-久遠ミチヨシ「あまあま*パフュメ」少年画報社 ISBN:9784785951801
話△ 抜△ 消大 総合△
美人3姉妹の営む香水専門店で働くことになった主人公は甘美な香りに包まれながら女体におぼれ表題作長編全7話&描きおろしショート後日談+独立短編1本。マークなし。コンビニ誌を舞台に執筆しながらも黄色い楕円仕様に劣らぬパワフルファックを展開する作者最新刊は抜き物件としての通算12冊めにして当社からの初お目見えだ。
今年9月に前単行本「絶対★は~れむ(6)」が出たばかりだというのにブランクはたったの3か月ですぐさま他社仕事でぼくらと再会。前述長編シリーズ以外の作品集としては2011年に竹書房より刊行の「ヒメゴトマタニティ」以来となる。著者公式サイトを参照すると今回は掲載誌の相次ぐ路線変更によって作者もだいぶ振りまわされたようで同情を禁じ得ない。
夫婦ユニットであることを公言しているこの作家、女性側が作画担当で間違いないと思うが、ハッとするような華やかな筆致の源泉はおそらくそれゆえ。それでいて野郎読者の欲望にもキッチリ寄り添った童顔巨乳系のキャラデザで股間がおそろしくいきり立つこと必至。レイティング的に18歳以上限定となるのは仕方がないところだが、それでもあどけない系もオネーサマタイプも両方用意して多彩なニーズにお応えだ。
単行本の方には初出の明記がないが、こちらは今年まれに見るほど雑誌コンセプトの迷走をくり返した「ヤングコミック」/「ヤングコミックチェリー」に載ったもの。慎太郎シール誌から本番禁止乳首禁止のほんのりお色気雑誌へマイチェンし長編連載がドカドカ終了するわ掲載作品の路線が急に変わったりするわの阿鼻叫喚な状況だったのだけれど、結局うまくいかなかったのかリニューアル前の誌面へほぼ戻るらしい。あんなのに巻きこまれてなければこの漫画もちゃんとした形でエンドロールを迎えられたものを……。
物語はいわゆる3姉妹もののヴァリエーションで、最終的には真ん中とくっつくのもこれまた王道どおり。妖艶な長女/おしとやかな次女/ハキハキ系の三女とこちらも黄金パターンだけど、最近2番目をやけにツンデレフォーマットにする作家が多いなかこっちの娘はおっとり系な味つけで個人的採点アップ。また巻末読み切り作品には幼なじみ爆乳女子を配してとゴージャスなヒロイン逐次投入にはまったく感嘆するほかない。
しかしながらこの作家の手になるレギュレイションの壁なにそれな濃厚ファックは掲載誌のダッチロールのあおりをモロに受けた格好。かなり加筆修正をほどこしたとのことだが、「絶対★は~れむ」シリーズと比較するとどうしてもエロ総量で見劣りは避けられない。また主人公の兄とすぐにでも結ばれそうになりながら長女の濡れ場がないまま終わったのは明らかに雑誌の路線変更の犠牲となったに違いなく、当初のコンセプトのままならきっとうれしはずかし4Pなどもあり得たのではと想像するたび涙涙。ただまあ特盛おっぱいが景気よくまろび出され絶品イキ顔さらしつつピュルルル中田氏されて絶頂という一連のシークエンスの最低限の部分は保持されており、単品での使用には力不足としてもスターターとしては有効活用できるかと。
今回は作品の本質以外のところで雑音が多すぎて抜きツールとしての完成度が下がってしまったが、キャッチーな作画と魅力いっぱいのキャラメイクはあいかわらずで目の保養としては大いに役立ってくれた。しかし万一にもメイン仕事の「絶対★は~れむ」が今回のような騒動に巻きこまれたら泣いても泣ききれないので、あちらの連載が無事完結するまではピザッツの編集部が変な気を起こさぬよう必死に祈り続けるとしよう。今作中ではいかにも男ウケしそうな要素てんこ盛りな長髪貞淑系メインヒロイン・乃羽よりは作中での扱いがムチャクチャ不遇だった三女のショート巨乳っ娘・莉々の方が断然好みで、彼女のエロシーンをもっと拝みつつちんこしごきたかったところ。
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