-こんちき「私えっちですよ?」ワニマガジン社 ISBN:9784862692832
話○ 抜◎-○ 消中 総合○
下宿先の教え子による甘美な誘惑に屈し男性教師は彼女の豊満な肉体をむさぼり連作4本+独立短編6本。どこにでもいるような女の子たちがドエロい裏の顔をあらわにして情交に没頭する光景をヴィヴィッドに描き出す作者成年向け仕様としての2ndコミックスだ。
いちおう名義の使い分けはしているもののエロも一般も分け隔てなく二足のわらじで執筆している人で、著者公式ブログにおいてもまったく隠し立てせず両方のペンネームのお仕事が並ぶ。デビューから前単行本「おいでませにゃんにゃん」のリリースまでにはそうとう時間がかかったけれど、今回の新作は1年半と比較的短いインターヴァルでのお目見え。
少々ラフな筆致ながらセンスよく描かれる一般青年誌調の絵柄はシルキーで緻密な画面仕上げの執筆陣が並ぶ昨今の「COMIC快楽天」誌上ではやや異質な雰囲気。収録作の執筆時期が非常にばらついていた前作とは違いどの漫画も直近1、2年の間に集中的に描かれているため絵の安定感は抜群で、表紙/裏表紙のみを見ての衝動買いでもなんら落差を感じないはずだ。
今作登場の女性陣は「おいでませにゃんにゃん」より平均年齢が下がりほとんどがブラウスやスパッツの似合うハイスクールガール。巻末著者あとがきによると「学生ものでまとめるつもり」だったとのことで、たしかに成人女性は末尾の短編「はまちーと美咲さん」1本のみ。この作家の描く妖艶アダルトさんがお好みだった方はご愁傷さまだが、青い果実大好きっ漢の自分は欣喜雀躍でございますよ。
またこんちきで特筆すべきなのがイキイキと存在感のあるキャラ造形で、テンプレ的な属性の枠に収まらない少女らの個性的な出で立ちがすばらしい。少年もかくやのスレンダーボディからむっちり爆裂グラマラス系までフォローの外見的特徴に加え、ガール・ネクスト・ドア風のいかにも身近に居そうな言動の描写がきわめてグッド。部活に熱中するものあり中二的妄想にふけるものあり自堕落に生きるものあり、多種多様なヒロインの生態がリアリティを喚起し物語に奥行きを与える。
ストーリーラインは慎太郎シール誌らしく口当たり良好の和姦エロスが主流派。しかしながら単なるイチャラヴではなくさまざまな愛のヴァリエイションを投入しており、ものによってはコンビニ誌らしからぬ不穏なアトモスフィアをかもし出すものも。たとえば冒頭の「先生…えっちですよ?」にはじまる連作などは中途から登場のサブヒロインに狂おしいまでの情欲への執着を割り振っていて、当初よりウェットな欲望の発露を見せるメインヒロインの痴態と併せ2度と平穏な日常へは戻れないセックスの隘路を描いており秀逸。その他年上女性のリードで性に開眼したり虫も殺さぬ笑顔のショタ男子に変態性癖を開発されたり勢いにまかせて初体験してみたり、思春期真っ盛りの彼氏彼女はいろんな形で性春を謳歌するのだ。
2人して汗みずくになりながら肌を重ねゴリゴリと性器どうしをこすりあわせるエロシーンは濃口というほどではないのだが、ヒロインの熱に浮かされたような科白まわしやときにその淫蕩な本性をあらわにする表情変化などのアシストを得てむやみやたらと扇情的。10代の性の煩悶を一気に叩きつける肉感的な交わりが読者の勃起中枢をダイレクトに刺戟する。
制服を脱ぎ捨て下着をはだけて彼女はみずみずしい肢体をこれ見よがしに男の目前でオープンセサミ。むせ返るような牝の匂いを発散させながらいきり立つ怒張を下腹部へくわえこむ。棍棒で打ちつけられるかのように内奥を貫かれ覚えたての快感に身をよじらせて呼吸を荒くするJKの艶姿にますますエレクチオン。シメは獣のごとく咆吼し全開運転でよがり続けるヒロインのティーンエイジまんこの最深部へザーメンの奔流をたっぷりとお見舞いだ。
イマドキの女の子の本音の部分を緻密にスケッチしつつ(まあそれとて一種の幻想だとはいえ)、10代女子がいっちょ前のオンナへと花開く変貌ぶりをも描ききる熟練の手腕はさすが一般誌兼業。現在の平均的な快楽天読者が期待するであろう作画/作劇とは明らかに違う系統ながら、彼らをその筆力のみでねじ伏せることのできる本物のプロフェッショナルだ。最近はまたエロ仕事の比率が増しているようで執筆頻度も高くなりますますありがたいところ。今回はやはり唯一の続きもの「先生…えっちですよ?」/「貴方…えっちですよ?」/「私…えっちです」/「私とえっちしてください」がなんといっても白眉で、とりわけ同シリーズ序盤で主演のむちむちソバカスっ娘・稲川香穂さんの異様にやらしいボディには無条件降伏。どうせなら表紙も彼女にすればよかったのに……。
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