-高城ごーや「私のおしっこ不文律」ティーアイネット ISBN:9784887746053
話○ 抜○ 消小 総合○
生徒会長の発案による理不尽な布告がまかり通る学園に赴任した主人公が遭遇するさまざまな試練と黄金水と愛とそして……長編全5話。おしっこエロスの第一人者が学園を舞台にラヴとピスとが怒濤のごとく入り乱れる波瀾万丈のストーリーをくり広げる作者最新単行本は通算6冊めのコミックスだ。
キュートな作画と奇想天外なアイディアとの妙なるケミストリーを武器に活躍するこの人も、衝撃のデビュー作「にょう☆どう?」を世に問うたのが2010年のことだからいまや立派な中堅どころ。平均するとほぼ年イチペースの安定した産出体制をずっと維持し続けていて、今回も前単行本「ピス is らぶ」刊行からちょうど1年経過しての通常営業でお送りする。
キャリア初期はいささか不安定さを感じた作画もいまやすっかり洗練され、オーソドックスな一般青年誌系の絵柄にほどよいキュートネスが附加されたタッチは万人受けするもの。残念ながら目次や奥付に収録作の初出記載がないものの、ググってみたら前単行本刊行直後から2016年アタマにかけ「COMIC夢幻転生」誌上で連載した分をまとめたようだ。したがって表紙と中身の絵柄は完全互換でありジャケ買いにも支障はないけれど、万全を期すならば出版社提供の単行本紹介ページで内容見本を閲覧したのち購入可否を判断すべし。
高城ごーやの滑らかなお筆先から生み出されるヒロインたちは学園もの連載ゆえ今回は全員ハイティーン女子で占められる。まあ既刊でも中心となるのはこのへんの年齢層なので従来からの読者にはおなじみだ。お歳のレンジは極端に狭いけれどヒロイン造形はけっこうバラけていて多様なニーズにお応え。外観的には幼女と見まがうつるぺたっ娘から堂々たるラージバストの持ち主まで、性格描写としてはおっとり系あり強気っ娘あり、ビシッとした規律の鬼も破天荒な黒ギャルも用意して読者を飽きさせない職人芸だ。
雑誌初出時には「しょーすい☆憐れみっ!!」と題されシリーズ連載されたこちらは1冊まるまるの長尺もの。研究者の夢破れ女子高教師として赴任してきた主人公・上野忠保(うえのただやす)は初日から異様な光景を目の当たりにする。私立女水館学園生徒会長・徳川綱夜(とくがわつなよ)の手により制定され全校生徒に強制される「小水憐れみの令」、それはおしっこを便器に放出してはならず即座に飲尿もしくは容器に注ぎこむこと、ましてや床にこぼしたり無造作にまき散らしたりなどもってのほか、という天下の悪法であった!……という具合にキテレツな設定が第1話から炸裂だ。その他物語上の伏線や人間関係の確執はみなおしっこが密接にからんでおり作中もっとも重要なパートを担う。こういうのを思いついたとしても通常の作家ならアイディア・ノートのなかに埋もれさせるものだが、そこを一大スペクタクル長編に仕立て上げてしまうのが高城ごーやの特異な点であり他に追随を許さないところ。
1話あたり最低でも30ページ以上と大きな容量が確保され、毎回さまざまな形でラヴリィな女生徒連中とファックのタナボタエロをじっくりねっとりパノラマティックに展開。腹に一物ある反逆者たち、かつてともに遊んだ幼なじみ、生徒会長の忠実な下僕といったメンツと次々に肉体関係を結ぶのだが、それらも究極的には昔からの絆を復活させ熱い想いで結ばれる忠保&綱夜のカップル成就のための助走にすぎない。こうした一見ハーレムのようでいてその実すべては運命の2人のためにだけ作り上げられたお話である、という構図は以前からこの作家の好むところ。一歩間違えばメインヒロイン以外がぞんざいな扱いになりかねないところだが、そんな彼女らにも物語上の役割をキッチリと割り振り中盤以降の緊迫した展開や最後それらが一気に解決に向かうカタルシスへの布石として余すところなく活用するあたり漫画家としての成長を見た。
長大ページ数の利点を存分に活かした濡れ場はコッテリ濃口ヴォリューミィ。人物もエロパーツもずいぶん大きめに描かれ、ダイナミックなパースの多用で躍動感あふれるセックスを展開だ。ちんこまんこがイキイキと合従連衡する結合描写や激しく内奥を突き上げられるたび目を白黒させ随喜の涙を流し絶頂するヒロインのイキ顔百面相など各種演出がなんとも煽情的。またこの人の常で飲尿吸尿啜尿嘗尿等が興奮を高めるアペリティフとして、そして射精と放尿とがそれぞれ等価の性的絶頂として扱われており、男女2人してド派手におしっこまき散らしながら幸せいっぱいにクライマックス到達の光景をワイドな見開きで景気よく提示する。
おもむろに下腹部を露出した女の子から顔面へまたがれ彼女のお大事から直接ほとばしる尿を受け止めて早くも恍惚の態。ぷっくり充血した花びらへ屹立したシャフトをねじこんで性器どうしのハードな摩擦運動を開始する。粘膜がこすれ合ういやらしい音をBGMにトロトロのアヘ顔さらけ出し全身をのけぞらせる少女の痴態にいっそうエレクチオン。やがて日本語にならない咆吼を発し汗と涙とよだれまみれで昇りつめてゆく彼女の尿道からはひと筋のきらめく黄金水が、子宮口へピッタリ密着した亀頭からはザーメンの奔流が、それぞれ同時に噴き出し両者ダブルノックアウト。
奇抜な舞台設定をバックに気恥ずかしいほどの純愛模様を朗々と謳いあげる高城ごーやお得意のおしっこシンフォニーは今回も完奏だ。ネタバレになりかねないので詳細は省くけれど、最終話の異様なまでの盛り上がりとようやく2人それぞれの道を歩みはじめたエピローグとを目にして読んでるこっちも思わず涙ホロリですよ。題材がアレなのでキワモノ的に語られがちだが、この作家の本質はやはりベタながらも一種エモーショナルな感動を呼び起こす語りのチカラなのだなあと改めて実感した次第。登場ヒロインのなかではやはり主演女優たる徳川綱夜さんの、冷徹なふりしても隠しきれない情感の高まりっぷりがなんともたまらんですたいで、最後すっかり本音をあらわにしスキスキ連呼しながら出したり出されたりでイキまくりの彼女の痴態で大いにハッスル。
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