2012-11-04

本日の重商主義。

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-田沼雄一郎「FAT BOY FAIRYTALE」コアマガジン ISBN:9784864363952
話○ 抜○ 消極小 総合○

巨体悪臭剛毛生徒会経理が学園のトラブル収拾に奔走のついでに女生徒食いまくり長編シリーズ7話+長身爆乳先輩×短躯ショタ後輩の凸凹カップル大活躍連作3本。過剰なほどのダイナミズムに満ちた作画が印象的な作者2年半ぶりの成年向け新刊は2008年刊の過去作品「PARTICIPET」の設定を引き継いだ待望の続編だ。
ワニマガジン社より発売の前作「エロコメ」から今回はデビュー当初からの本拠地であるコアに戻っての新作リリースとなったが、まさかあの怪作「PARTICIPET」の続きが見られるとは! 掲載初出である「コミックメガストアH」はちょうど今回収録のあたりから定期購読を解除してしまったのでじつはずっと続編連載しているのを知らなかったという体たらく。いずれにせよこの作家の描いたものとしては3本の指に入るほど気に入っていたシリーズなのでまずは欣快のいたり。
少年漫画/ゲーム系の流れを汲みながらも描線の強弱を極端に強調した独特のタッチでものされるキャラクターたちはエロ漫画的典型とはほど遠いのにこれはこれでたいそう魅力的だ。現在の流行りとは大いにズレるけれど、どんなにムチャな構図でも線が死なない基礎画力の高さは見ていて胸のすくような爽快感がある。
いろんなタイプの女の子をズラリと配した表紙でわかるとおり、デカい子も低身長も爆乳もちっぱいもワイルド風味ももおしとやかも女王様もオドオド系も、どんな系統のヒロインもチャーミングに描き出す手腕は天下一品。後述するようにそれは男子側においても同様で、忌避要素ばかり集めたマイナスイメージの固まりでさえ愛嬌豊かに描いてしまうのだから脱帽するほかない。
あまりに奇怪なルックスゆえカヴァーイラストからは残念ながら排除された真の主人公・吉奈賀矛雅くんが、その童貞を捧げた相手でありご主人様的存在である才色兼備生徒会長・盾科麻綾先輩の命ずるまま予算がらみで問題を起こした部活を訪問し当事者(たいてい女部長さん)とカラダで折衝……というのが物語の基本パターン。相撲取り級の激デブぶりに加え始終汗だくで強烈な体臭を発する不潔さ加減、手足のモジャモジャな剛毛具合など、およそ女性に嫌われる要素しかないはずの吉奈賀くんが不思議なパワーを発揮して次々とJKをゴチになる1話完結数珠つなぎストーリーはまるで往年のTV時代劇のごとき爽快感だ。今回最後の方でその能力の秘密の一端が明かされたりでいくらか話は進展するものの、麻綾先輩との関係深化を含めまだまだ続きが描けそうなところで筆を置いて今後に含みを持たせている。
吉奈賀くんのアンコ型ボディが縦横無尽に暴れまわるエロシーンは得も言われぬ迫力で、ことに相方たる女性陣の多くもまた大ぶりの体躯であることからいっそう画面がうっとうしくなる。見かけどおりちんこもまた雄大な彼の体格を活かしたパワープレイに内臓の奥まで貫かれすっかり法悦の態でアホヅラさらしながらよがり狂うヒロインたちの痴態がたまらない。昨今多く取り入れられている性器結合シーンやアヘ顔描写などをやり過ぎなくらい誇張し遠慮なく叩きつける混沌と豊饒に満ちたヴィジュアルがやがて独特のビートを奏ではじめるのだ。
大量分泌された体液にまみれくっさいちんこをいとおしげにしゃぶりながらトロトロのイキ顔さらして挿入をおねだりする女子どもの淫猥な肉ヒダにたぎる怒張をゴリゴリねじこめばたちまち彼女ら全身から発汗し呼吸も荒くGo To Heaven。はしたない淫語を連発し自分から激しく腰を使って快楽を逃さずしぼり取らんと奮闘だ。休みなくくり出される寝床四十八手にいよいよ痴呆じみたツラをさらけ出し言語にならない咆吼を発しながらファイナルアクメ到達寸前となったヒロインの子宮のいちばん深いところへ鉄砲水のごときザーメンの濁流をお見舞いして長く暑苦しい性の饗宴にようやくエンドマーク。
およそ常軌を逸した主人公の容貌やこれまたフリーキーに過ぎるヒロイン造形などではなはだしく訴求対象は狭まりそうではあるものの、まるでクサヤやシュールストレミングのごとく猛烈な中毒性を持つ天下の珍味だ。わざわざ今後が気になるオチにしたからには作者も続編を描く気満々のはずで、ぜひ新シリーズの執筆にいどんでもらいたいところ。同時収録の「瞳くん」シリーズも佳作ではあるけれど、やはり吉奈賀くんの圧倒的なキャラ力(ぢから)には心底脳みそをシェイクされましたなー。あと登場の女の子のなかではショートヘアジト目求道系写真部部長・棍野陽菜さんのアートな処女散らしっぷりがなんとも壮絶でいっとうグッときましたです。

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