話○ 抜○ 消小 総合○
際限なく犯され休むいとまもなく精液を注がれ続けるヒロインは狂おしく咆吼しながらも最愛の恋人を一途に思い……長編シリーズ補完エピソード群&アフターストーリー+プロトタイプ短編1本。強姦輪姦入り乱れキチガイじみた変顔アクメ面をさらしながら肉欲に全身を支配される少女がそれでもピュアな愛を貫こうともがき苦しみ心引き裂かれる凄惨な光景を訥々と描き出す作者最新刊は通算4冊めにして当社からの第3弾コミックスだ。
まず真っ先に注意喚起しておくが、ほんわか甘口のイチャラヴなどをお求めの方は本書を絶対手に取らないこと。まあ作者の既存作品を知っていればむろんその芸風は把握しているだろうし、このタイトルや謳い文句で和姦萌えエロなどおおよそあり得ないと想像はつくと思うのだけれど、このご時世どこからクレームがつくかわからないので念のため。デビュー以来一貫して荒涼たるハードエロスを希求するこの人がまたしても送り出す愛の地獄絵図に悶絶せよ。
前単行本「絶対受精・ナマハメ少女」発売からわずか2か月と驚異的なペースでの新作リリースだが、そのように電光石火の早業が可能となったのは収録作の大半が同人誌として刊行されたものであるから。前々作長編「ラストフルベリー」シリーズの前後および行間を補完するいくつかのエピソードがまず薄い本として世に送り出され、それらアリモノに描きおろしパートを加え「ラストフルベリー決定版」と銘打って刊行されたのがこの本である。正典たる「ラストフルベリー」で語り得なかった部分をこの外典「受精願望」でカヴァーするという形態ゆえ前者を所持していないとほぼ意味がなく、2冊セットでの購入を強く推奨する次第。
一連のシリーズはしかしながら2冊通しで読もうとしても収録順はバラバラで、2つの単行本を行ったり来たりしながら読み進む形になる。比較的早いうちに絵柄の確立している作家であるので原稿のクオリティも安定していて統一感は損なわれていないとはいえ、目玉もちんこも忙しいことこのうえない。さすがにそのままでは不親切と判断したのか、作者自身による2冊分のシノプシスが漫画のなかへ割りこんで配置されているので、そちらを参照しながらエピソードを時系列順に読むのをオススメ。
ストーリーの大枠は当ブログの「ラストフルベリー」評価記事にも記したように、幼なじみ同士カップル・桐子(ひさこ)/俊一(しゅんいち)および彼らの友人・沙月(さつき)の壮絶な愛と憎しみの物語。ここへ桐子の肉体を蹂躙し怒濤の快楽堕ちへと導く大量の有象無象の男たちが逐次投入されては彼女の豊満ボディに片っぱしから種つけフルコースを遂行する仕掛け。作者自身「僕の最高のオナキャラ」と語る桐子への偏執狂的なオブセッションが物語に恐ろしいほどの熱量と圧倒的なスピード感を与えるのに貢献している。冒頭に配置された後日談において彼ら彼女らはさまざまな試練のすえ小さな幸福をつかむのだけれども、巻末のラストエピソードでは2人に忍び寄る新たな闇が示唆されまだまだ受難劇は終わる気配がない。
三糸シドはみずから生み出した運命の女・桐子を取り巻く環境を徹底的な狂気と暴力と破壊衝動まみれにすることで彼女への一途な愛を表明してみせる。最終的には桐子と俊一とがすべてを乗り越え改めて深く結ばれるとはいえ、そこへ至るまでの過程でくり広げられるのはひたすら強姦輪姦レイプ緊縛強要拘束監禁調教落書き肉便器化孕ませ堕胎のダーティセックス満漢全席。四肢切断だの殺害だの肉体に決定的なダメージを与える行為こそないものの、これら人権蹂躙フルコースが臆面もなく展開されるさまを目の当たりにしてちんこを握る前に疲労困憊しそう。ここに作者得意の、白目剥き口元をヘラヘラ歪ませてだらしなくベロ出したヒロイン変顔百面相が同時進行でマシンガン連射され、気違いじみたエロスには拍車がかかる一方だ。
悪辣な罠に落ち肉体を拘束されてヒロインは想いとは裏腹に大量の肉棒に犯され汚され孕まされをエンドレスでくり返すうち、いつしかこみ上げる快楽に身をしびれさせ快楽のしもべとなってしまう。多種多様な分泌物をまき散らし口元からはハートマークをほとばしらせてながら子宮をゴリゴリ叩く男根の衝動に身を任せよがり狂うのだ。あらゆる変態行為をあるがまま受け入れ歓喜に満ちた表情でたっぷり膣内射精をくり返され下品なアヘ顔さらし絶頂。
奇想あふれる凌辱フルコースをリビドーのおもむくまま原稿に叩きつける膨大なエネルギーの情熱には脱帽しひたすら感嘆するものの、一見の客に理解させることはハナっから考えていない錯綜した構成は明確なマイナス点であり、それらを相殺してこのお話評価。このへん読み切り主体で比較的受容しやすかった前作とは対照的なテイストだ。飲みこんで咀嚼するのは大変だけど、いちどこの作品に触れるともう君は2度と三糸シドのつむぎ出す奇妙奇天烈なアラベスクから目が離せなくなること必定。壮絶な愛と憎しみと肉欲の物語は本書を以ていったん幕引きらしくはあるのだけれど、ラストを見る限りどうにでも続けられる形態であり、桐子と俊一の前途はまだまだ波乱含み。いい加減落ちつかせてやれよと思わぬでもないのだが、この連作シリーズこそが作者の創作意欲の源泉であるようなので、なんだか桐子さんまたヒドい目に遭いそうですなあ。
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