-スミヤ「オートマチック・ガール」ワニマガジン社 ISBN:9784862697363
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
それぞれ抱く想いが微妙に行き違う4人の恋の行方は……中編3話+独立短編7本+全員集合巻末描きおろしグランドフィナーレ。端整かつ透明感あふれる筆致でもって彼氏彼女の揺れる恋心と熱く激しい愛の営みとをヴィヴィッドにつむいでゆく作者最新刊は成年向け物件としての通算7冊めにして当版元からの4thコミックスだ。
現代日本エロ漫画界にあって美しい女体を描かせたら日本一(俺調べ)のこの人、ゼロ年代なかばに商業誌デビューを果たしたのち着実にキャリアを築いてゆき気がつけばそろそろヴェテランの域。けっして量産の効くタイプではないものの産出するプロダクトの高品質ぶりは折り紙つきで、一昨年夏に刊行の前単行本「Grand Hotel Life」も当ブログ選定の年間ベスト企画で2018年度第7位にランクインしたほどの逸品。そんなこの作家のニューエスト・モデルとなれば万難を排して購入せざるを得ないわけですよ。
総体としてはオーソドックスな一般青年誌系の絵柄ながら、ひときわ描線が美しく造形のセンスもハッとするほど秀逸なこのヴィジュアルはスミヤ以外の誰にも真似できないもので、キャリア初期からいまに至るまでワン・アンド・オンリーの個性をかもし出す源泉となっている。いつものように収録作の初出を確認するとすべて前作刊行直後から今年夏までの「COMIC快楽天」でまとまっており、流麗な作画の最新ヴァージョンを思う存分堪能可能だ。またワニ作品恒例の単行本情報ページからサンプル画像および各ショップ購入特典を確認できるので、あわてて本屋へおもむく前にまずそちらをチェックしておくのをオススメ。
かつて茜新社でお仕事していたときは低年齢専科だったけれど、現本拠地へ移籍してからの登場ヒロインはハイティーン~20代中盤くらいまでのゴールデンエイジ。今回1本だけ人外さんが出てくるけどまあ彼女もルックス的にはこのへんかと。爆乳とまではいかないが基本ご立派なお胸をみなさん標準装備なのでつるぺたスキーの諸兄はこの時点で回れ右推奨。前述したけどとにかくスミヤの描く女の子はボディがおそろしく綺麗で、大ぶりのバストから急激にすぼまるウエスト、そこからもういちど豊かな臀部に向けてなだらかな曲線を描くラインがため息が出るほどの美しさなのですよ。あとあくまで個人の感想なのだけど全員パイパンなのもマイちんこ的にナイス。そんな彫像の女神のような彼女らが最愛の彼に抱かれはしたなく乱れまくるさまがなんとも辛抱たまらんですたい!
スタイリッシュな絵柄にふさわしく物語の方もシックでアーバンなラヴ・アフェアで統一。前作ほどやたらと高踏的な雰囲気ではないけれど、イケメン男子女子がくり広げるメロウな恋模様に読んでるこっちの脳内にもなにやらリリカルなAORでも流れてきそうですよ。好きの矢印がそれぞれ微妙にずれた四角関係を描く連作「カタコイ×スクエア」を除くとおおむねタイマンラヴの構図で、学生同士のほほえましい恋愛から社会人のちょっと倒錯した関係まで、シリアスありコメディあり、多種多様な男女のありようにドキドキワクワクさせられるうちいつしか手繰るページがなくなるって寸法でござい。ちなみに前の本にあったNTRものは今回ゼロなので純愛大好きっ漢も安心。そして単行本最後はスミヤ作品恒例の、全作品のキャラクターが集合し彼ら彼女らのその後をザッピングで見せつつタイトル・チューンの少女の甘やかな呼び声で締めくくるハリウッド映画さながらの結末でシメ。
個人的にスミヤ作品の評価が高いのは単なるオサレなラヴ模様にとどまらずエロシーンも手抜きなくガチハードなこと。1本あたり20-24ページのわりかしコンパクトな容量のなかできっちりとストーリーパートを描いたのちのタイトな空間で遠慮会釈なくストロングエロスを詰めこんでいるのはすごい。清楚な少女や凜としたキャリアウーマンが激しい交合に我を忘れ上気しきった顔で派手派手しくイキ狂うそのギャップがたまらなく股間を刺戟するのだ。加えてどの話でもムダにゴムなどつけずきっちり生でドプドプと膣内射精フィニッシュなのもすばらしい点で、愛する男子の白濁を勢いよく子宮に注がれ絶品アヘ顔見せつけながら昇天する彼女らの痴態で我々も気持ちよくオタマジャクシを放出ですよ。
紆余曲折ありつつも想い合う気持ちを確認した2人はタイトに抱き合い褥へダイヴイン。ゆっくりと着衣を剥ぎ白磁のごとき素肌を外気にさらしながらこれからはじまる行為への期待でほおを紅潮させる。執拗な愛撫でたちまち下腹部を濡らしすっかり準備万端のそこへいきり立つ怒張をインサート。激しくストロークを刻むたび随喜の涙を流し四方八方へ嬌声をばらまきながらメスの顔さらしギュッとしがみついてくるさまがいとおしくもエロっちい。汗と涙とヨダレまみれでこみあげる快感に四肢を打ち震わせ日本語にならない咆吼を発しながら登りつめてゆくヒロインの子袋の許容量いっぱいに受胎確実特濃ザーメンの奔流をたっぷりと注入だ。
いつもながらに超絶美麗作画と問答無用ガチファックとの幸福なマリアージュをたっぷりと摂取しお腹いっぱい。ひたすら力押しでエロスをねじこむパワー型のエロ漫画もむろん美味しくいただいているのだけど、スミヤ謹製の砂糖菓子のごとく繊細なヴィジュアルでもって熱っぽいセックスをつむがれるのもまた至高のアハ体験ですよ。引き続き堅調なペースで作品を執筆してもらい薄い本でも商業作品でも洗練の極みであるこの人の漫画を読める喜びをいつまでも味わってゆきたい所存。どの作品も珠玉のエピソードですが、今回はカヴァーにも登場のアンドロイドメイドさんが小さなご主人のため真摯にご奉仕の表題作「オートマチック・ガール」と、進展なしのズボラ彼女×コマメ彼氏カップルがひょんなことでホットに初合体の「オソウジ」がとりわけお気に入り。
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