-桃之助「桃乳と桃尻」竹書房 ISBN:9784801950085
話○ 抜△ 消大 総合△
年上子持ち上司への必死のプロポーズを断られ傷心の主人公はどういうわけか彼女の娘とも結ばれて一気に修羅場到来前後編+独立短編7本。マークなし。コージーでアットホームな雰囲気のなか甘やかなラヴ模様を端整な筆致でもってつむいでゆく作者最新刊はえっち漫画としての通算7冊めであり当社からは初のリリースだ。ちなみに本来は今月中旬発売のものなのだけれど取り上げるのが遅れてしまい申しわけございません。
総生産量ではいくらか上手がいるかも知れないが、エロ漫画業界における登場雑誌数では現在五指に入る売れっ子ぶり(WEB配信まで入れればまた別だろうけど)。だもんで直近1年以内に刊行されたこの作家の新刊コミックスはすべて版元が違う。8月に出た黄色い楕円仕様の前単行本「むぼうび姉妹」はジーオーティー、今年4月に上梓されているマークなし物件としての前作「いちばんのこい」は少年画報社という具合。
そんなわけで前単行本からわずか2ヵ月弱と恐るべき短さでリリースされたこちらは竹書房のコンビニ売り誌「ビタマン」に掲載のものを収録。2012-14年執筆と直近の作品ばかりゆえ表紙絵と中身とのギャップもなくジャケ買いも安心だ。少女漫画由来のオーセンティックなタッチは決して最新型とはいえないもののたいそうキャッチーで好感度の高い、いかにも多くの人々に受け入れられやすいタイプのそれ。
今回は慎太郎シール誌初出ということもあって登場ヒロインはオール18歳以上。なかには思春期の子供持ちママンなんてのも存在しているが基本キュート寄りのデザインであり年長キャラでも熟女感は希薄なので、この作家がマークつき雑誌で好んで描く美味そうなJC/JKが大好物の自分もそんなに落胆せずにすむのがありがたい。ちっぱいから爆乳まで、ちんまいのから堂々としたのまで多種多様な出で立ちの彼女らはふんわりしたおぐしにきらびやかな瞳のフェミニンな造形だが、性格的には意外にお茶目だったりハキハキ元気だったりと親しみやすいガール・ネクスト・ドア系の属性付与がなされていてグッド。あと「いちばんのこい」で大量投下されていた日焼け女子も今回1名ながら存在しているので、桃之助謹製の褐色ヒロインが大好物の方には福音。加えて個人的にはそんなに重要な要素じゃないけれど、既刊同様に経産婦の人以外は今回もまたヴァージンさん勢ぞろいですよ奥さん(だれになにをいうとる)。
その気になればダークサイドのお話もやってのける人だが、今回は媒体の性質上スウィート寄りの甘えっちに特化。冒頭前後編のみ両手に花の3Pになるほかは1on1のベーシックなタイマンラヴとなる。和姦専科ということで物語進行が単調になりかねない部分はひとひねり入れたシチュの工夫で乗り切り、ヒロインの持つ少々アブノな性癖や意外な一面を目にした男性主人公が日常とのギャップに驚きつつも彼女の個性としてそれを受け入れいっそう理解が深まったところで濡れ場突入というメリハリの効いた構成はもはやヴェテラン級の手練れっぷりだ。
マークなしエロを展開の各社のうち現状もっとも制約のきつい竹書房なので、濡れ場占有率はこの作家の漫画としては低い方。とりわけ性器描写については基本真っ白けの修整がなされわずかな露出さえも許さず、そもそも結合部さえ見えないようなアングルが多用されていて自家発電に用いるのには正直つらいところだ。ただ桃之助特有の、ダイナミックに女体が躍動し派手なエフェクトを背景にヒロインがエロエロキュートにイキまくる大ゴマフィニッシュに関してはレイティングの限界ギリギリまで緻密に描写されているのが救い。凛とした美人さんが最愛の彼氏の前でだけはすっかり表情をとろけさせ汗と涙とヨダレまみれでアンアン乱れ、アクロバティックな体位でたっぷり膣内に精液注がれ絶頂のキメシーンに愚息もご満悦。
なまじガチ成年誌でくり広げる本気のハードファックがすばらしいだけにコンビニ誌のお仕事は申しわけなくも評価を辛くしてしまうのだけれど、あんまり濃いエロは受けつけなくて恋愛のちょっとした機敏を楽しみたいという向きにはむしろ好適かも知れない。美麗な作画はむろんマークの有無に関係なく高値安定だし、コミックス表題が物語るとおりまんこ詳細描写ができないぶんバストとヒップは非常にやらしく描かれているので目の保養ツールとしては申しぶんないデキだろう。こちらに収録のものだと、無防備で鈍感な爆乳イトコに恋のレッスンABC「ドキがムネムネ」と、短髪痩身ボーイッシュな同僚ちゃんを女の子らしく開花させ「青井くんと葵さん」がマイハート直撃。
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