-ジェームスほたて「新妻のそだて方(3)」少年画報社 ISBN:9784785951214
話△ 抜△-× 消大 総合△
ギャンブル狂の妹やら嫁さんの元婚約者やら闖入者続々登場でラヴイチャ夫婦性活はペースを乱されっぱなし表題作長編4話(第15-最終話、完結)+非モテご先祖さまの運命に干渉すべく未来から送りこまれたセクサロイドが理想の彼女を見つけ出し中編3話。マークなし。未通女からすっかりエロエロへと奥さんをハイパーチューンナップの少子化対策漫画もこの巻をもっていよいよクライマックスだ。
数年前まではガチ成年誌でも執筆していたのだけれど昨今はライトエロ&一般のハイブリッド作家としてさまざまなメディアで活躍。現在進行形の連載分だけでいうともはや非エロの方が生産量が多いかも知れない。そんななか同時進行の作品中でもっとも抜き寄りだったのが本連載で、2012年5月刊行の1巻および今年初めに出た2巻に引き続いてのお目見えであり、この3巻でグランドフィナーレとなる。
本作の前に「ヤングコミック」で発表していた連載もの「愛恋千鳥」がハーレム要素混じりの多人数ヒロイン制だったのに対し、こちらは旦那さま・泰平&奥さま・ちまの糖度100%タイマンラヴに終始。いちおうかき乱し役の女性キャラが複数出てきて軽く裸をサーヴィスしたりもするのだけれど、なにせ主人公がワイフひとすじで他の穴には目もくれないという模範的すぎる結婚観をお持ちなので必然的にまんこを駆使するのもちまさん1人だけ。
さてここからはネタバレ的な記述をするので純粋に先のお話を楽しみたい人は以後このサイトから立ち去るべし。――2巻終了附近でちまさん側のファミリーが一斉に登場したりこの巻の冒頭でこんどは泰平サイドの家庭環境が明かされたりと、夫唱婦随の長尺ストーリーにもいよいよ深みが出てきたかな……というところで、本作はそれとわかるほど不自然な物語の巻きが入っていきなり最終話の受胎告知エンドへとつながる。というのも掲載誌が突如として慎太郎シール誌から本番/乳首ほぼオミットの限りなく一般寄りなシールなしライトエロ誌へと路線変更をしたおかげで、この種の物件としては比較的濃口ファックが展開される本作は誌面刷新に併せ連載終了を迫られたのだ。リニューアルの過渡期に本誌へ載った最終回はハッキリと濡れ場がおとなしくなり、そしてこの本にも収録されているその後の新作中編「俺とロボ美の7日間」は一般青年誌のお色気担当作品よりもマイルドな健全安全本番なし漫画となっている。そうかと思えば巻末著者あとがきを見るともういちどエロ度マシマシにした新連載開始の告知があったりして、この3巻だけ購入すればいかに「ヤングコミック」編集部が迷走しているかがよくわかる仕組みだ。
出版社にはおのおの事情があるだろうからふだんそういう部分には基本口出ししないのだけれど、さすがに今回は文句をたれたくなる。昨今のジェームスほたて作品としては目を見張るレヴェルでエロエロに推移していたちまさんの新婚ストーリーを突如としてぶった切られた悲しみもさることながら、諸事情で初期構想とは異なる形での終了を強いられた前連載に引き続いてのこの不運には慰めの言葉も見つからない。
近年この人は肢体描写やアヘ顔などエロシーンのヴィジュアル演出が以前に比べとんでもなくレヴェルアップしており、前半の数話は分量少なめとはいえドスケベボディを活用しまくりのちまさんの痴態を存分に楽しめる。とりわけハードに子宮を打ちつけられるたびはしたなく嬌声を発し、しきりに中田氏を懇願しては最後たっぷり白くねばつく液体をぶちこまれる種つけシーンは真っ白けの修整越しですら異様にエロっちい。それだけに最終話の腑抜けたエロや性描写抜きの後半中編を読み進める際の砂を噛むような味気なさがいっそうこたえるのだ。
いつになくグチを吐きまくってしまったが、それも昨今のジェームスほたての手になる絶品のセックス描写を思いもよらぬ形で中絶させられたことへの怒りゆえ。いずれリヴェンジとしてこんどは黄色い楕円界に復帰して問答無用のストロングエロスを存分にくり広げてもらいたいものだ。そして願わくば編集サイドにおかれましては、お抱え作家を自社の都合のみで将棋のコマよろしくぞんざいに扱うようなマネはもう止めにしていただきたく。
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