2014-05-17

今夜のスターバト・マーテル。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-けろりん「幸福荘の優しい恋人」エンジェル出版 ISBN:9784873065717
話○ 抜○-△ 消小-中 総合○

オンボロ木造アパートと地場の零細スーパーと2つの舞台を軸に明るく優しくエロっちい恋愛模様表題作オムニバスシリーズ全9本+巻頭カラーイラストギャラリー。超絶美麗ヴィジュアルと軽妙なラヴ・アフェアとがセンスよく結合したオサレでドエロいファックを堪能できる作者最新刊は新刊単行本としての6冊めにして本レーベル初の第3弾コミックスだ。なお「幸福荘」には「しあわせそう」とルビを振ります。
おもにコンビニ誌メインで活動してきて自分はしばらくなじみがなかったのだけれど、ここ最近は単行本にするときはマークつきで出してくれるようになって急に身近な存在に。今回も収録作の初出は慎太郎シール誌の「アクションピザッツスペシャル」なのだけれど、掲載時に真っ白く処理されていた局部は制限付きながらもめでたく解禁。この人に限らずピザッツの執筆陣は全部黄色い楕円仕様で出してくれればいいのに……。
ともあれ当然のようにデフォ買いしたこの新刊、一昨年11月発売の前単行本「愛だ恋だのいってないで」に引き続きマット仕上げのシックな装幀がいい感じだ。絵柄そのものは早くから完成の域に達しており、今回もメリハリの効いた描線とミューズのごとく美しい女体の造形美が光るすばらしきお筆先。こと作画の見栄えで言えば現在のエロ漫画界で屈指の人材だろう。
コンビニ売り用のレギュレイションに従い、登場する女性たちは基本的にover18専科。10代ラストからアラサー近辺まで取りそろえの彼女らの平均年齢は20代中盤あたりと、ガチ成年誌でJCやJKを見慣れた身にはそうとう高く思えるのだが、けろりん謹製のキュートな造形は年増感を必要以上に意識させないので熟女苦手の自分でも美味しくいただけるのがありがたいところ。一方で肢体描写はお歳に見合った完熟ボディが圧倒的多数で、優美に張り出した釣鐘型のビッグバストを前にして生ツバゴックン不可避。
この作家得意の、各話の登場人物たちがゆるやかにクロスしながら一大サーガを作りあげてゆくストーリー構成はむろん健在だ。既刊とのコラボは今回なく(どこかのディテイルでつながってるかも知れないが)、この単行本のなかだけで関係性が完結する仕掛け。タイトルにも挙げられているちっちゃなアパート「幸福荘」と、住人の一部が関与する生鮮スーパー「おおもりや」をメインステージにして、夫婦だの同僚だの隣人だの幼なじみだのの甘やかなラヴ模様がくり広げられる。
物語の構図としてはひとクセありそなオンナたちにどこか冴えないオトコどもが引きずられるタイプのオハナシが伝統的に多く、そんな彼女らが示す専横ぶりと濡れ場で一転しおらしく乱れるそのギャップが魅力的。ただ既刊でしばしば見られた、「悪女」や「アバズレ」と形容したくなるような強烈にエゴをむき出しにするヒロイン造形は今回影をひそめて比較的穏健な言動のキャラが増えたような(強いて言えばスーパー店長の奥さんくらい?)。そのへんを読みやすくなったと評価するか、個性が薄れたと批難するか、人によって見解が分かれるかも。
凛としたクールビューティたちがその淫らな本性をあらわにするエロシーンは突出した分量ではないけれどむやみやたらと扇情的。初々しいヴァージンさんから百戦錬磨のドスケベレディまでみなさん随喜の涙を流してよがりまくりイキまくりだ。ちんこにがっつき必死にご奉仕するわハードに腰を使うわの没頭ぶりを見せ小刻みにハートマークをまき散らしてはうわごとのように淫語マシンガンのはしたない痴態に読み手のエレクチオンも止まらない。
艶めく女体を惜しみなく活用して女たちは目前の快楽に身をゆだねる。大ぶりの乳首をいらい倒されモサモサの茂みの奥をまさぐられて早くも発情フルスロットルだ。ズボズボ音を立てて秘密の花園を貫かれ全身を打ち震わせながら絶品イキ顔を披露。日本語にならない咆吼を発し熱い飛沫をボディの内へと外へと注ぎこまれたその刹那男女2人同時TKO。
このご時世で修整が強化されたのと、いちど減少した外出しフィニッシュが今回また増えたのは俺的にうれしくない要素だが、女性陣がキュートさマシマシになりキャラメイクが親しみやすい方向へ振れてくれて相殺というところ。美麗き炸裂の作画については今回も言うことなしで、すぐれたブックデザインとともにまっこと眼福。現在の掲載媒体では難しいかも知れないが、いずれ若い娘のえっちもモリモリ描いてくれれば重畳きわまりない。このたびの収録作ではあどけない系のフェイスなのにエロスには積極的なショート巨乳ヒロインがすばらしすぎる「夏の夜のエレベーターの花子さん」/「幸福荘の花子さん」連作がたいそうよござんした。

0 件のコメント:

コメントを投稿