2013-09-10

今季のスリーボール拍手。

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-矢凪まさし「可愛い方でどうですか?(2)」エンジェル出版 ISBN:9784873065250
話△ 抜○-△ 消大 総合△

母娘二股状態にケリをつけるべくはじまった3人同居生活だけど結局三角関係はズルズル継続表題作長編8話(第9-最終話、完結)。マークなし。ポップでキュートな絵柄と軽快エロコメ&ドエロアヘ顔を武器に長年この業界で活躍するこの人最新刊は2013年に入って2冊めのコミックスだ。
この人の作品を自分が最初に見たのは大昔に富士美出版から出ていた「ナチュラルハイ」だったのだが、同誌が発行されていたのが90年代中盤、実際のデビューはもっと前のはずなのでそろそろ20年選手となる勘定。今世紀に入ってからは執筆の場を慎太郎シール誌のみに絞ってすっかり黄色い楕円とはごぶさたになってしまったのがちょっと悲しい。とはいえスッキリと整理された筆致で描かれるセンスのよいヴィジュアルは昔もいまもきわ立って美しく、またキャラ造形も現在までまったく古びていないのがすごいところ。
ここ数年は双葉社の雑誌にレギュラー掲載枠を持ち、コミックス換算で1~3巻分の長期連載を手がけては次回作へ移行という安定した生産サイクルをくり返している。本作も前連載作品「僕の彼女がエロい訳」終了後ただちに「アクションピザッツDX」誌上でシリーズがスタートし、今年初めに1巻を刊行してすぐさまこの2巻発売とペースはきわめて順調だ。
近作では複数ヒロインをダラダラと逐次投入してはセックス順列組み合わせというのがお約束のようになっていたのだけれど、こちらはめずらしく表紙登場の2名のみで抜きキャラを構成。主人公・秋山の同級生でいまいち思考の読めない無口不思議ちゃんJD・彩と、彼女の母親でありながら見た目ティーン同然の童顔アホ毛キュートママン・香菜の母娘コンビによるガチファック両サイド攻撃にちんこの休むヒマもなし……というのが物語のベースライン。前巻終了時にようやく母娘丼の事実を知ったのちはなし崩しに同居生活→四六時中2人と犯りまくりというHな若人のダメ妄想をそのまま具現化したようなタナボタエロス満載でお送りする。途中2人それぞれの単独Hを織りまぜつつここぞという場面ではしっかり母子ダブルでご賞味のシーンを挿入する配慮もうれしい。いちおうラスト近辺ではちょっとシリアスな雰囲気になりかけるものの、結局シメはコミカルに落としてチャンチャン。それで二股にどのように決着をつけたのかは……実際にこの単行本を読んでのお楽しみ。
この10年ばかりはひたすら明朗快活えっちばかりを描き続けているだけあり、濡れ場への移行はスムーズそのもの。コンビニ売り誌掲載作ゆえエロシーン密度はさほど高くないが、物量の不足をカヴァーしてありあまるのが矢凪まさし最大の武器である絶品イキ顔百連発。随喜の涙を浮かべよだれダラダラたれ流しつつはしたなくハートマークをまき散らしては心底気持ちよさげに絶叫するさまがたまらなくエロっちい。全身をビクつかせ言語にならない嬌声を発しながら淫乱まんこの奥底へたっぷり白濁液を注がれて彼女らファイナルアクメ。
この人の漫画はだいたい3巻完結がデフォであり今回は短めに収束した部類なので、ワラワラ女子キャラ出してきては適当につまみ食いしつつ最後ギャフンオチの矢凪まさし通常営業をお望みの方にとっては若干食い足りなさが残るかも知れない。個人的にはいつもラストがグダグダすぎて食傷していたので、登場人物を絞りこんでタイトに締めた本作の構成はむしろ好ましいと思うのだけれど。ただ今回のダブルヒロインのうちでは反則的にキュートなお母さんキャラ・香菜さんの方が好みすぎてマイペース系娘・彩ではいまいち摩擦運動がはかどらなかったのはたしか。とまれ雑誌の方ではまたすぐに新作がスタートしたようなので、そちらが単行本にまとまるのを楽しみにするとしよう。

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