2014-02-23

本年度の三島由紀夫賞。

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-鶴田文学「ココロご褒美」コアマガジン ISBN:9784864366090
話○ 抜○-△ 消中 総合△

男性恐怖症解消の道具として姉に女装させされ女子寮に潜入した主人公のうれし恥ずかし四角関係連作3話+独立短編6本+巻末おまけ漫画。ほのぼのラヴからビターな凌辱まで多彩な愛のカタチを叙情豊かに描き出す作者最新単行本は通算4冊めにして当版元からの第3弾コミックスだ。
商業誌デビュー以来決して多産ではないもののコンスタントに執筆を続けお仕事先も複数の媒体に広がってとその活動はきわめて順調。はじめての他流試合となった2012年刊行の前作「ヒミツノ」(茜新社刊)からおよそ1年半ぶり、またコアマガジンの物件としては前々単行本「花ひら蕩ろり」以来2年半ぶりの作品集となる。
漫画的ディフォルメのあまりない一般青年誌調の絵柄は派手さこそないもののたいそう端整で見栄えもよろしく、安定した生産ペースとも併せ雑誌執筆陣に1人いるとたいへん重宝されるタイプではなかろうか。まだコミックス刊行数は少ないが絵に新旧差はなく描線は非常に安定しておりもはやヴェテラン同然の貫禄。パーソナルな情報はよくわからないのだけれど、プロとして独り立ちする以前に同人作家もしくはアシスタントとして相応のキャリアを積んでいる人なのではないかと想像しているのだがどうか。
描きおろしのおまけパートを除いた収録作品たちは2011-13年にかけてコア各誌に掲載のものを集積。もとよりどんな年齢のヒロインでも魅力的に仕上げてしまう人だが、今回はティーン固定だった前作から一転思春期入りたてガールから豊満ボディを持てあます大年増までワイドに展開。表紙/裏表紙だと若い娘オンリーに見えかねないが内実は多彩なのでそこは注意だけれど、あどけないつるぺたロリっ娘も大人の色気匂い立つ熟女もとあらゆるニーズにお応えの欲ばり仕様。
物語傾向もまたヴァリエイション豊富で、甘口イチャラヴから問答無用のガチ凌辱までおよそないものはないという趣。唯一の連作である巻頭作品「サンニンヨラヴ」をはじめ和姦優勢ではあるものの、それらもベタな展開はなるべく避け女装ネタやボディペイントなどほのかにフェティッシュな要素をぶちこみマンネリにおちいることなく読者をもてなす。また年上系ヒロインが増えたことで人妻NTRやM男子に下僕プレイ強要、喪服Hなど背徳感に満ちたマクガフィンを導入しているのも心憎い。
かくして突入のエロシーンは特殊な器具などを用いずとも自然に淫猥さがかもし出されておりグッド。ちっちゃい娘との素朴なえっちもアダルトさんとの道ならぬ関係も両方堪能できるお得な仕上がりだ。日常の清楚な出で立ちをエロメスのそれと変貌させながら瞳をうるませだらしなく唾液垂れ流しながら未曾有の快感によがり狂うヒロインの痴態がたまらない。ラヴラヴでも強姦輪姦でも最後はすっかり肉欲のとりことなり大量のハートマークを周囲にまき散らしながら絶頂だ。
初めての体験にとまどいと羞恥の表情を見せながら男根を受け入れる少女も、また火照った女体へ強引に怒張をねじこまれて屈辱に表情をゆがめる淑女も、いずれも激しく内奥を貫かれ粘膜をこすり上げられてすっかりトロけ顔。歯を食いしばり随喜の涙を流してこみ上げる衝動に耐えながらももはや陥落は間近。いよいよ感極まり獣のごとく咆吼する彼女らの内へ外へと熱い飛沫をぶちまけフィニッシュ。
あいかわらず完成度の高さでは他の追随を許さない良質の抜きツールではあるのだけれど、大好物である10代なかば女子限定エロス満載な前作に比べ今回は年長キャラが増え苦手科目の女装男子が登場し一部外出しフィニッシュが散見され鬼モザイク修整が加わってと自分的に諸々うれしくない変化があり申しわけなくもこのような採点に(作者さますいません)。もっとも消しはともかく鶴田文学の描く妖艶な大人女性を希求する向きには福音だし男の娘はむしろなによりのごほうびという好事家も多いだろうから、お好みシチュがそちら系統の方は評価5割増しでよろしいかと。前述のごとき嗜好の俺なので今回はご近所少女との疑似家族プレイから本番突入「おままごと」と、ちょいアホの子ヒロインが口車に乗せられスク水偽装未成熟ボディを美味しく頂戴されちゃう「ぬりひとえ」が最愛。

2 件のコメント:

  1. >パーソナルな情報はよくわからないのだけれど、プロとして独り立ちする以前に同人作家もしくはアシスタントとして相応のキャリアを積んでいる人なのではないかと想像しているのだがどうか。

    全くその通りでいとうえい先生のアシスタントだったのが鶴田文学先生、中山哲学先生だったりします

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  2. 匿名様

    コメントありがとうございます。
    おおっ、そういえばいとうえい先生の単行本あとがきで鶴田先生の名前を見かけたような記憶が……。すっかり失念しておりました。
    ずっと専属アシを続けておられたのだとしたら、たしかにだいぶ長いキャリアになりますなあ。
    情報提供感謝です!

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