2018-01-12

本日のEGメーカー。

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-榎本ハイツ「あいとかえっちとかね」コアマガジン ISBN:9784866531236
話◎ 抜○ 消小 総合○

金持ちの息子だけど愛を与えられなかった主人公とあふれる愛を周囲に振りまくヒロインとが怒濤のごとく想いをぶつけ合いラヴラヴ全開長編全9話+あとがきショート漫画。赤面必至のラヴワードが画面いっぱいに飛び交うなか汗と涙と精液まみれでイキ狂うドスケベJKの痴態を雨あられとお届けの作者最新刊は成年向け仕様としての通算5冊めだ。
ちょっとめんどくさいタイプの男子女子が2人してストレートに愛情をさらけ出し波瀾万丈のドラマをくり広げたのち本懐を遂げ大団円を迎える純度1000%のピュアラヴ長編「柳田君と水野さん」で鮮烈なデビューを飾り10年ほど前のエロ漫画シーンで一世を風靡した人。その後は別名義で並行し手がけていた一般漫画のお仕事へ主軸が移り、成年向けの創作ペースはやや緩慢に。とはいえストックはけっこう残っておりそれがいつまでも単行本化されないことの方が気になっていた。だもんで前単行本「7×1(ナナにかけるイチ)」刊行から3年以上のインターヴァルを経てようやくリリースされたこちらを目の当たりにして感涙ですよ。
オーソドックスな青年漫画系のタッチはまさにそうした媒体で活躍するだけありポップでキャッチー。今回収録作は当版元の「漫画ばんがいち」上で2013-14年にかけ掲載されたものでいくらか年月は経過したけれど、著者ブログの発売告知記事によると大幅に加筆されているとのことで描きおろしの表紙絵と中身とで印象の差異はほとんどなくジャケ買いも安心だ。例によってコアマガ公式webにある作者別紹介ページで内容サンプルを存分におがめるので、不安のある方は先にそちらを確認すべし。
今回は1冊まるごとの長尺もので抜き担当も実質ひとりなので、のっけからストーリー紹介を。雑誌初出時には「あいとかね。」のタイトルで連載されたこちら、榎本ハイツが過去に手がけてきた長編がいずれもそうであったように、相思相愛バカップルが熱烈に互いを求め合いみごと添い遂げるさまを途中波瀾万丈の試練などはさみこみながらドラマティックに展開。もちろんコンパクトな読み切り作品などもフツーに上手いのだが、やはりこの作家はこの暑苦しいほどにハイカロリーな疾風怒濤純愛模様こそが真骨頂といえよう。
資産家の御曹司という出自から金目当ての輩ばかりが近寄りすっかり人間不信な高校生・根岸隼人(ねぎしはやと)。ある日不良どもにカツアゲされている彼を颯爽と助けてくれたのは爆乳クラスメイト・戸田可憐(とだかれん)。対照的な2人はその日のうちに成り行きのまま身体を重ね、なにも信じずすべてを疑う隼人と無償の愛を全身全霊で彼に注ぎ続ける可憐との凸凹ラヴ模様はやがて真摯な恋へと発展するのだが……と大風呂敷広げまくりなおなじみ榎本ハイツ節が冒頭から炸裂ですよ。むろんこの作家のこと、そのまま平穏無事にストーリーが進行するわけはなく、すっかり心のねじくれた隼人がことあるたびに可憐へ向ける疑いの目とそのたびまぶしいほどのピュアラヴで彼を解毒する可憐の女神っぷりを随所で堪能し我々のハートも浄化されまくり。そんななか隼人の元に届いた1通のエアメールから事態は風雲急を告げ、彼を財力と強権とで支配下に置こうとする義母の悪辣な企みも加わって2人の前途にも暗雲がただよって……ハラハラドキドキのその結末はみなさま自身で見てのお楽しみだ。
終盤で別キャラとの絡みがわずかに混入するものの、単行本全体を通してほぼ全面的に濡れ場に君臨するのはむろん表紙にも登場の爆乳JK・可憐のド迫力ワガママボディ。日常パートで見せる菩薩さながらの母性愛をセックスシーンでは淫蕩なヴァンプのごとく変化させダイナミックなイキ顔百面相をお披露目だ。非エロ作品ではプレーンな作画なのにこっちの畑だとえらく肉感的になる肢体描写を駆使して榎本ハイツは科白まわしもコマ割りも非常に密度高くエロシーンを構成。とりわけ同一キャラとは思えないほど大胆に顔面崩壊させフルパワーで快感におぼれるヒロイン可憐の派手派手しいアクメフェイスはプロパーエロ漫画家のやる表現とはまた少しラインの違う独特なもので、彼女が未曾有の衝撃にグルグル目を回し全身を貫く電流のごとき情動に歯を食いしばり耐えながら絶頂するさまは圧巻。
むき出しの悪意ばかりを向けられてきたトラウマに常時悩まされる隼人を母親さながらの包容力でいつくしみ率直に愛をささやく可憐。さまざまな試練を乗り越えた2人の前には栄光のヴィクトリーラヴがあるのみ。臆面もなく両者「愛してる」を連呼しながら生まれたままの姿で抱き合いらぶらぶちゅっちゅ絨毯爆撃だ。ビッグバストの谷間に顔をうずめ大ぶりのニップルへ赤子のごとくむしゃぶりつきながら真摯な想いを実感しいっそう強く彼女を抱きしめる。しとどに濡れ受け入れ態勢万全の秘密の花園へ執拗にシャフトをねじこみ激しく内奥をこすり上げて射精をくり返すたびいろんな液体で顔をグショグショにしながら最愛の男の名前を叫び幾たびも昇りつめてゆく彼女の子袋にこんどこそ受胎確実の特濃孕み汁をぶちまけるのだ。
いっさいの打算も思惑もない、ただひたすらに相手を思う心を直射日光のように照射するヒロインの聖女さながらの言動を目の当たりにして主人公のみならず我々読者のねじくれたハートさえも浄化されること必至。ヒネた古参社会人たる自分も彼ら彼女のまっすぐすぎる純愛っぷりになんだか若き青春の日々を思い出しちゃいますね(遠い目)。昨今はまた一般連載に注力していてしばらく黄色い楕円仕事は疎遠になりそうだけど、問答無用のストーリーテラーぶりをまたいずれ見せつけてもらいたいもの。幾多のすばらしきヒロインを生み出してきた榎本ハイツがまたひとり、とびきりの愛情とあけすけなエロスとを発揮の我らが天使・戸田可憐をその系譜へ加えた記念すべき1冊。

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