2019-05-12

今夜の一六タルト。

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-大波耀子「おねえさまの愛と我儘と欲情と」海王社 ISBN:9784796412872
話○ 抜○-△ 消小 総合○

天然直球主人公は本社異動初日から鬼と評判の女上司とフォーリンラヴ前中後編+成田離婚直後に運命の出会いを果たしたショタ男子にヒロインは首ったけ前後編+死の淵に立つ母を前に主人公と叔母(母の妹)は2人立ちつくし前後編+自分にだけ見える押しかけ吸血鬼と犯りまくり性活前中後編。蠱惑的な年上レディースと熱く誠実に愛をはぐくんでゆくさまを流麗な作画でお届けの作者最新刊は通算8冊めにして本レーベルからの4thコミックスだ。
男性向けエロを手がける女性漫画家は昨今べつにめずらしくもなくなったけど、その数のずっと少なかったゼロ年代前半からこちらの畑で活動を続ける先駆者的な存在。近年は同業の作家・すずきみらがネームを切りこの人が作画を担当する合作ユニット・美波リンとして執筆することが増えたものの単独ペンネームでも依然描いていて、独立名義での前単行本「ヨメビッチ」のリリースから4年以上の長きにわたるインターヴァルこそ経たけれど待望のニューエスト・モデル登場ですよ。
明確に少女漫画/レディース系の流れとわかる精緻なタッチはそれでも長いこと野郎向けで活動するうちいくらかエロ漫画購買層のニーズに寄り添ってきて独特の雰囲気をかもし出している。残念ながら掲載媒体もその執筆時期も本の方にはなにひとつ情報はないのだけど、海王社特有のやる気皆無な単行本紹介は放っといて有志作成のおそろしく浩瀚なお仕事履歴を参照するに、2018-19年にかけて当版元のweb配信誌「マガジンサイベリア」掲載の作品をまとめたようだ。そういうわけで最新原稿ばかりゆえ作画の安定感も抜群でありジャケ買いも無問題。
本来は若いのも年増さんもドンと来いのオールラウンダーながら最近の作品ではすっかりアダルト志向で、しかも今回はコミックス表題で謳うとおりの年長ヒロイン専科。人外さん登場の1本を除き推定アラサー~アラフォー近辺と既刊と比べてももっとも熟女ぞろい。どちらかというとキュート寄りの絵柄ゆえ見た目極端におばちゃんティックではないとはいえ、一部キャラには目尻にうっすらシワが寄っていて老化のきざしを感じさせる。とはいえボディの方はまだまだハリのあるボンキュッボンな肢体であり、俺のような青い果実スキーでも充分にちんこ勃つですよ。
前後編/前中後編あわせて4エピソードを収録の本作コンテンツたちはいずれも年上ヒロイン×年下男子のラヴ・アフェアで統一。彼氏彼女以外の世界の多くを捨象し2人のクローズドな関係に注力する大波耀子特有のスタイルを踏襲しつつしつつその真摯なラヴ模様を訥々とつむいでゆくのだ。このへんは韓流ドラマばりに波瀾万丈ジェットコースター展開の美波リン名義作品ともっとも異なる部分で、スケールの大きな長尺ものではすずきみらの雄大なお話運びがフィットするものの、個人ペンネームではやはり彼女自身のこしらえるコンパクトな舞台のなか描かれるささやかかつ誠実なストーリーテリングこそが似つかわしい。行きずりの出会いから長年の腐れ縁まで、明朗快活ラヴありビターな後味を残すものあり、多種多様な恋のありようがウェルメイドな中編小説のごとく読み手の脳裡へ鮮やかな印象を残してゆく。
年少男子のまっすぐな愛情をオネーサマたちはその豊満な体躯で優しく受け止め慈母のごとくかき抱いては2人熱っぽく肌を重ねるのだ。1本あたり16-20ページとはいえすべてが2話/3話連作なので豊穣なストーリーに分量を割いてなおエロスは充実。凜とした大人女性が最愛の彼の前でだけは一匹のメスへと戻りだらしなく前後の穴を見せつけては汗と涙とよだれまみれでケダモノじみた行為に没頭ですよ。女盛りボディを朱に染めトロトロのイキ顔さらしつつ若いツバメの特濃ザーメンを膣内いっぱいに注がれてはしたなくファイナルアクメ。
オモテでの「デキる女」の仮面を外しステディな男子の熱烈な口づけに陶酔しながら2人して褥へダイヴイン。いまだ崩れぬ魅惑のボディラインを惜しみなく白日の下へさらしながらヤングな情熱たぎる愛撫を大人の余裕で受け止める……はずがいつしか狂おしく快楽に耽溺。すっかりただの男と女へと戻り肢体をむさぼり合いながら完熟まんこをぱっくり開きたぎる怒張をねじこまれて性器どうしの真剣勝負をスタート。激しく内奥を貫かれるたび肉食獣そのものの咆吼を発し前身をよじらせるさまが淫猥でたまらない。四肢をタイトに絡めあいながら執拗に膣内射精を懇願するヒロインのアダルトまんこの最深部めがけ怒濤のごとく白濁を叩きつけたその刹那両者ダブルノックアウト。
あまりにルックスが熟女すぎる一部のヒロインでは私的実用度がダウンしたものの、ときに甘くときに切ない愛の交歓を味わいつつドスケベボディをフル活用のストロングファックを堪能のひと粒で2度美味しい1冊。最近やっていた合同ペンネームの作品も悪くはなかったけど、やはり自分はこの人がピンで描く物語とエロスの方が肌に合うのですよ。次回作は極端に上がりすぎた女子の平均年齢がもう少しダウンすればとは思うものの、堅調なペースで作品を描き続けてくれさえすればそれがいちばん。このたび収録の物件中では、突如出会った吸血鬼女子の願いをかなえザーメン注入しまくるうちいつしか本物の愛が芽生え……の「吸血鬼はSEXがお好き」(しかししっとりした話なのにタイトルひでーな)がマイフェイヴァリットでございます。

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