-堀博昭「咲姫~家族迷宮~」クロエ出版 ISBN:9784903714851
話○ 抜◎ 消中 総合○
格安物件に入居した主人公の前に突如爆乳美女が現れさらに家出少女も加わり毎日エロエロ性活表題作10話&描きおろしプロローグ/エピローグ。お気楽極楽ライフから突如やってくるおぞましき境遇、そして危機を脱出したかと思えば悲しい別離が訪れ……と波瀾万丈の疑似家族ドラマをガチンコファックとともにくり広げる作者最新刊は通算22冊めにして成年指定としての10thコミックスだ。
前単行本「吾輩は××である 」はこの作家にしてはめずらしくまともなファックシーンがなかったので記事書きをパスしており(購入はしたのだが)、こちらでレヴュるのはちょうど1年前に発売の非成年扱いコミックス「迎撃商店街(2)」以来。またマークつき物件としては昨年8月に上梓された「DEBUT」(コアマガジン刊)からおよそ1年あまり、この版元での作品集としては去年1月刊行の「白昼夢 -肉に堕つ-」からひさびさのお目見えとなる。
最近ではガチエロ/微エロ/非エロとあらゆる媒体を股にかけ八面六臂の活躍だが、そんななかで直近数年の抜き用作品はある程度メディアによる作風の使い分けが固まってきた。すなわち、マークつき雑誌では輪姦強姦NTRてんこ盛りの情け無用ハードファック、慎太郎シール誌だと奇天烈なシチュと気の触れたような科白まわしとでお送りする怒濤のバカエロという具合。ゆえに黄色い楕円仕様の今作は読む前からさぞかしどっぷり重たい展開なのだろうなあと覚悟を決める。しかしながら実際にページを手繰ってみると、ヘヴィなお話ではあるもののいくらか事前の予想とは違う世界が開けていた。
1冊まるまるの長尺ものであるこちらは、天涯孤独の境遇ゆえに他人を信じられなくなった苦学生・カイが破格の条件で探し出した借家の鍵を開けたところでむっちり爆乳全裸ガールとエンカウントの場面で幕を開ける。初対面なのになぜかカイの名を呼びおもむろにちんこにしゃぶりついてくる彼女・咲姫の手であっさり童貞喪失&犯りまくり生活がスタートという美味しすぎるツカミはさすがヴェテラン作家の手練れの一閃。その後物語世界にはさらにパツキン家無しティーンズ・ツキヒが加わり赤の他人どうし3人の不思議な同居生活が甘くエロっちく展開されてゆく。
とまあ直近数冊のポリンキー成年本を見慣れた身には信じがたいほどスウィートなノリがのっけから続くのだが、そこはさすが堀博昭、途中でいきなりツキヒがキモキャラの餌食になり幼いボディを開発されまくるわ当初から挙動不審だった咲姫の秘密を知り残された時間の少なさに主人公呆然とするわの不幸のバーゲンセールに身も心も打ちのめされそう。単行本中盤あたりの刹那的なセックスのやるせない雰囲気に甚大なダメージを受けつつマイちんこは屹立しっぱなしですよ。
しかしながらドス黒い空気のまま劇終の近作とは異なり、本作のクライマックスではホンモノのカタルシスがぼくらをお出迎え。ネタバレになるので詳細は本編を参照していただきたいが、3人がひとつの絆で結ばれるラス前の展開、そして月日が流れ喪失の痛みから2人手をたずさえ新しい一歩を踏み出す最終話など大河小説のごとき怒濤のドラマトゥルギーに落涙必至。描きおろしエピローグ、かつての住処をもういちど――こんどは新しい3人で――訪れる締めくくりのシーンなどは堀博昭のストーリーテリングの妙を見せつけてもらった思いだ。まあ某有名漫画を想起させるそのオチにはちょっと笑っちゃったりもしたんですけどね。
エロシーンもことのほか気合いが入っており、ことに合法的にイチャイチャOKな設定の咲姫とくり広げる特濃ファック絨毯爆撃は白眉。いにしえの女学生のごときハカマ姿の清楚な咲姫が大好きな主人公の前では恥も外聞もなくドエロく変貌しパイズリフェラでハードにご奉仕→淫語乱射しつつぷっくりまんこでザーメン飲み干しまくりのえげつないストロングエロスに精巣のストックが枯渇すること必定。もう1人のヒロイン・ツキヒの方は若干不幸なセックスが挿入されはするものの、こちらも成長途上のボディをゴリゴリ使役して幼い子宮に膣内射精されまくりのすばらしき光景を全面フィーチャーだ。
巨大バスト特盛ヒップのエロすぎる肢体を惜しみなくさらしつつヒロインはいとおしげにイチモツを含み歯みがきフェラ&圧迫パイズリで精液搾取。休むいとまもなく自分から観音様をご開帳して腰を沈めジョイスティックを肉ヒダでこすりはじめ、トロトロのイキ顔見せつけながら幾度となく体位を代え摩擦運動のスピードを加速させつつ快楽享受に熱中だ。よだれダラダラたれ流し下品なエロワードをまき散らしながらしきりに中田氏を懇願する彼女のリクエストどおり、最後は子袋のいちばん深い部分まで浸透させるかのように許容量オーヴァーの白濁液をぶちまけて果てしなき性の饗宴に終止符。
昨日レヴュった同時発売のとんのすけ同様に大きめの白線修整は残念だけれど、パワフルかつ重厚なセックス満漢全席とジェットコースターのごとくアップダウン激しい作劇の両サイド攻撃ですっかり満腹。重苦しい部分はあるにせよ近年の堀博昭成年向け作品としてはめずらしくポジティヴに締めていることもあり取っつきも良好で、鉄板抜き物件としてだけでなくこの作家への入門編としてもお勧めしやすい1冊だ。ダブルヒロインたる咲姫とツキヒのどちらも魅力いっぱいで甲乙つけがたいが、ポリンキーキャラではめずらしくおっぱいひかえめ(でもしっかり自己主張はしている)&華奢なボディのツキヒたんの方がさらに背徳感アリアリで自分はわずかにこちらへ軍配ですかのう。
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