2016-03-16

今宵のおでん横丁。

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-速野悠二「少女刑事アリス」リイド社 ISBN:9784845848560
話△ 抜○-△ 消小 総合○

養父の手で強化された肉体を武器に犯罪組織と闘う正義のヒロインはある日自分と瓜二つの少女に襲撃され拉致された先で身の毛もよだつ凌辱の限りを尽くされて……表題作長編全8話。軽快エロコメでならした作者が問答無用の特濃凌辱調教フルコースを怒濤のごとく展開の新境地開拓な最新刊は黄色い楕円つき第2弾コミックスにして当社からの初お目見えだ。なお新刊枯渇期につき先月末発売の物件を大幅に遅延しての評価記事となっておりまことに申しわけない。
冒頭で述べたように、この人は元来一般青年誌を舞台にコミカルでちょっとえっちな作品をおもに執筆しすでに10年以上のキャリアを誇るヴェテラン。しかしながら2010年代に入ってからはガチエロ雑誌にも活動の舞台を広げており、2012年には初の黄色い楕円単行本「敏感ヴァージン」をサン出版から上梓している。オーソドックスなエロ漫画誌ではなくグラヴィア混在の媒体や電子配信のもの中心に描いているらしくそのへんをチェックしていない自分はなかなか触れる機会がないのだけれど、書店店頭で本作が平積みされているのを発見しさっそく確保。
クッキリハッキリ太めの少年漫画テイストな描線を用いた健康的なタッチ、というのが従来の速野悠二作品に抱いていたイメージなのだけれど、今回は表紙/裏表紙ともずいぶんおどろおどろしくてなんだかエロ漫画みたいだ(※エロ漫画です)。よく見れば作画のベースはそんなに変わっていないのだけれど、トーンワークや表情変化に成年向け特有のコッテリ感や色艶が加わってこの分野に不可欠な淫猥な雰囲気をまとうように。このへんはグダグダ述べるよりも店頭見本なり版元提供の単行本情報ページからサンプル画像を確認してもらうのがいちばん。
一般作品でも前回の黄色い楕円本でもお話のノリはわりと明るいエロコメで推移していたのだが、その先入観でページを手繰りはじめると出現するのは180度異なる世界なので腰を抜かすこと必定。というのも今回は――背表紙や奥付には記されず最後に注記みたくコッソリ書いてあるだけなのだが――官能ラノベ「宇宙刑事アリス」(作:いわしろ)を原作とした強姦輪姦調教アヘ顔てんこ盛りの本格ダークエロスなのだ。読み進めていけば従来の速野悠二作品とはまったく異質の重苦しいアトモスフィアが横溢しており、これはたしかに別人の手が入っているのだと理解できる。
コミックス表題から想像されるとおり、本作ヒロインはパワードスーツをまとい悪を退治する正義の味方。宇宙警察機構の最年少刑事にして有能かつ美貌なスーパーガール・アリスの華々しい活躍で第1話がスタートする。しかしながらある日彼女自身と寸分違わぬ顔のリジルと名乗る少女が出現し戦いに敗れていずこかへ連れ去られてから運命は暗転。そこで出会ったのは愛する養父と生き写しの容姿ながら邪な笑みを浮かべ鬼畜の行状にいそしむ悪漢・アイゼン。卑劣な奸計により処女を奪われたアリスの前に次々と苦難が襲いかかるのだ。
出版社こそ違うがまるでKTCブランドのごとく典型的なエロピンチ&ヒロイン堕ちものネタを忠実に再現する非常にわかりやすいストーリーラインゆえ、必然的にくり広げられる濡れ場もありとあらゆる災禍がヒロインの身を灼き心ならずも快楽に目覚めさせられてゆく凌辱調教プロセスの一部始終となる。SFティックな舞台仕立てを存分に活かし妙ちくりんな性具だの超強力な媚薬だのを大量投下し、加えて中盤以降はアイゼンに反旗を翻すもただちに制圧され罰を受けるリジルと2人しての受難劇2倍盛りでエロスも大増量だ。おぞましく肉体を改造され無理やりフタナリ化ののち交合させられるわ、大勢の見知らぬ男どもに囲まれ好き勝手に肢体を蹂躙され全部の穴に精液注ぎこまれるわ、終わることなき輪姦強姦の日々に希望も尽き果てようとするが……そこからの大逆転やその後の顛末は実際に読んでのお楽しみ。
強化服をはぎ取られ豊満なボディをあらわにさせられては触手状のワイヤーを身体に這わせられ敏感な部分を執拗に責めたてられ少女は早くもはしたなく気をやる。アクメの余韻にひたるいとまもなくこんどはえげつなく屹立したシャフトで蜜壷を押し広げられ粘膜も破けようかという勢いで子宮の奥まで貫かれて絶叫。原語にならない咆吼を発し下品なアヘ顔さらけ出しながらなおも大量の男根にまみれて幾度もイカされ続けついには狂気じみた快感に全身を打ち震わせながらファイナルアクメ。
アンリアルな舞台設定をフルに活かし奇天烈なシチュでの輪姦強姦満漢全席を展開のたいそう抜きオリエンテッドな1冊。とりわけ執拗なアクメ顔百面相やドプドプと景気よく白濁を子袋へ注ぎこむ抽送感いっぱいの射精断面図は白眉。凌辱プレイの幅が広すぎて一部に私的地雷シチュが出現し抜き評価が乱高下するものの、これまでのような一般誌連載の延長的テイストとは一線を画す光景に速野悠二の本気を見た。ただ自分的には従来路線の軽妙なノリも好きなので、そーゆー系統のも並行して描き続けてくれるとありがたい。本作ヒロインのアリスは短髪活発系の造形といいウエスタンスタイルの衣服といい私的経絡秘孔直撃なので、続編だのスピンオフだのでもっとえっちな活躍を見てみたいです喃。

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