2016-06-08

今週の健全安全好青年。

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-丸和太郎「少女カラフル」文苑堂 ISBN:9784861172397
話△ 抜○ 消小 総合○

幼いころからの愛憎うず巻く少女2人を中心に波瀾万丈のドラマが広がり表題作シリーズ全9本(メインエピソード3話&サブヒロインズ群像エピソード6本)。繊細かつきらびやかな筆致でつむがれる極上美少女たちが織りなすピュアラヴ&ハードファックを息もつかせぬスピーディでスリリングな展開とともにお送りする作者最新刊は通算3冊めのコミックスにして本レーベルからの初見参だ。
諸般の事情で突如休刊の憂き目に遭った「COMICプルメロ」(若生出版刊)はさいわい編集&執筆陣ともほぼスライドする形で文苑堂に拾われ「コミックバベル」としてリニューアル。いまでは他社掛け持ちや別の休刊誌からの移籍組も加わりこの業界ではめずらしく活況だ。そんななかプルメロ時代からずっと生え抜きのホープとしてプッシュされ続けているのがこの人。高頻度で表紙や巻中カラーを担当し名実ともにバベルの看板作家たる彼の待望の新刊がこちらだ。なお当ブログでは評価対象外ゆえ取り上げないが、本作と同時に若生出版発行の既刊2冊(「少女ノスタルジカ」(2012年刊)/「少女ミステリカ」(2014年刊))から選り抜きの再録傑作集「少女イノセント」がリリースされているので、以前のを買いそこねた方はこの機会にぜひ確保を。
ため息が出るほどに美しく壊れもののように繊細な、キュートネス炸裂のキラキラした絵柄がデビュー作から一貫して丸和太郎最大の特徴にしてリーサル・ウェポン。ゴージャス感を前面に押し出したカラー彩色も緻密なトーンワークがほどこされた白黒原稿も眼福そのものだ。今回は直近2年以内に執筆の作品でまとまっており作画の完成度もこれまでで随一。例によって試し読みへのリンクが付属した単行本情報ページが版元から用意されているので、書店へ向かう前に参照しそのハイクオリティぶりを実感しておくのも一興。
後述するように同一の世界観と世代を共有する環境でキャラたちが生活しているので、ヒロインの年齢層もほぼハイティーン固定。丸和太郎お得意の、お歳のわりにずいぶんあどけない表情とそれとは裏腹の大人びた豊満な肢体との微妙なギャップが少女たちのコケティッシュな魅力の源泉だ。姓名どちらかに色彩をルーツとする命名が成された彼女らは髪型や目つきなどを細かく違えられ素直だったりツンツンだったり性格にも幅を持たせているもののそれらは総じて一定の枠のなかに収まり、ルックスの差異のわりには受ける印象が驚くほど似通っているのは、ヒロインかくあるべしという理想像が作者のなかに確立していてそれがどんな造形を取ろうと如実ににじみ出てくるからに違いない。
従来は読み切りもしくは短めの連作でつむがれていた物語は今回すべて一連のシリーズとして描かれ、しかもダブルヒロインを据えじっくり展開されるメインストーリー(表題作「少女カラフル」3話)と、脇キャラたちが交替で主演を張るサブエピソード(短編オムニバス6本)とを組み合わせた複雑な構成となっている。短編群のなかには舞台設定以外ほとんど関連のない話も存在するが、基本的には「少女カラフル」の2大女優・白雪沙妃(しらゆきさき)/黒峰姫子(くろみねひめこ)と級友や知り合い関係でつながり、また一部は謎のメール上人格「ノワールさん」の指示を受ける同士で、そこへ彼女らと結ばれることになる男性陣とそのうちの一部が組んでいるロックバンド「COLOR」を通じた交流を持って……という具合にキャラクターたちが密にリンクしているのだ。先にサブヒロインたちの主演エピが交互に描かれたのち、幼なじみ同士である沙妃と姫子の複雑に絡みあう思いを軸にしつつ各種の伏線が一気に解明され最終盤の「COLOR」ライヴへとなだれ込むタイトル・チューンがじっくりと語られるという意欲的な仕掛けはその試みのすべてが成功とは言えないものの(とりわけヒロインズの性急で唐突な言動にはハテナマーク)、当初バラバラに見えたピースが最後ピタッとあるべきところへ収まる爽快な読後感は長尺シリーズならではの醍醐味といえよう。
お話パートと同時進行で描かれる濡れ場は既刊同様に、赤面必至の少々大仰な科白まわしをセットにして惹かれ合う2人が熱く結ばれるまでの一部始終をダイナミックに演出だ。今回は一部に輪姦強姦ヒドい目に遭いまくり最後まで救われないキャラが存在するけれど、おおむねステディな男子ときつく抱きあい濃厚な口づけを交わしながら臆面もないラヴワードを乱射しドプドプ膣内射精三昧のストロングエロスを展開。純情可憐な少女たちが彼の腕のなかでひそやかな欲望を開花させえっちに乱れまくる光景で見てるこっちも大いに息子をしごきまくりだ。
ゆっくりと、あるいは性急に距離を縮めた2人は互いの思いを確認し熱いキスとともに生まれたままの姿で抱きあう。大ぶりのバストをじっくり愛撫され下腹部の秘密の花園をコリコリ刺戟されて少女たちは未曾有の快感に全身をのけぞらせ甘い吐息をもらすのだ。すっかり濡れぼったのをみて前人未踏の蜜壷へおもむろにシャフトをねじこんで初登頂を開始。苦痛は愛の力ですぐさま歓びへと変わり覚えたての快楽に没頭してはエロワードを乱射する彼女らの痴態にいっそう興奮。体位を変え角度を違えて性器どうし干戈を交えながらファーストアクメへ向け一直線のヒロインの未成熟まんこの最深部へたっぷりと愛の白濁を注ぎこみ処女峰攻略をパーフェクトに完遂。
ネタバレ回避でやや婉曲な記載をしたが、スケールの大きな物語設計と綿密に練られたキャラクター造形から生まれる独特のマリアージュは若干粗削りながらもなかなかに壮観だ。いつもながらド直球までにピュアな恋愛模様を謳いあげるストーリーテリングには少々引いたりもするのだけど、作者のあふれ出る本気と真摯な姿勢が随所に反映されているのは間違いない。これからもこの鮮烈な作品世界をありのまま読者の脳裡に叩きつけていただきたいもの。女性陣のなかではメイン級2名よりはサブのおにゃのこたちが好みで、なかでも「蒼穹マリオネッタ」主演のショートヘア日焼け元気っ娘・蒼星弓魅(あおほしゆみみ)ちゃんと、「翠星のエトワール」に登場の押しかけ銀髪碧眼バレリーナ・シャルロットたんがマイ経絡秘孔直撃な造形でございます。

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