2014-09-19

今季の代打本塁打。

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-のぞみ侑海「メイドさんのち幼なじみ」コアマガジン ISBN:9784864366809
話○ 抜○-△ 消中 総合○

優しく美しくそして淫靡な年上メイドの柔肌に包まれながら甘く激しく愛の交歓連作2本&巻頭フルカラーショート+一緒にクラス委員をやることになった美少女と交流を深めやがて季節は過ぎ……連作2本+独立短編5本。リリカルキュート炸裂の繊細なタッチとときに甘くときにせつない恋愛模様を少女漫画そのものの筆致で謳いあげる作者およそ6年ぶりの新刊は通算4冊めのコミックスだ。なお微妙に難読なこのペンネームは「のぞみゆう」とかなを振るのが正解でございます。
現在では刊行形態が変わり誌風にもいささかの変化が生じてしまったが、1990年代前半の創刊から数年経過~ゼロ年代なかばあたりまでの「漫画ばんがいち」は男性向けエロとは思えぬほどド直球な少女漫画/ティーンズラヴ文化が誌面を支配しており、書店店頭にあってそれはそれは不思議なアトモスフィアをかもし出していたものである。そんな同誌において掲載頻度こそまばらながらまさにそのパブリック・イメージを体現していたひとりがこの作家だ。
間違いなく女性のものであろうきめ細やかなその筆致は時流に合わせ萌えテイストをも含有するようになったものの、一目見て少女漫画をルーツとしていることが明確にわかる。それも別マ/別フレ的王道ではなくてたぶん80-90年代花ゆめ/LaLa系統の、メインストリートでもなく裏通りでもなくといった空気がなんとも魅力的。このへんエロゲ調にも見えるカラー彩色の表紙絵よりはむしろ中身の白黒原稿を参照してもらった方が理解が早いので、店頭サンプルを参照できる環境でチェックするか出版社で用意の作者紹介ページを購入前に確認するのをオススメ。
今回収められた作品群はすべて2009-12年にかけばんがいち誌上に発表されたもの。年平均数本のきわめて緩慢な仕事ぶりに加えまとめる際にトータルの雰囲気に合わないと見られた作品は収録を見合わせたりするのでよけいにコミックスの発刊が遅れ、結果として6-7年に1冊という信じがたい単行本発売ペースとなっている。必然的に前作「いとこ同士」と見比べると歳月の経過によるタッチの変遷のあとがくっきり。ただ魅力的な絵のベースラインは不変だしキャリアの蓄積とともにますます洗練もされているので特段気にはならないかと。
この滑らかな筆致でものされる女性陣はハイティーン中心に上方向数名をプラスといったところだが、妙齢の大人女性であってもティーン同然の愛らしさゆえ熟女スキーにはまったく不向き。一方で胸サイズは以前よりだいぶ大ぶりになって、このあたりは野郎向けエロで描き続けているうち根強いニーズにお応えするようになったのかなあと思ったり。ほわほわさんから小悪魔ティックなのまで、はたまた内に秘めるタイプから積極派までと多岐にわたる女子連中のキャラメイクがぼくらの心とちんこを釘づけにするのだ。
くり広げられる物語もまた絵柄によくマッチした正調少女漫画ストーリー。おおむね1on1のオーソドックスなタイマンラヴの形態を採り、ことに血縁やら幼いころからの絆やらといった、あらかじめ結ばれることが約束された関係をきめ細やかな会話とともに展開させると絶妙。モノローグや変形ゴマを多用しながら登場人物たちの心情へダイレクトに踏みこむ作劇はまさに往年の花ゆめ/LaLaを読んでいるかのようで、男性作家のそれを見慣れた身には違和感もものすごいけれど同時に引きこまれずにはおれない。
キャラどうしの繊細で微妙な感情のやり取りがメインのイヴェントゆえ濡れ場はやや割を食い含有量は若干ひかえめになるものの、当初から黄色い楕円つきでのコミックス刊行を前提としているので質的には充分。昨今流行のコッテリしたトーンワークの濃密なヴィジュアルとは一線を画したプレーンなそれはしかしここぞという場面ではねっとりいやらしく描かれ読み手の劣情を効果的に励起せしめる。白い肌を羞恥と快感で赤く燃え上がらせうるんだ瞳で身もだえするヒロインズの痴態がなんとも辛抱たまらんですたい。
運命の2人は恋に落ちやがて互いの身体を求めきつく抱き合う。股間へむしゃぶりつきつたないながらもいとおしげなご奉仕を受けてたちまち第1ちんこ汁発射。すかさず反撃とばかりに前人未踏の蜜壷をご開帳し爆発寸前の暴れん棒をインサート。リアクションを確かめるようにゆっくり腰を使い内奥を突き上げるたび甘やかな強制をもらしせつなげな表情を見せる彼女を見ていっそう興奮だ。だいしゅきホールドをガッチリ極められきゅんきゅん膣内を締めつけられてまたしても怒濤のごとく熱い飛沫を子宮へ叩きつけたその刹那2人同時にテクニカルノックアウト。
かつて見せていた少女の心の光も闇も描ききるような苛烈さはいくらか影をひそめ萌えエロ風味へ迎合してきた感はあるけれど、そのぶん受容の幅も広がって抜きツールとしてはこれで正解のような。ただ個人的には景気よくまんこ見せてくれる前作と比較して一部の巨大モザイクがはなはだしく興を殺ぎわずかに評価ダウン(作者さますいません)。まあ元来モリモリ詳細性器描写をするタイプではないので大多数の人には無問題だとは思うのだけれど。収録作のなかでは、清楚な美人クラスメイトさんがじつはかつて約束を交わしたあの娘で……な「めぐる想いの戻る場所」/「めぐりめぐってなごみごころ」連作と、泣きたくなる夜にはいつもそばにいてくれる爆乳幼なじみとしっぽり濃厚エロス「冬のぬくぬく」でもって大いに我が砲身を活用した次第。

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