-小桜クマネコ「小生意気な下半身」コアマガジン ISBN:9784866532042
話○ 抜○ 消小 総合○
性に貪欲なオンナたちがおのれの欲望のおもむくままセックスに熱中短編全9本。体幹ガッチリの肉々しいガールズ&レディースが平凡な日常から少しだけ逸脱しムワッと牝臭放ちながらケダモノじみた交合に没頭する光景をじっくりねっとり展開の作者最新刊は通算4冊めのコミックスにしてこの出版社での初お目見えだ。
この人とのファーストコンタクトはオタ書店の新刊売り場で見本を手にし思わず衝動買いした作者デビュー作「えろみつ」(2013年刊)でのこと。非常にシルキーな質感の彩色が目を惹くフルカラーコミックスのなかでモリモリハードファックがくり広げられるさまにグッと来まくったものだ。翌年リリースされた2冊めの「えろみつ 魔人覚醒篇」と併せて美味しくいただいたのだが、2016年発売の前単行本「絶頂デュエル」は店頭サンプルをチラ見してイマイチこみ上げるものがなく申しわけなくも見送り。そんなわけでじつに4年ぶりの再会となるこちら、しばらくご無沙汰しているうちどのように進化したのか興味津々ですよ。
作者名を確認し平台から1冊つかみ出してまずまっ先に心のなかに浮かんだのは「顔の描き方が変わった?」という思い。ムチムチ張りのある肢体描写は以前の記憶どおりだけど、オーソドックスなアニメ絵風味の造形はやや影をひそめている。中身を手繰り出てきたモノクロ原稿だとより顕著で、ツヤツヤのテクスチャよりは描線のザックリ感が先立つそれはエロ漫画というよりはヤンマガだのヤンジャンだの一般青年誌にでも載ってそうな雰囲気。収録作の初出を確認すると当社刊の「コミックホットミルク」/「コミックメガストアα」誌上で2015-18年にかけての掲載分となっているが、執筆時期の古いものはまだアニメティックなテイストなのに直近作になるほどそこから乖離しはじめているのだ。現在コアマガ各誌は定期購読していないのでこの作家がまさかこういう方向に進化しているとは思いもよらずのっけから衝撃でしたよ。このへんを確認するのは直接ブツにあたるのがいちばんだが、出版社公式サイト内の作者別紹介でサンプル画像を参照することも可能なのでまず一瞥すべし。
この個性的な筆致から生み出される女性陣は10代後半の女子高生からアラサー人妻までとわりかし幅広い陣容。昔はお歳を問わずみんなキュートフェイス&ビッグバストで統一みたいな感じだったけど、いまの絵だとJKはあどけなく、大人世代は艶っぽくとそれらしく描き分けられ作者の成長を実感。あといわゆる典型的な美少女/美女というより若干モブ顔っぽいタイプの女子多めなのがやけにリアル。そして単行本タイトルにあるとおり女子みなどっしりと肉置きのよい下半身を標準装備しているのが最大の特徴だ。多少ユルめかな程度のからプランパー一歩手前のどすこい系まで付き具合はさまざまながら、いわゆるモデル体型とはほど遠い現実的なプロポーションでは共通。しかしながらそのリアリティが我々により親近感を抱かせ具体的なエロスを喚起せしめるのだ。
作画以上に従来からの飛躍を感じさせたのがそのストーリー構築において。以前はファンタシー設定をそのまま暴走させた少々安直なお話運びだと感じていたのだが(作者さますいません)、全作1話完結となるこちらはいずれも地に足のついた日常生活――とくに進学校でもないスクールライフだの零細企業の業務だの家族内でのやりとりだの――を描きつつそこからふと外れ突如として横溢するヒロインたちの秘められた情欲を巧みにつむいでゆく。それは甘やかな恋人たちの逢瀬でも、はたまた見ず知らずの男どもとの刹那的な乱交でも同様だ。現代日本のどこにでも見られるような平凡なルーティンを生きている彼女らは些細なできごとをトリガーに突如としてその淫蕩な本性をむき出しにし怒濤のごとく行為に没頭しサキュバスさながらに男の精をしぼり取る。やがて至福の時間は過ぎゆっくり身体の火照りをクールダウンさせてゆくと女たちはまた退屈な日々の営みへと戻りなんでもない人生は続いてゆく。
1本あたり18-24ページの平均的なヴォリュームのなかでも巧みな構成により濡れ場総量は潤沢だ。ヒロインみな内なる欲望をたちまち解き放ちガツガツ肉食獣さながらの情交にいそしむ超積極派ばかりなので相対する男子諸君も大変。タイマンラヴでも多人数ファックでも自分から肉棒にしゃぶりつくわまんこくぱぁで挿入懇願だわのドスケベビッチぶりを発揮しては大量に精液注がれ下品きわまりないイキ顔さらして昇天するのだからたまりませんね!
ずっしり重量級ボディを自分からさらけ出し女たちは目の前の欲棒を口に含んでは巧みな舌技でただちに精液搾取。休息など許されずこんどはグイグイ下腹部を押しつけ肉ヒダを押し開いてシャフトの侵入を待機するのだ。やがてねじこまれた男根へ腰を落とし結合部をグラインドさせながら快楽享受に熱中し全身汗みずくで四方八方へ嬌声をばらまく痴態に興奮しきり。タイトに抱きつきながら汗みずくの肢体を打ち震わせうわごとのように膣内射精を懇願するヒロインのご要望どおり、最後はド淫乱まんこの最深部へ白濁の奔流を問答無用で叩きつけフィニッシュ。
独特の風合いを帯びはじめた作画と日常パート/エロシーンの鮮烈なコントラストが印象的な作劇とのコンビネイションが新たな魅力をかもし出す作者のニューステージが具現化。「男子三日会わざれば刮目して見よ」のことわざもかくやの変貌ぶりに今年いちばんビックリさせられたですよ。欲を言えばせっかく生々しい性器描写ができるのに結合断面をほとんど描いてくれないのが不満だけど、このへんは以前もそうだったので嗜好の問題としてどうしようもないのだろう。ともあれこの路線を踏襲しますます洗練させてすみやかに次回作リリースへとこぎ着けていただきたい。このたび収録のお話たちのなかでは、性欲過多な先輩女子のあふれる煩悶に主人公がちんこでお応え「夕日影」と、いい年こいて処女な自動車整備工ヒロインが元同級生相手にセックス指南を懇願の「土下座して処女卒業しました。」がフェイヴァリット物件。
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