2017-03-11

今夜の横浜大洋銀行。

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-竹下けんじろう「Beauty Mark(3)」竹書房 ISBN:9784801957763
話○ 抜△-× 消大 総合△

まだ見ぬファム・ファタール探求の悠久なる旅路は時空を超えてはるか過去へと足跡を伸ばしそこで彼が見たものは……表題作長編6話(第13-最終話、完結)。マークなし。失った記憶を取り戻すため出会う女性をイカせ手がかりを求める主人公の永遠に続くロード・ムーヴィーにもようやく決着の作者最新刊は摩擦運動アシスト本としての通算5冊めにして本レーベルからの4thコミックスだ。
一般誌で多くの連載作品を手がけてきた大ヴェテランが満を持して商業エロ再登場を果たしたのを少し前に知った自分はいくらか出遅れはしたものの、本連載については1巻および2巻と続けて評価の俎上に。当初は巻数表示もなく連載継続も不透明だったものが物語を軌道に乗せこのたび無事完結へとこぎ着けまことに重畳。なお既刊同様に出版社公式サイト内のコミックス情報から通販案内などたどることができるので入手のご参考に。
シャープな描線でいながら女性特有の柔和な体躯の輪郭をいともたやすくつむぎ出す竹下けんじろうの熟練の筆致は本作でも十二分に発揮される。ここにエロ漫画業界内では普遍的な技法となっているお肌附近の緻密なトーンワークやおにゃのこの多彩なアクメ顔百面相などを貪欲に取り入れたヴィジュアルはなんらガチ成年向け物件に見劣りしない。反面野郎キャラの方は少年漫画っぽいハッタリの利いたルックスでこっちは作者の出自がうかがえる感じであるけれど。あとこの3巻では既刊2冊分も含め登場ヒロインたちについて作者みずからによる詳細な解説があるのもうれしい部分。
ほとんどの記憶を失った状態で目覚めた主人公「センジュ ヨシカズ」が思い出を取り返す手がかりとして「イったとき胸元に紅斑の現れる、口元にホクロのある女性」を探し求める女性遍歴をつづってゆくこのシリーズ、2巻ではその壮大なバックグラウンドの一部をかいま見せたところでいったん終わっていた。そして3巻冒頭に入るとまた1話ずつの女体攻略アラカルトに戻っているのだが、中途の第15話からは物語の集大成として一気にラストまで続く長大エピソードとなっている。むろん本作の最大のキモとなる部分ゆえ本稿では核心部分をほとんど伏せて非常にもどかしい紹介となるがひらにご容赦を。
記憶を取り戻すよすがとして異能の女性に引き合わされたセンジュはその最中のトラブルにより心を閉ざしてしまう。彼を闇から救うべくこれまでに関わり合ったヒロインたちが次々と集合し全員で彼の意識にダイヴインしともにいにしえの記憶をたどり一気にヴィジョンははるかな昔へ。回想の形で見せられる彼の壮絶な生誕の秘密、そして長じたのちの運命の邂逅と破局……センジュが本当に追い求めていた女性はいったい誰だったのか、彼の願いはかなったのか……それについては実際に貴方自身の目で確認していただきたい。
この3巻においては完全に謎解きのストーリー主導で、とりわけ後半部はほぼ抜きツールとしては使用不可。したがってちんこのお供としては前の2本を援用するほかないのだけれど、not18禁コミックスゆえ直截的な性器描写には頼れず女子連中のトロトロフェイスおよび滑らかなおっぱい&ボディ描写で心を豊かにしましょう。ほおを紅潮させ随喜の涙を流しながらこみ上げる快感に身もだえし昇りつめてゆく女子連中のはしたないイキ顔がなんとも眼福だ。
物語パートにおいて、時空をまたぎ壮大なスケールの運命の変転をダイナミックに提示する手腕は以前から定評のあるところで、この連載でもその豪腕を余すところなく見せつけてくれる。一方でエロ漫画としてはお話スタート~中盤くらいの女体回転寿司シークエンスまでが使用範囲で、謎解きがはじまって以降はやはりちんこの活用には向かなくなってしまった感が否めない(作者さままことにすいません)。しかしながら随所で見せる効果的なエロ演出はこのまま黄色い楕円専用作品にも転用できるクオリティのもので、機会があれば本作の成果を活かしガチのマークつき物件にもチャレンジしていただきたいところ。

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