2019-12-02

今宵のC定大盛り。

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-ビフィダス「情交の日々」ワニマガジン社 ISBN:9784862696793
話◎-○ 抜○ 消小 総合○

退屈な日常のなかふと心触れ合った男と女がやがて本能のまま獣に戻り熱くつがい合い短編10本&描きおろしショート後日談6本。どこにでもいるありふれた人々の織りなす特別でかけがいのない愛の輝きを一瞬の閃光のごとく鮮やかに描き出す作者最新刊は通算3冊めのコミックスにして当レーベルからの初お目見えだ。
この人について最初に知見を得たのはたしかネット上のやりとりかなにかだと思ったのだけど、きちんとした形でエロ漫画作品を読んでからはその唯一無二の物語世界のとりことなり以後鉄板デフォ買い作家に。当初は「エンジェル倶楽部」(エンジェル出版刊)を拠点に商業作品を発表していたのだけどさほど間を置かず平行して当版元の「COMIC失楽天」でも掲載がはじまってこちらの物件がまとまるのを楽しみにしていた。そんなわけでエンジェル出版から去年夏に上梓された前単行本「イビツな愛の巣」から1年ちょっとでこの新作リリースとさほど待たされずに再びビフィダスワールドに耽溺ですよ。
萌えの洗礼を経たのちのエロ漫画業界ではひたすらカワイさを押し出すタイプの絵柄が全盛だけど、ビフィダスのそれはそうした潮流に真っ向から立ち向かうかのごとくオーセンティックな筆致。端整ながらもクラシカルな描線が逆に新鮮だ。ただ掲載誌の傾向を忖度してかエンクラで描いているものよりはこちらの方が微妙にキュート方向へ寄せている気がする。2017-19年にかけての失楽天掲載分に加筆修正をほどこすほか過半数の作品について短いながらも後日談を執筆とていねいに手がかけられまさに珠玉の仕上がり。なお出版社提供の単行本情報ページおよび著者公式ブログ内の発売告知記事からサンプル画像や各ショップ購入特典をたっぷりとおがめるので、この作家にはじめて触れるという初心者の方も事前にそれらを参照しておけば予習は万全。
瞳を小さく顔立ちを面長に描くこの人の絵柄だと必然的にヒロインの方も年齢高めが多くなって、人妻だの女主人だのフェロモンダダ漏れ熟女さんが中心となる。しかしながらこれもワニの社風に合わせたのかJKなど若い娘も若干名用意されていて個人的にはじつにありがたいところ。もっともお歳を問わずみなさんエクストララージバストボイーンにビッグヒップドドーンの超弩級ボディを標準装備しているのでスレンダー女子大好きっ漢の方は金輪際近寄らないよう。
ビフィダス漫画最大の魅力である、現代日本のありふれた日常の情景をバックに従えつつこちらもまたどこにでもいるような男女がくり広げる濃密な恋愛模様は出版社が違っても健在だ。オーソドックスな1on1のラヴ・アフェアを基調に据えながらそのありようはまことに多彩で、さわやかに恋を全肯定するものから将来の破綻を示唆する危うい関係まで物語のトーンも自由自在。これまたキャラメイクと同じようにエンクラ物件と比較し全体的にほんのりハッピー側に振っているように思えるのだけど、イチャラヴとかそういうありていな構図で終わらせることはしないのがこの作家の真骨頂。うるおいのない生活に疲弊しうつむきながら生きている彼ら彼女がベターハーフたる存在を互いに発見したその刹那ほの暗い日常にはまばゆい光が差し人生はたちまち総天然色の輝きを帯びる、その変化を鮮やかにとらえてみせるのがまことに巧みなのだ。かくして2人はタイトに抱き合い愛の言葉をささやきながら2度ともう離れない。
心通じ合わせたのちの2人の濡れ場はむろんストロング&ダイナミック。1本あたり16-23ページとエンクラより枠はかなりタイトになるのだけど、ストーリーテリングの妙を発揮しつつけっしてファックもおろそかにしないのはビフィダスの美点。紙からそのままヒロインのむせ返るような牝臭まで立ち上がってきそうなウェッティな肉体言語の応酬が執拗にくり広げられるのだ。ピキピキちんこ&ヒダヒダまんこが高速で摩擦し合い部屋じゅうへ体液をまき散らしながらだらしないアヘ顔さらしケダモノのごとくイキ狂う彼女らの痴態を読者の脳裡へグリグリと刻みこんでゆく。
よそよそしかった彼ら彼女らの距離は一気に縮まりまるで定められていたかのようにどちらともなく身体を寄せ合い褥へダイヴイン。ふと立ちのぼる体臭さえも興奮を励起するトリガーだ。生まれたままの姿に戻り互いの肌へむしゃぶりついては敏感な部分を刺戟し合いたちまち発情モード。すっかり受け入れ体制完了の蜜壷めがけ怒濤のごとくシャフトをねじこんで性器どうしの真剣勝負を開始だ。下品な音を立てながらこすり合わされるその部分から汗とも愛液ともつかぬ飛沫をまき散らしながら2人して交合に没頭。うわごとのように愛の言葉を交わしながら彼女の子袋の許容量いっぱいに白くねばつく液体を叩きつけたその刹那両者ダブルノックアウト。
モノクロームの世界が愛を得た瞬間鮮やかに色づくかのごとき恋の歓びとその後のめくるめく快楽の横溢とを誠実につむいでゆくまいどおなじみビフィダス印は今回も鉄板のおもしろさ。エンクラ発の2冊に比べわずかながらとはいえトーンも明るくこの作家への入門用としても好適かと。若い娘スキーな自分的にも若干ながら平均年齢の下がるこの新刊は大いに歓迎であり、いろんなタイプの顧客のためにエンクラ/失楽天の2誌執筆を今後とも続けていただければ重畳きわまりない。このたびの収録作のなかでは、フランクな関係の男子女子が練習と称し互いの肉体におぼれてゆく「耳たぶスイッチ」と、隣室のロシア人留学生とふとしたことからご飯を共にする仲となり彼女のボディも美味しくいただいて「異文化テイスト」がとくによござんした。

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