2015-01-04

今月のラブライバー。

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-弥美津ヒロ「彼女は、僕の特殊性癖を全て受け止めてくれる。」ティーアイネット ISBN:9784887745476
話○ 抜○ 消小 総合○

事故により記憶を失ったヒロインに対し彼女からセクハラを受け続けてきた後輩男子はある決意を……前後編&後日談+論文執筆のための臨床実験と称して姉は弟の精液を搾取しまくり前後編+独立短編3本。清楚な出で立ちのガールズ&レディースが濡れ場では一転ドスケベな本性をさらけ出しハードファックに没頭する光景を逐一詳細生中継の作者最新刊はこのペンネームでの4冊めにして通算8冊めのコミックスだ。
他誌では鳳まひろの名で活躍してきたこの作家が新たな看板を背負って「COMIC Mujin」に姿を現したのが2012年のこと。以後まずは2013年春にのっけからハードエロスきわ立つTI1冊め「飼い主様になってよネッ!」で弥美津ヒロ名義での単行本デビューを飾り、その年の暮れには熱血エロ漫画業界もの「Hなマン○の作り方」を上梓、そして凌辱/純愛ジェットコースターの前単行本「淫らな膣にされたから」を去年の9月にリリースと、息もつかせぬ怒濤の刊行ペースには感嘆するほかない。他社では現在でも最初のPNのまま活動を続けており、さらには同人誌も精力的に発行してと、ことワーカホリックぶりではこの業界でも五指に入るのではなかろうかと思う。
いささかアニメ風味をまぶした一般青年誌系の絵柄はきわめてオーソドックスであり誰にでも受け入れられやすいもの。みっちり張りめぐらされた繊細なスクリーントーンとところどころテカリを入れた緻密な仕上げが美しい。かくのごとく意図的に情報量を抑えているタイプのものではない、現代エロ漫画に要求される異様なまでに高い作画密度を充分に保っている絵柄で、なおこれだけの漫画産出スピードを維持している人は他にほとんどいないのではなかろうか(おそらくはアシスタント等の手が加わっているのだとしても)。なお書店で見本閲覧できない環境の方には出版社の用意した今作および既刊サンプルページの確認をオススメ。
この端整な筆致で描かれるヒロインたちは黒髪ロングに清純フェイスの女性らしいルックスに加え、頭身高めの優美なボディラインから景気よくボヨンとビッグバストがまろび出た、なんとも美味そうなデザインだ。いわゆる萌えっぽさはやや希薄だけれど、比較的リアル寄りなタッチの執筆陣がそろうティーアイネットの社風にはジャストフィット。
前作に引き続き執筆媒体/時期の明記がなくてたいへん困るのだけれど、巻末著者あとがきを見るにこれまでとは違い同社の「COMIC MILF」に掲載された作品を収録の様子。歴史の浅い同誌だからおそらくは直近に執筆の作品ばかりのはずで、事実原稿の新旧差とかはパッと見うかがえない高値安定のクオリティだ。ただガチ熟女誌と銘打ったMILFに載ったものにしては女性陣の年齢設定が若く、下はエロ漫画ヒロインの主流であるハイティーンくらいから最年長でもせいぜい20代中盤くらいの印象。ゆえに熟れすぎの果実ばかりを摂食したいアダルトスキーの方はもの足りなく思うかも知れないが、逆にティーン大好きっ漢の自分的には忌避要素が少なくてありがたい限り。
1冊まるごとの長編が2つ続いたのちの本作では、デビュー単行本と同様に数話構成の連作+読切作品群という一般的な形態へ再び戻る。タイトルは異なるものの表紙を飾るヒロインがご主人様としてドMな彼氏のイジメ懇願にお応えし続ける実質的な表題作「君は僕の生奴会長」前後編&後日談をはじめ、姉を首尾よく誘導し動画配信生ハメへと誘いこんだはずがいつの間にか主導権を握られ……の「理系な姉キ」前後編、そして短編の3本はそれぞれ包容力抜群の義姉をだまくらかして美味しく頂戴「ニートの特技」、押しに弱すぎる爆乳女教師とブルマプレイ「特製シュークリーム」、2次元に夢中の幼なじみ男子を生身のカラダで制圧する「2.5次元の恋愛事情」と、いずれも明るく楽しくちょっとアホらしいコミカルラヴがてんこ盛り。連作2本は描きようによってはかなり陰惨な話にも、あるいはアブノーマル方向へ尖らせまくったりもできるシチュなのだが、基本ハッピーな進行と軽やかな会話のやり取りに包みながら読後感さわやかなライト変態エロコメへと仕立て上げるのだからさすが。
一方で物語展開は軽妙でもエロシーンは問答無用の特濃ストロング仕様へとカリカリチューンされるのが弥美津ヒロ漫画ならではの特徴。とりわけ前述の変態ティックな連作たちは基本ノーマルセックスの短編に比べひときわデンジャラスな雰囲気だ。どちらも目立つのは男性サイドが被虐の限りを尽くされる系のプレイで、ストッキング越しの足指でいきり立つ怒張をグリグリされたり罵詈雑言を浴びながら射精を強要されたりの壮絶な光景は好事家にとってたまらぬご褒美となることだろう。
あでやかな淑女の仮面を脱ぎ捨ててヒロインはド迫力ボディをあらわにし淫蕩な遊戯に熱中する。艶めく肢体を男の手にゆだねながら驚くべき巨根を口に含み絶品の舌技でたちまち精液搾取だ。休むいとまも与えずにこんどは自分からシャフトにのしかかりハードな摩擦運動をスタート。肉ヒダの1枚1枚を別々にドライヴさせるみたくねっとりちんこに絡みついてはキュッと締めあげる膣内の微妙な蠕動にいまにも股間は爆発しそうだ。誇り高き表情を淫乱メスイヌのアヘ顔へと変貌させてよがり狂う女王様の妙なる罵りの言葉をBGMにしながら子宮口のその奥まで到達する勢いで大量のホットザーメンをぶちまけ続け性の饗宴は止むことなし。
心理的にかなりヘヴィな物語展開で脳髄を直撃した前作とはまた別の方向で読者の欲望の深い部分をグリグリ刺戟せしめる独特の作劇と、ゴージャスな女体が画面いっぱいに乱れ飛び性器結合部をえげつなくクローズアップしながらくり広げられる怒濤のごときハードファックとの相乗効果ですっかり魂を抜かれること必定の1冊。個人的にはいっこうにショートヘア女子を主役に据えてくれないのが唯一にして最大の不満ではあるけれど、凛とした正統派美人があっけなく淫乱変化し貪欲に快楽をむさぼるすさまじきギャップが自家発電を大いにはかどるものとしてくれること疑いなし。どちらかというとMっ気薄めのつまらぬ小市民たる自分としては、冒頭連作に圧倒されつつもチョロすぎ先生のワガママボディをゴチになりガッツリ膣内射精の「特製シュークリーム」および幼なじみ女子がラバースーツ着てえっちなご奉仕「2.5次元の恋愛事情」の短編2本でおもに息子を酷使しました。

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