-三糸シド「ドスケベ洗脳フェロモン」メディアックス ISBN:9784866746067
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
手を触れるだけでたちまち女を支配できる能力で隣家の主婦を美味しくいただいた主人公だがなんとその旦那が同じ能力持ちと知り熾烈なセックスバトルがはじまって……連作6話+独立短編2本+前々単行本収録作アナザーエピソード1本。我を忘れ派手派手しくイキ狂うド淫乱ガールズ&レディースのはしたなさすぎる行状を大量の擬音と液汁にまみれながら怒濤のごとく大量投下の作者最新刊は通算7冊めのコミックスにしてこの出版社からの初お目見えだ。
独特のシャープなタッチとあたかも全身全霊をファックシーンに叩きつけるかのような激しい作風で唯一無二の存在感を示すこの人も商業デビューからすでに10年近くとなり気がつけばいつの間にか中堅~ヴェテランの域。その間に出版社を移籍したり同人活動に注力したりと紆余曲折ありつつもしっかりキャリアを継続しているのは立派。薄い本の執筆量が尋常でないにもかかわらず商業誌もけっして長期休養などせず一定のペースを保っているのもすばらしい姿勢で、三和出版より昨春上梓された前単行本「少女肉欲痴態 -ラストフルフラワーズ-」から1年半あまりとさほど間を置くことなく新作リリースとあいなった次第。
この単行本からは版元がメディアックスへと変わったものの、現本拠地である電子配信誌「COMICオルガ」の執筆陣はその大半が以前のホームグラウンドである「COMICマショウ」(三和出版刊)からのキャリーオーヴァーであることから、おそらくは編集者の転職にともなって担当作家ごと移籍した形になったのだろう。それが証拠に今回の新刊をよく見るとデザイナーも三和時代そのままで装幀の印象がまったく変わらない。なによりも収録作の初出がオルカ掲載分よりマショウに載ったものの方が多いのだからこりゃミエミエですね。ともあれ2017-19年にかけ執筆の最新原稿ばかりゆえクオリティも高値安定。編集を担当する一水社が用意したコミックス情報ページでは表紙/裏表紙の画像しか見られないものの、カヴァーと中身の乖離はほとんどないのでジャケ買いしても失望するようなことはないはず。
これまではおおむねハイティーン巨乳女子でヒロインの造形が固定されていたのだけど、ここ2、3年は薄い本でも雑誌でも人妻を題材にすることが突如として増え、この新刊でも冒頭連作のメインヒロインは妙齢のママン。後半の短編群では従来どおりJKメインとはいえ、巻末著者あとがきを見るに昨今は人妻ネタにハマっているようで今後の作品では熟女多めになるのかも知れない。また付随して母娘丼シチュを積極的に導入するようになり、その結果ガチロリっ娘まで登場と以前のティーン一本槍を思えばまさにカオスだ。まあ年齢を問わずいざ彼女らが本番突入したらこぞって下品きわまりないアヘ顔百面相を披露することに変わりはないんですけどね。
これまでに三糸シドが世に送り出したプロダクトは雑誌でのオーソドックスな作品群および同人/商業を股にかけたライフワークたる一大NTRドラマ「ラストフルベリー」シリーズとに大別されるが、今回収録のお話たちは前者に分類される。単行本によっては事前に膨大な予習が必要となることもあるけれどこちらは基本初見でも問題なく理解できるつくりなのでその意味では取っつきのよろしい部類。触れただけで女をメロメロにする特殊能力持ちの主人公が隣家の女性たちを支配下に置こうとするも同じスキルの持ち主たるその家の旦那と異能バトルをくり広げる「洗脳フェロモン」シリーズが冒頭からなかば過ぎまで、それ以降には組んずほぐれつの乱交をモティーフとした短編群を収録と、いずれもファック至上主義の派手派手しくダイナミックないつもの三糸シド印だ。ただ「ラストフルベリー」系列の重苦しくやるせない物語構築とは異なりこちらは悲壮感はほとんどなく、ときにはギャグ混じりの描写もあってとこの作家としてはかなりノリが軽いので、心キリキリ痛むような鬱勃起展開をお望みの方は不満を覚えるかも。個人的にはどちらの系統のお話もおもしろく読んできているのでこれはこれで歓迎なのですが。
そしてなんと言っても三糸シド作品最大のワンダーはエロシーンそれ自体。1本あたり22-28ページと潤沢ながらも極端に分量が多いわけでもないのというのに、全編息つくヒマもなく超高BPMで大量の擬音や体液が行き交うなか肌と肌をぶつけ合うように激しい情交に没頭しては理性などそっちのけでだらしなくアクメ顔さらしドプドプナマ中田氏三昧の特濃セックスマシンガン連射はいちど目にすると2度と読み手の脳裡を離れない強烈な読書体験となろう。ふだんの愛らしい笑顔などどこへやら、えげつなく白目剥きダラダラ唾液たれ流しながら突き抜ける快感に目を回しながらのアヘアヘ絶頂フェイス百面相にはますます磨きがかかり、至上の快楽に全身を打ち震わせ変顔を臆面もなく見せつけながらファナティックにイキ狂う光景はまさにこの作家の真骨頂にして誰にもマネできないストロングポイント。
謎の力ですっかり発情した女子どもは幼女も淑女もハート目トロ顔を早くもお披露目。自分から男の股間にしゃぶりついては全力ご奉仕で第1ちんこ汁を搾取だ。休むいとまもなくこんどはパックリ股を開き準備万端の蜜壷へシャフトを沈めてゆき性器どうしの真剣勝負をスタート。激しくストロークを刻まれるたびだらしなく唾液を流しながら法悦の態で四方八方へエロワードを乱射するさまが淫猥でたまらない。下品に腰を振り執拗に膣内射精を懇願する彼女の願いどおりドスケベまんこの最深部めがけ2度3度4度とくり返しザーメンの奔流をお見舞いだ。
三糸シド作品におけるエキセントリックなアヘ顔の競演は自分のつたない文章力では到底伝わるものではなくぜひ実物を見ていただきたいのだけど、ともあれまいどながらに強力無比な超高密度セックス曼荼羅にまたしても圧倒させられっぱなし。一方でストーリーラインはこの人にしてはかなりライトな仕上がりで(既刊で言うと本作にも関連短編が載っている2冊前の「ドスケベ・アプリ」が近いテイストかと)そのへんは古くからのファンにとっても評価の分かれるところだろうが、逆に従来まったくこの作家について予備知識のなかった諸兄にとっては最初のチャレンジとして好適かも。個人的には特濃ファック絨毯爆撃はともかくアダルトさん占有率がこののち増えそうなのが若干不安要素ではあるけれど、なんだかんだ言ってまた不思議な魔力に惹かれ購入してしまうのだろうな。収録作のなかではやはり実質的なタイトル・チューンたる冒頭連作が圧倒的な迫力で、幼女少女熟女連発の豪華絢爛女体アラカルトをまともに浴びてお腹いっぱい。
0 件のコメント:
コメントを投稿