味に直球タイプと各種取りそろえで訴求対象を幅広く確保。ティーン大好きっ漢の俺的には回想シーンでの日焼けセミショートすず音さんがもっともグッとくるしこちらで本番してもらいたかったところだが、コンビニ誌鉄の掟は承知しているので涙を飲みガマン。
ちんこの慰安的には大河恋愛ドラマの様相を呈する後半部よりはお気楽女体回転寿司の序盤が本命。同業数誌のなかでもっともエロ的には穏健なヤンコミ掲載作品ゆえ濡れ場総量はかなりひかえめだが、ダイナミックな女体を景気よく押し開きみずからビッグマグナムを導いてはアンアンあえぐ光景がたまらなく淫猥だ。とりわけムチムチとはじける太もも近辺の質感は白眉で、怒張を飲みこみながらだいしゅきホールドをキメる彼女らの柔肌の妙なる感触に主人公も辛抱たまらずドピュドピュ白濁液を放ち放題。膣内射精されたその刹那トロトロのアヘ顔さらしながら絶頂に達するおにゃのこの痴態を大ゴマ使い詳細描写する。
構成上やむを得ないとはいえ自分的にももっとも好みなすず音さんのエロシーン含有率がどうしても低くなるのとよさげな女子数人がHに不参加なのがもったいなくやや採点を下げたが(作者さますいません)、本格的な恋愛譚をじっくり読ませる物語オリエンテッドな構成が精緻な作画とベストマッチ。クオリティを落とさずに量産を利かせられるという得がたい武器をこれからも最大限に生かして活躍してもらいたいものだ。
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