2016-05-01

本年度の日比谷野音。

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-久遠ミチヨシ「ハンドレッドゲーム(2)」竹書房 ISBN:9784801955134
話○ 抜○-△ 消大 総合△

義妹の死の真相を知るべく潜入調査を続ける主人公は心強い味方の協力も得て徐々に核心に迫ってゆくが酷薄な悪意の存在は彼に近づくことを許さず……表題作長編6話(第9-14話、以下続刊)&描きおろしおまけ漫画2本。マークなし。登場人物たちのさまざまな思惑が入り乱れ利害が交錯する荒涼とした情景に刹那的なセックスが色を添える大河サスペンスエロスもいよいよ佳境の作者最新刊は息子慰安ツールとしての通算16冊めにして当社物件としての5thコミックスだ。
ライトエロ界を股に掛け大活躍のこの作家ユニットだが、いちばん多く単行本を出しているエンジェル出版のお仕事ではガチ黄色い楕円物件顔負けのストロングファックを展開するかたわらで竹書房では若干抜き要素を背景に退かせた変化球的作品を投入する。とくに本シリーズ連載の前に出た短編集「あなたと私は悪くない」からはライトエロとしては異色のダーク/ミステリ系のお話にシフト。まあちんこまんこをまったく見せることができないハンディを補うために他の要素をブチ込むというのは生存戦略として当然のことだろう。
現在も「ビタマン」誌上で好評連載中の本作についての概要は昨年夏発売の1巻レヴュウ時におおむね記しており、重複を避けるためにも詳細は前巻評価記事を参照いただきたい。2巻でもほとんどのキャラクターはそのままキャリオーヴァーで(1巻では写真でのみ登場の方が実物お目見えしたくらいか)、また直近原稿ばかりゆえ久遠ミチヨシ特有のゴージャス&キャッチーな造形も読み通してまったく変化はない。not18禁作品なので表紙/裏表紙でおっぱいまる出しとかM字開脚とかはできないけれど、着衣でも露骨にフェロモンがダダ漏れするみたく煽情的な絵ヅラで購買意欲をビンビン刺戟するカヴァーですね。
地方の素封家宅で命を絶った最愛の義妹・紗夜の不審な最期の謎を解き明かすべく表の仕事のかたわら奔走する我らが主人公・杉崎伊織は、豪邸の主・今井総司の後妻・美空を籠絡し前妻の子女たちとは心を通じて一歩前進。さらに現婚約者・杏の元カレ・越野まで味方に引き入れて(彼の義侠心によるものが大きいとはいえ)、いよいよアームチェア・ディテクティヴ然としてきた。しかしながらそう簡単にいかせてくれないのが久遠ミチヨシのイジワルなところで、着々と迫る病魔は伊織の行動を制約し幻影まで見せて正常な思考を奪いはじめる。今井家の御曹司・トモから情報を得た伊織は再び発作で倒れこむが、越野が代理人を引き受け行方知れずだった今井の前妻・ほのかと接触を図るのだが――というところまでが2巻。最後の方でおもいっくそ事態が急転しいよいよ死体があふれるか!?と手に汗握る展開で次巻へのヒキとなるのだが、そのいちばん美味しい部分についてはみなさま自身が手に取り読んでのお楽しみ。
ライトエロ界にあって現状もっともレイティングのキツい竹書房なので、本作の濡れ場も久遠ミチヨシ作品としては控えめ。しかしながら1話1ファックのノルマは守られているし、直截的な性器描写ができない分はこの作家得意のド迫力おっぱいをこれでもかと大盤振る舞いしヒロインズの絶品イキ顔をモリモリ投入することでカヴァー。そのほか前の巻から引き続きダンナが美空をSMティックにいたぶる蹂躙プレイも装備し万全。さらに1巻でもっぱら抜き担当をつとめた美空/杏のほか、妄想エロとはいえ紗夜との禁断兄妹えっちがおがめるのがうれしい。実際そのとき身体を重ねているのは杏なわけで彼女がダシにされている気分になるのは否めないが、久遠ミチヨシ謹製のエロボディが3人に増えてランジェリー越しの淫靡な肢体を堪能しながらハードにまぐわいガッツリ膣内射精の構図を三者三様美味しくいただきご満悦。
引き続きライトエロの範疇にとどまりガチエロ原理主義の当ブログでは相対的に採点控えめになるものの(作者さまいつもいつもすいません)、物語的にはまさにこれからメインの謎解きなので来たるべき3巻が楽しみ。どうせなら前妻ほのかさんのエロも読みたかったとかまだ餌食にならんのかい花音は!とか一部不満はあるけどそのへんも後々きっと期待に応えてくれるはず。あと巻末おまけ漫画のうち紗夜の亡霊が現世の伊織をご訪問の1本は爆笑必至で、本編のシリアスな雰囲気を一気に台なしにするアホネタ炸裂にしばし感嘆(「ばぶう!!」ってw)。抜き的には引き続き杏さんが我が最愛ヒロインで、露骨に便利遣いされたり妄想の依り代みたく扱われたりのヒドい待遇にもめげず主人公に尽くしまくる現役ナース爆乳女子って最高ですね!!

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